2012年8月25日土曜日

レンズが撮らえた幕末明治の女たち

レンズが撮らえた幕末明治の女たち
小沢健志著
山川出版社

明治の女たちを中心とした写真が満載された本。色々な楽しみ方ができる一冊。






山川出版社の「レンズが撮らえた~」シリーズは、幕末~明治にかけての貴重な写真が満載の私の大好きなシリーズである。
本書はターゲットを女たちに絞り、レンズの向こう側にいる女たちが多数掲載されている。

被写体になる事は滅多にない時代のものなので、登場する女たちは裕福なご令嬢・ご婦人と芸妓がほとんどである。
そしてスナップ写真ではなく、スタジオでしゃちこばって撮った写真がほとんどであり、女たちがニコリともせず、緊張した面持ちでレンズを見据えている。

和装・洋装と洋髪・日本髪が混在し、ファッション的にも過渡期であった事が窺える。
ヅラじゃなく、地毛の日本髪だ!と当たり前のことに感動しながらページをめくる。

写真を見るのが楽しみで読み始めたのだが、思いの外書かれている文章が面白かった。

世界の写真史の中でも独特であるという、明治期に生まれた「美人写真」。
明治24年に初めて行われた「美人コンテスト」。
外国人カメラマンが日本の写真師に影響を与えた撮影方法。
など、なかなか読みごたえがあった。

令嬢たちがに着物合わせて、首からネックレスのように時計鎖を下げたり、指輪をこれでもかというくらいたくさんはめていたりと、当時のオシャレ事情を読み説くのも楽しい。
色々な読み方ができるお勧めの本である。

↓私が勝手に「天城越え」と名付けた写真

 

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