王様!若い娘じゃなくたって、突然裸で出てきたら驚きますよ!
柏葉幸子著
講談社
桃さんは、内気で不器用な40過ぎの女性。
わけあって、生まれ故郷の図書館に司書として勤め始めました。
その図書館で、「はだかの王様」の本から出てきた王様と出会いました。
王様は、自分の本を何度も借りた少女のその後、つまりその子の「つづき」が知りたいと言うのです。
最初はびっくりしていた桃さんですが、王様と協力して「つづき」を探っていきます。
その後、おおかみやあまのじゃく、幽霊までもが、自分の本を読んだ子どもたちの「つづき」が知りたいと桃さんに頼んでくるのです。
しかも、桃さんの家に居座りながら!
登場人物たちがとても魅力的ですぐに夢中になりました。
だってね、王様なんか 「その歳だ。今までに不思議なことの1つや2つ、驚いたことの3つや4つ、なかったとは言わせん。わしを見たぐらいで、若い娘でもあるまいに、悲鳴などあげんでくれ。」 なんて言うんですよ!
ビミョーなお年頃の桃さんに向かって。
しかも、自分は裸なのに威張った王様口調で。
あまのじゃくも桃さんのことを 「おにばばぁ!」 と言ったり、小さな男の子ですから落ち着きなく飛び回ったり……
本の中から出てきたみんなが桃さんを困らせます。
だけどみんな桃さんが大好きで、桃さんも彼らのあしらい方に慣れていきます。
そのやり取りもクスクス笑っちゃうほど面白いのです。
内気だった桃さんも、みんなと接しているうちに心が溶けてきて、大胆なことまでしてしまいます!
突然やって来たお別れは、寂しくてホロっと涙が出ました。
でも、だんだんとピースがはまっていき、最後は拍手したくなるのです。
楽しくて面白くて、ちょっぴりせつない物語。
大好きな、大切な一冊になりました。
※ちなみに私が子どもの頃、一番ぼろぼろになるまで繰り返し読んだのは、素敵な物語……と言いたいところだけど、「からだのヒミツ」でした。
ヒトちゃん、私のつづき知りたがってるかな?
2016年10月27日木曜日
少女ソフィアの夏
トーベ・ヤンソン著
講談社
祖母と孫娘の島での暮らしが描かれた22編の短編集。
そう聞くと、「ああ、おばあさんが孫娘を優しく見守るほっこり系のお話ね、わかるわかる。」なぁんて思うでしょ?
これが違うんだなぁ。
このおばあさん、普通じゃないんだから。
冒頭で、孫娘がいきなり「おばあちゃんいつ死ぬの?」なんて聞くからびっくりしちゃった。
だってなんの状況説明もなくて、「あなたは誰?そこはどこ?」の状態だったのに、そんなこと言うんだもん。
この二人の関係大丈夫?って心配するのわかるでしょ。
読んでいくうちにどうやら、ママは亡くなってパパとおばあちゃんと孫娘ソフィアと3人で、夏の間だけ島に来ているってわかるんだけどね。
でもパパの存在は薄くっておばあさんのキャラが濃いから、題名は「ソフィア」だけど主人公はおばあさんだと私は思うの。
鳥が死んでいるのを見つけた時に孫娘ソフィアが「埋めてやらないの?」と聞くと、おばあさんは「そんなことしなくていいんだよ。しぜんに葬られるの。」って答えるの。
これでいっぺんにこのおばあさんのファンになっちゃった。
ときにはパパとの約束を破っていいのか不安がるソフィアに「眠っているからわかりっこないよ。」と言って煽るおばあさん。
「家宅侵入?」と孫娘に言われながらも知らない人の家に鍵を壊して入るおばあさん。
孫娘といかさまを駆使しながらトランプをして、いつも喧嘩になってしまうおばあさん。
70歳も年下の孫と
本気で一緒に遊んで、
本気で喧嘩して怒って、
本気で向き合うおばあちゃん。
二人の独特な世界が展開されていくのを見ていると、祖母と孫だけど相棒とか親友のようにも思えてくるんだから。
べったりしていない二人は、子どもの気まぐれや残酷さ、年寄りの老いや頑固さも隠さず、それでいてとてもいい関係で見ていると微笑ましく思えてくる……あれ?ほっこり系じゃないって最初に言ってたのに、まぁ、いっかぁ。
そして、私もいい歳なのに童心にかえって一緒にわくわくしたり、知らない場所・知らない時代・知らない風景なのになぜか懐かしく、ノスタルジックな気分になっちゃったりするのよねぇ。
簡潔な文章で挿し絵もほとんどないけれど、だからこそ頭の中に自然豊かな島の風景が浮かんでくる物語でもあるの。
まるで動く絵画のような。
でも、私が思い浮かべる風景とあなたが思い浮かべる風景はきっと違う。
読んだ人それぞれの頭の中に大切な「夏」が描かれていく……そう思える素敵な世界だったよ。
※~※~※~※~※~※~※~※~※~※~※~※~※~
縁あってこの本を手に取り、きっと素敵な本だと確信したので、先入観を持たずに読もうと1ページ目からゆっくり読んでいきました。
あとがきを読んで、初めて色々わかりました。
本書はムーミンでお馴染みのトーベ・ヤンソンさんが「私の書いたものの中で最も美しい」とおっしゃる物語です。
「おばあさん」のモデルはトーベ・ヤンソンさんのお母さん、「ソフィア」は姪っ子で、舞台となっている島は彼らが毎年夏に4ヶ月ほど過ごす実在の島だそうです。
だから、思い入れがあるのでしょう、島の自然が生き生きと描かれています。
本当に簡潔な文章で、情緒たっぷりとか細かい情景描写とかないにも関わらず、不思議と景色が浮かび上がって来るのです。
これがトーベ・ヤンソンさんの魅力なのかな?と初心者のくせに思ったりしました。
2014年1月20日月曜日
マックスのどろぼう修行
斉藤洋著
理論社
泥棒修行も楽じゃない!「みんながあっと驚くものを盗んでこい」と言われた窃盗団の息子・マックス11歳の旅物語。
主人公の男の子が可愛くてたまらない「テーオバルトの騎士道入門」 の姉妹編があると知り、いてもたってもいられなくなり読みました。
主人公のマックスは、盗賊団の長老の孫です。
おじいさんもお父さんも泥棒の腕は一流で、将来長老になることを期待されています。
ところが、マックスはみっちり修行したにもかかわらず、錠前一つ開けられない落第生なのです。
でもマックスにも得意なことがあります。
普通の人はいくら吹いても音すら出ない伝説の笛「ローマの鳴らずの笛」を、上手に吹くことができるのです。
そんなマックスが泥棒修行の旅に出ることになりました。
泥棒修行の旅とは、一人前の泥棒になるためにたった一人で旅をして、誰もがあっと驚くものを盗んで帰ってこなければならないのです。
マックスは、無事にお宝を盗み出して戻ってくるのでしょうか・・・?
~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*
テーオバルトも素直で賢い少年でしたが、本作の主人公・マックスも泥棒の技は習得できなくてもとても頭が働く賢いいい子です。
旅を進めるうちに、その優秀さが様々な場面で見え隠れします。
そして、読み進めると前作の主人公・テーオバルト男爵が登場して、「うう(´Д⊂、立派になったね。おばさんはうれしいよ。」と感激の再会をすることができました。
斉藤洋さんの本は、子供に媚びず教訓めいていないところが魅力に感じます。
純粋にストーリを楽しめるのです。
小学校2,3年生くらいから楽しめるおすすめの本です。
理論社
泥棒修行も楽じゃない!「みんながあっと驚くものを盗んでこい」と言われた窃盗団の息子・マックス11歳の旅物語。
主人公の男の子が可愛くてたまらない「テーオバルトの騎士道入門」 の姉妹編があると知り、いてもたってもいられなくなり読みました。
主人公のマックスは、盗賊団の長老の孫です。
おじいさんもお父さんも泥棒の腕は一流で、将来長老になることを期待されています。
ところが、マックスはみっちり修行したにもかかわらず、錠前一つ開けられない落第生なのです。
でもマックスにも得意なことがあります。
普通の人はいくら吹いても音すら出ない伝説の笛「ローマの鳴らずの笛」を、上手に吹くことができるのです。
そんなマックスが泥棒修行の旅に出ることになりました。
泥棒修行の旅とは、一人前の泥棒になるためにたった一人で旅をして、誰もがあっと驚くものを盗んで帰ってこなければならないのです。
マックスは、無事にお宝を盗み出して戻ってくるのでしょうか・・・?
~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*
テーオバルトも素直で賢い少年でしたが、本作の主人公・マックスも泥棒の技は習得できなくてもとても頭が働く賢いいい子です。
旅を進めるうちに、その優秀さが様々な場面で見え隠れします。
そして、読み進めると前作の主人公・テーオバルト男爵が登場して、「うう(´Д⊂、立派になったね。おばさんはうれしいよ。」と感激の再会をすることができました。
斉藤洋さんの本は、子供に媚びず教訓めいていないところが魅力に感じます。
純粋にストーリを楽しめるのです。
小学校2,3年生くらいから楽しめるおすすめの本です。
2013年12月15日日曜日
おもいついたらそのときに!
西内ミナミ著
こぐま社
すぐに行動に移してしまうおばあさん。誰か~!このおばあさん止めて~!
小さな家で、おばあさんと猫が暮らしていました。
チューリップが見事に咲き、おばあさんは「私は花作りの天才だわ。」と自画自賛します。
その時!!!
おばあさんの頭の中で、何かがピカッと光ったのです。
「思いついたらその時に!私、花屋さんを始めよう!」
とすぐに花屋さんを始めてしまいます。
なんとアクティブなおばあさんなんでしょう。
おばあさんが台所で料理を始めると美味しいシチューが出来上がりました。
「私は料理の天才だわ。」
自画自賛したその時!!!!
またまたおばあさんの頭の中で、何かがピカッと光ったのです。
ヒラメキすぎのような気がしますが、「思いついたらその時に」がモットーのおばあさんですから、すぐにレストランを始めることにしました。
こうしておばあさんは、色々な方面に才能を発揮し、その度にピカッと閃いて行動に移すのです。
同居しているネコだって止めればいいのに、おばあさんのやることなすことにいつも賛成して応援してしまうのです。
そんなに才能豊かで行動的なら、もっと若いうちから色々始めていれば今頃は・・・というのは言わずにおきましょう。
どんどん行動に移すものですから、おばあさんはたちまち忙しくなり、やがてトンでもないことが起こります。
~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*
展開が早く、あれよあれよという間におばあさんが凄いことになっていくので、えーっ!と言いながら面白く読みました。
幼稚園位の子供たちも、飽きずに楽しめそうないい本でした。
こぐま社
すぐに行動に移してしまうおばあさん。誰か~!このおばあさん止めて~!
小さな家で、おばあさんと猫が暮らしていました。
チューリップが見事に咲き、おばあさんは「私は花作りの天才だわ。」と自画自賛します。
その時!!!
おばあさんの頭の中で、何かがピカッと光ったのです。
「思いついたらその時に!私、花屋さんを始めよう!」
とすぐに花屋さんを始めてしまいます。
なんとアクティブなおばあさんなんでしょう。
おばあさんが台所で料理を始めると美味しいシチューが出来上がりました。
「私は料理の天才だわ。」
自画自賛したその時!!!!
またまたおばあさんの頭の中で、何かがピカッと光ったのです。
ヒラメキすぎのような気がしますが、「思いついたらその時に」がモットーのおばあさんですから、すぐにレストランを始めることにしました。
こうしておばあさんは、色々な方面に才能を発揮し、その度にピカッと閃いて行動に移すのです。
同居しているネコだって止めればいいのに、おばあさんのやることなすことにいつも賛成して応援してしまうのです。
そんなに才能豊かで行動的なら、もっと若いうちから色々始めていれば今頃は・・・というのは言わずにおきましょう。
どんどん行動に移すものですから、おばあさんはたちまち忙しくなり、やがてトンでもないことが起こります。
~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*
展開が早く、あれよあれよという間におばあさんが凄いことになっていくので、えーっ!と言いながら面白く読みました。
幼稚園位の子供たちも、飽きずに楽しめそうないい本でした。
2013年11月21日木曜日
しろくまのパンツ
tuperatupera著
ブロンズ新社
しろくま、パンツ失くしたってよ。
「パンダ銭湯」があまりにも面白かったので、同じ著者のこの本、「しろくまのパンツ」を読んでみました。
「どこにいったんだろう」
しろくまさんが、パンツを失くして困っています。
小学生の時の修学旅行で、先生が「これ、誰のパンツだ~?」とパンツをつまみながら大声で叫んでいたのを思い出しました。
誰も名乗り出ることはなかったので、先生はしつこくしつこく叫んでいました。
「持ち主は後でこっそり先生のところへ取りに来なさい。」とでも言ってくれれば取りに行くかも知れないのに、と大人になった今はそう思います。
いえ、落とし主は私ではありませんでしたが。
「小学生」「パンツ」でもう一つ思い出しました。
水泳の授業が1時間目の日は、みんな家から水着を着て登校していました。
その中に、着替え用のパンツを忘れてくる子が何人かいました。
その子達は一日ノーパンで過ごしていたのでしょうか?
告白すると、私自身も忘れた経験があるのですが、その後どうしたのか、遠い昔のことなので全く記憶にありません。
ブルマでもはいて帰ったのでしょうか。
そうそう、しろくまさんのパンツの話でしたね。
しろくまさんは、どこでパンツを失くしたのでしょうか。
ねずみさんが心配して一緒に探してくれることになりました。
ねずみさんがしろくまさんに聞きます。
「今日はどんなパンツをはいていたの?」
「忘れちゃった・・・」
どうやらしろくまさんたら、今日はいたパンツを覚えていないようです。
でも、私はしろくまさんのことを笑えません。
今だって、どんなのをはいているか見てみないとわからないのですから。
縦じまのカラフルなパンツがありました。
「これしろくまさんのパンツ?」
「ううん、違う。」
「じゃあ、誰のパンツ?」
シマウマさんのパンツでした。
シマウマさんは体のしまだけでは飽き足らず、パンツまでしま模様にこだわるようです。
こうして二人はしろくまさんのパンツを探していきます。
すると、驚きの場所にしろくまさんのパンツがあったのです!!!
~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*
「パンダ銭湯」のような衝撃的な内容ではないですが、笑いながら読みました。
ページに穴があいているので触ることもでき、1歳位の小さいお子さんから楽しめるいい本だと思います。
表紙の赤いパンツは脱ぐこともでき、破れたりなくした場合は80円切手で購入することもできるそうです。
2013年11月7日木曜日
おとうさんがいっぱい
三田村信行作
佐々木マキ絵
株式会社理論社
お父さんが増えた!誰が本物のお父さんなのか?・・・これは童話なのか?SFなのか?それともホラーなのだろうか?
表紙の男3人が夫に似ている。
禿頭でヒゲを生やしているところが同じ、というだけなのだが。
図書館から借りてきたら、子供たちが表紙を見て「うわぁ、まさにお父さんがいっぱいだ!」と大盛り上がりだった。
この「おとうさんがいっぱい」は5編が収録された児童書である。
児童書といっても、侮れない、なかなかシュールな物語ばかりだ。
「ゆめであいましょう」
ミキオは、昔の自分が出てくる夢を見た。
最初は生まれたばかりの赤ん坊、次は5歳くらいの男の子・・・と夢を見るたびに大きくなっている自分。
どの子も夢の中で現在の自分を見ると怖がってしまう。
良い子は夢を見るのが怖くて、夜な夜な怯えてしまいそうな話である。
「どこへもゆけない道」
駅から自宅へ戻ると、そこはいつもの自宅ではない。
もう一度駅前へ戻り、自宅へ帰ってみるが、今度は自宅が消えている。
自宅が変わってしまったらどうしようと、外出するのが怖くなってしまいそうな話である。
そして表題作の「おとうさんがいっぱい」
いつの間にかお父さんが増えているのである。
どのお父さんも自分が本物だと言い張り、喧嘩になってしまう。
我が家だけではなく、全国いたるところで父親が増えるという騒ぎが持ち上がっていた。
中にはお父さんが12人も増えてしまった家庭も!
政府も対策に乗り出すのだが・・・
その他
マンション5階の自宅からどうしても出られなくなってしまう「ぼくは5階で」
お父さんが壁の中へ入ってしまう「かべは知っていた」
など、子供に全く媚びていない物語ばかりである。
どの話も、なぜそうなってしまったのかという説明もなしに、強引に話が進んでいく。
読者は、えー!と驚愕しながらどんどん引きずられていってしまう。
これが子供向けなのか?
SF、いやホラーではないのか?
童話ならばせめて話を丸く収めてくれたらいいのに、そんなこともなく突き放されたまま話が終わってしまう。
良い子のみんなは、この本を読んで夜ぐっすり眠れるのだろうか。
是非とも小学生の感想を聞いてみたい。
佐々木マキ絵
株式会社理論社
お父さんが増えた!誰が本物のお父さんなのか?・・・これは童話なのか?SFなのか?それともホラーなのだろうか?
表紙の男3人が夫に似ている。
禿頭でヒゲを生やしているところが同じ、というだけなのだが。
図書館から借りてきたら、子供たちが表紙を見て「うわぁ、まさにお父さんがいっぱいだ!」と大盛り上がりだった。
この「おとうさんがいっぱい」は5編が収録された児童書である。
児童書といっても、侮れない、なかなかシュールな物語ばかりだ。
「ゆめであいましょう」
ミキオは、昔の自分が出てくる夢を見た。
最初は生まれたばかりの赤ん坊、次は5歳くらいの男の子・・・と夢を見るたびに大きくなっている自分。
どの子も夢の中で現在の自分を見ると怖がってしまう。
良い子は夢を見るのが怖くて、夜な夜な怯えてしまいそうな話である。
「どこへもゆけない道」
駅から自宅へ戻ると、そこはいつもの自宅ではない。
もう一度駅前へ戻り、自宅へ帰ってみるが、今度は自宅が消えている。
自宅が変わってしまったらどうしようと、外出するのが怖くなってしまいそうな話である。
そして表題作の「おとうさんがいっぱい」
いつの間にかお父さんが増えているのである。
どのお父さんも自分が本物だと言い張り、喧嘩になってしまう。
我が家だけではなく、全国いたるところで父親が増えるという騒ぎが持ち上がっていた。
中にはお父さんが12人も増えてしまった家庭も!
政府も対策に乗り出すのだが・・・
その他
マンション5階の自宅からどうしても出られなくなってしまう「ぼくは5階で」
お父さんが壁の中へ入ってしまう「かべは知っていた」
など、子供に全く媚びていない物語ばかりである。
どの話も、なぜそうなってしまったのかという説明もなしに、強引に話が進んでいく。
読者は、えー!と驚愕しながらどんどん引きずられていってしまう。
これが子供向けなのか?
SF、いやホラーではないのか?
童話ならばせめて話を丸く収めてくれたらいいのに、そんなこともなく突き放されたまま話が終わってしまう。
良い子のみんなは、この本を読んで夜ぐっすり眠れるのだろうか。
是非とも小学生の感想を聞いてみたい。
2013年10月11日金曜日
パンダ銭湯
tuperatupera著
絵本館
君はパンダの秘密を守れるか?人には口外しないと誓えるか?
あなたは口が固いですか?
秘密を守れますか?
すぐに「はい」と返事できない方は、この本を読んではいけません。
なぜならば、ここにはパンダの決して知られてはいけない秘密が書かれているのだから。
ある日パンダの親子は、「よし、今日は銭湯に行くか」「やったぁ!」と仲良く銭湯に向かいます。
そこは、「パンダ以外の入店は固くお断りしています」と貼り紙があるパンダ専用の銭湯「パンダ湯」です。
客をパンダに限定して経営が成り立つのか疑問に思いますが、意外と繁盛しています。
脱衣所には、ビールメーカーのキャンギャルでしょうか、若くて美しい(たぶん)パンダの水着姿のカレンダーがかかっています。
パンダの親父たちも、やはり若いお姉ちゃんが好きなようです。
湯上りには飲むのはこれで決まり!とばかりに、竹林牛乳さんの「サササイダー」もキンキンに冷えてスタンバっています。
彼らも飲む時は腰に手を当てるのでしょうか。
そして、裸になって・・・
・・・えっ!《゚Д゚》
え━━━(゚ロ゚;)━━っ!!
そ、そうだったのか。
||||||||||凹[◎凸◎;]凹||||||||||
と、とてもショッキングな絵が続きます。
・・・・気を取り直して洗い場です。
パンダ同士の社交場にもなっているようで、飼育員さんの噂話も聞こえてきます。
備え付けのシャンプーは「スーパーワイルドシャンプー」です。
彼らも「野生」の魅力に憧れているようです。
これでもかと秘密を見せつけられショックを受けている読者たちに、湯上りの脱衣所で最後の仕上げとばかり、衝撃の事実が突きつけられます。
)゚0゚(
誰でも自然とムンクの叫びになってしまうことでしょう。
愛くるしく、見ているだけで癒されるパンダたち。
その可愛さを保つために、笑顔の裏で血のにじむような努力をしているのです。(たぶん)
次にパンダに会った時、「君たちも大変だね」と声をかけながら、耳の後ろを確かめてみたいと思います。
絵本館
君はパンダの秘密を守れるか?人には口外しないと誓えるか?
あなたは口が固いですか?
秘密を守れますか?
すぐに「はい」と返事できない方は、この本を読んではいけません。
なぜならば、ここにはパンダの決して知られてはいけない秘密が書かれているのだから。
ある日パンダの親子は、「よし、今日は銭湯に行くか」「やったぁ!」と仲良く銭湯に向かいます。
そこは、「パンダ以外の入店は固くお断りしています」と貼り紙があるパンダ専用の銭湯「パンダ湯」です。
客をパンダに限定して経営が成り立つのか疑問に思いますが、意外と繁盛しています。
脱衣所には、ビールメーカーのキャンギャルでしょうか、若くて美しい(たぶん)パンダの水着姿のカレンダーがかかっています。
パンダの親父たちも、やはり若いお姉ちゃんが好きなようです。
湯上りには飲むのはこれで決まり!とばかりに、竹林牛乳さんの「サササイダー」もキンキンに冷えてスタンバっています。
彼らも飲む時は腰に手を当てるのでしょうか。
そして、裸になって・・・
・・・えっ!《゚Д゚》
え━━━(゚ロ゚;)━━っ!!
そ、そうだったのか。
||||||||||凹[◎凸◎;]凹||||||||||
と、とてもショッキングな絵が続きます。
・・・・気を取り直して洗い場です。
パンダ同士の社交場にもなっているようで、飼育員さんの噂話も聞こえてきます。
備え付けのシャンプーは「スーパーワイルドシャンプー」です。
彼らも「野生」の魅力に憧れているようです。
これでもかと秘密を見せつけられショックを受けている読者たちに、湯上りの脱衣所で最後の仕上げとばかり、衝撃の事実が突きつけられます。
)゚0゚(
誰でも自然とムンクの叫びになってしまうことでしょう。
愛くるしく、見ているだけで癒されるパンダたち。
その可愛さを保つために、笑顔の裏で血のにじむような努力をしているのです。(たぶん)
次にパンダに会った時、「君たちも大変だね」と声をかけながら、耳の後ろを確かめてみたいと思います。
2013年8月24日土曜日
いるの いないの
京極夏彦作
町田尚子絵
東雅夫編
岩崎書店
巷で話題のこの怪談絵本。
怖い、怖いと評判だが、怖いと言っても怪談、つまり作り話でしょ。
しかも絵本だから大丈夫だよ!と自分に言い聞かせながら読み始めた一人の夜。
とても古く、天井が高いおばあちゃんの家で暮らし始めた少年。
太い梁のずっと上の暗いところに何かいるのではないかと怯える少年に、
おばあちゃんは「見なければ怖くないよ」とやさしく笑いながら答える。
そう言われても気になってしまうのが人間だ。
「いるかもな、と思うと見ちゃう」のだ。
この本を侮っていた。
昼間の明るい時間に読むべきだった。
一人じゃない時に読めばよかった。
あの場面が目に焼き付いて離れないじゃないか!
しかし、読み終わりしばらくすると笑いがこみ上げてくるのだ。
怖がる自分がおかしくて。
作・絵・企画の上手さに。
これは大勢で楽しみながら読む本だ。
例えば教室でキャーキャー言いながら。
例えば家族で楽しみながら。
ただし、小さい子はトラウマになりそうなのでやめておいた方がいいだろう。
怖いポイントは「和」だと思う。
かつて女友達と夏限定のお化け屋敷に入ったことがある。
深く考えずに入場したのだが、古い日本家屋を模したその中は、
押入れから、キャー!
暗い廊下の先に、キャー!
そのまま途中で動けなくなり、「後がつかえてますので進んでください」との放送が入り、
強制退場させられた。
そこらの遊園地にあるお化け屋敷なら笑いながら進める私の、
ちょっとしたことなら動じない年齢になった私の、黒歴史である。
洋モノより和モノの方が絶対怖い。
日本人にとって想像しやすいからだろうか。
お風呂場でシャンプーしながら目をつむり、ふと後ろに気配を感じてしまう時、
そこにいるのはやっぱり「和」の何かだろう。
怖くて楽しめるこの怪談絵本。
でもあのページが頭にこびりついてしまった・・・
町田尚子絵
東雅夫編
岩崎書店
巷で話題のこの怪談絵本。
怖い、怖いと評判だが、怖いと言っても怪談、つまり作り話でしょ。
しかも絵本だから大丈夫だよ!と自分に言い聞かせながら読み始めた一人の夜。
とても古く、天井が高いおばあちゃんの家で暮らし始めた少年。
太い梁のずっと上の暗いところに何かいるのではないかと怯える少年に、
おばあちゃんは「見なければ怖くないよ」とやさしく笑いながら答える。
そう言われても気になってしまうのが人間だ。
「いるかもな、と思うと見ちゃう」のだ。
この本を侮っていた。
昼間の明るい時間に読むべきだった。
一人じゃない時に読めばよかった。
あの場面が目に焼き付いて離れないじゃないか!
しかし、読み終わりしばらくすると笑いがこみ上げてくるのだ。
怖がる自分がおかしくて。
作・絵・企画の上手さに。
これは大勢で楽しみながら読む本だ。
例えば教室でキャーキャー言いながら。
例えば家族で楽しみながら。
ただし、小さい子はトラウマになりそうなのでやめておいた方がいいだろう。
怖いポイントは「和」だと思う。
かつて女友達と夏限定のお化け屋敷に入ったことがある。
深く考えずに入場したのだが、古い日本家屋を模したその中は、
押入れから、キャー!
暗い廊下の先に、キャー!
そのまま途中で動けなくなり、「後がつかえてますので進んでください」との放送が入り、
強制退場させられた。
そこらの遊園地にあるお化け屋敷なら笑いながら進める私の、
ちょっとしたことなら動じない年齢になった私の、黒歴史である。
洋モノより和モノの方が絶対怖い。
日本人にとって想像しやすいからだろうか。
お風呂場でシャンプーしながら目をつむり、ふと後ろに気配を感じてしまう時、
そこにいるのはやっぱり「和」の何かだろう。
怖くて楽しめるこの怪談絵本。
でもあのページが頭にこびりついてしまった・・・
2013年1月14日月曜日
テーオバルトの騎士道入門
テーオバルトの騎士道入門
斉藤洋著
理論社
今年70歳になる男爵は、一人息子が戦死してからめっきり老け込んでしまった。
孫の テーオバルト 15歳に早く跡を継いでもらいたいと考えている。
しかし、「騎士たる者は、竜の涙を手に入れぬかぎり、一人前とは言えぬ」と『騎士道入門』 に書いてあるため、竜の涙を手に入れるまで跡を継がないという。
困った老男爵は、竜のハリボテを作り、テーオバルト に火矢を打たせ燃やさせて、竜を退治させたことにするという大掛かりなイタズラを思いつく。
こうして テーオバルト は、お供の ハンス と共に、意気揚々と竜を退治する旅に出かけた。
「ルドルフとイッパイアッテナ」の作者が送る、少年と家来の珍道中物語。
旅の冒頭から、「わからぬことがあれば、森の賢者に尋ねなければならない」と『騎士道入門』に書いてあるから賢者に聞きに行くと言い張られ、ハリボテ竜を北の山に仕込んだ家来のハンスは困ってしまう。
仕方なく木こりをにわか賢者に仕立て上げ、何を聞かれても「北の方じゃ」と答えろ、余計なことは言うなと釘をさしておいた。
ところが、『騎士道入門』には立派な人物には丁寧にかつ遠まわしに質問しなければならないと書かれているため「竜が いない のはどの方角でしょうか?」と聞いてしまう。
当然「北の方じゃ。余計なことは言わん。」と答える木こり賢者。
北の方角にハリボテ竜を仕込んでいたハンスは対応に大わらわとなる。
二人の旅は前途多難なのである。
そんな調子で続く二人の珍道中。
主人公のテーオバルトが、とても素直ないい子で魅力的である。
家来のハンスに言いくるめられると、おかしいなと思いながらも素直に信じるのである。
他の登場人物たちも個性豊かで、ユーモラスに描かれている。
最初から最後までクスクス笑いながら読めるのだが、最後はうまくまとまって感動的だ。
こんないい子が将来治める地域はきっと平和だろうな、と羨ましく思った。
斉藤洋著
理論社
竜の涙を手に入れぬかぎり一人前の騎士とはいえないのだ。なぜなら「騎士道入門」にそう書いてあるから!
今年70歳になる男爵は、一人息子が戦死してからめっきり老け込んでしまった。
孫の テーオバルト 15歳に早く跡を継いでもらいたいと考えている。
しかし、「騎士たる者は、竜の涙を手に入れぬかぎり、一人前とは言えぬ」と『騎士道入門』 に書いてあるため、竜の涙を手に入れるまで跡を継がないという。
困った老男爵は、竜のハリボテを作り、テーオバルト に火矢を打たせ燃やさせて、竜を退治させたことにするという大掛かりなイタズラを思いつく。
こうして テーオバルト は、お供の ハンス と共に、意気揚々と竜を退治する旅に出かけた。
「ルドルフとイッパイアッテナ」の作者が送る、少年と家来の珍道中物語。
旅の冒頭から、「わからぬことがあれば、森の賢者に尋ねなければならない」と『騎士道入門』に書いてあるから賢者に聞きに行くと言い張られ、ハリボテ竜を北の山に仕込んだ家来のハンスは困ってしまう。
仕方なく木こりをにわか賢者に仕立て上げ、何を聞かれても「北の方じゃ」と答えろ、余計なことは言うなと釘をさしておいた。
ところが、『騎士道入門』には立派な人物には丁寧にかつ遠まわしに質問しなければならないと書かれているため「竜が いない のはどの方角でしょうか?」と聞いてしまう。
当然「北の方じゃ。余計なことは言わん。」と答える木こり賢者。
北の方角にハリボテ竜を仕込んでいたハンスは対応に大わらわとなる。
二人の旅は前途多難なのである。
そんな調子で続く二人の珍道中。
主人公のテーオバルトが、とても素直ないい子で魅力的である。
家来のハンスに言いくるめられると、おかしいなと思いながらも素直に信じるのである。
他の登場人物たちも個性豊かで、ユーモラスに描かれている。
最初から最後までクスクス笑いながら読めるのだが、最後はうまくまとまって感動的だ。
こんないい子が将来治める地域はきっと平和だろうな、と羨ましく思った。
2012年12月16日日曜日
少年
少年
ロアルド・ダール著
永井淳訳
早川書房
予想のつかない、ワクワクする物語を書いたロアルド・ダール。
彼はどんな少年時代を送ったのだろうか。
『チョコレート工場の秘密』『マチルダはちいさな大天才』 『こちらゆかいな窓ふき会社』など、ワクワクするような児童文学や短編を発表したロアルド・ダール。
ノルウェー人の両親のもと南ウェールズで生まれ、6人兄弟(異母兄弟含む)の賑やかな家庭で育つ。
父親が船舶雑貨業で成功したため裕福な暮らしをしていた。
ダールがまだ3歳の時に姉と父を立て続けに亡くす。
7歳で男子校に入学し、9歳で寄宿舎に入る。
12歳でパブリックスクール入学。
18歳でシェルに就職。
本書は、そんなロアルド・ダール(1916-1990)の少年時代を中心に書かれた自伝である。
9歳の時いつも寄っていた駄菓子屋のいやなばあさんに仕返ししようと、ネズミの死骸をお菓子の瓶に入れたり、いけ好かない姉の婚約者がいつも吸っているパイプにヤギの糞を詰めたりと、今では考えられないイタズラをする。
学校にはイヤな先生がたくさんいて、何かと鞭打ちの刑にされてしまう。
学校には手ごわい上級生がいて、こき使われ、理不尽な仕打ちを受ける。
まるで、ダールの物語に出てくるような世界だ。
それでもこまめに母親に手紙を書き(全て残っているそう!)、毎年家族で楽しい旅行に行くという家族愛に恵まれすくすくと育ったダール。
やっぱりお菓子が好きだったんだなと思うエピソードもたくさんあり、少年時代の辛い体験、楽しい経験が作品につながっていくのだなと感じた。
そんなダールも学校での作文の成績は散々だった。
写真や当時出した手紙・イラストがたくさん掲載されていて、文章も読みやすく飽きさせない、さすがサービス精神旺盛なダールらしい、素敵な伝記だった。
青年期について書かれた「単独飛行」もぜひ読みたいと思う。
以下興味深かった箇所
・1934年当時、無帽・傘なしのサラリーマンなどいなかった。傘なしだと裸で外を歩くような気がした。
・卒業後、大学に行かずに遠く離れた素晴らしい土地へ行かせてくれる会社で働きたいとシェルに応募した。その後ライオンやキリンに会えると喜んで東アフリカに赴任した。
ロアルド・ダール著
永井淳訳
早川書房
予想のつかない、ワクワクする物語を書いたロアルド・ダール。
彼はどんな少年時代を送ったのだろうか。
『チョコレート工場の秘密』『マチルダはちいさな大天才』 『こちらゆかいな窓ふき会社』など、ワクワクするような児童文学や短編を発表したロアルド・ダール。
ノルウェー人の両親のもと南ウェールズで生まれ、6人兄弟(異母兄弟含む)の賑やかな家庭で育つ。
父親が船舶雑貨業で成功したため裕福な暮らしをしていた。
ダールがまだ3歳の時に姉と父を立て続けに亡くす。
7歳で男子校に入学し、9歳で寄宿舎に入る。
12歳でパブリックスクール入学。
18歳でシェルに就職。
本書は、そんなロアルド・ダール(1916-1990)の少年時代を中心に書かれた自伝である。
9歳の時いつも寄っていた駄菓子屋のいやなばあさんに仕返ししようと、ネズミの死骸をお菓子の瓶に入れたり、いけ好かない姉の婚約者がいつも吸っているパイプにヤギの糞を詰めたりと、今では考えられないイタズラをする。
学校にはイヤな先生がたくさんいて、何かと鞭打ちの刑にされてしまう。
学校には手ごわい上級生がいて、こき使われ、理不尽な仕打ちを受ける。
まるで、ダールの物語に出てくるような世界だ。
それでもこまめに母親に手紙を書き(全て残っているそう!)、毎年家族で楽しい旅行に行くという家族愛に恵まれすくすくと育ったダール。
やっぱりお菓子が好きだったんだなと思うエピソードもたくさんあり、少年時代の辛い体験、楽しい経験が作品につながっていくのだなと感じた。
そんなダールも学校での作文の成績は散々だった。
「論旨支離滅裂・語彙拙劣」酷評した当時の先生方は、ダールの何を見ていたのだろうか、その後有名になってどう思ったのだろうか。
「級で最低の生徒」
「発想にみるべきものなし」
写真や当時出した手紙・イラストがたくさん掲載されていて、文章も読みやすく飽きさせない、さすがサービス精神旺盛なダールらしい、素敵な伝記だった。
青年期について書かれた「単独飛行」もぜひ読みたいと思う。
以下興味深かった箇所
・1934年当時、無帽・傘なしのサラリーマンなどいなかった。傘なしだと裸で外を歩くような気がした。
・卒業後、大学に行かずに遠く離れた素晴らしい土地へ行かせてくれる会社で働きたいとシェルに応募した。その後ライオンやキリンに会えると喜んで東アフリカに赴任した。
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| 図書館で借りた表紙 |
2012年12月11日火曜日
金魚のお使い
金魚のお使い
与謝野晶子著
和泉書院
与謝野晶子の童話集。母の愛にあふれた21編。
与謝野晶子が子育てをしていた当時の子供向けの話には
・仇討ちや金銭に関したことが混じっている
・言葉遣いが野卑
・あまりに教訓がかっている
ものばかりなため、自分の子供たちに自分で作って聞かせたのが童話創作の始まりだという。
その後「少女の友」などの雑誌に次々と子供向けの話を発表していく。
本書は、明治43年に出版された「おとぎばなし少年少女」に収録された話を中心に21編が収められた与謝野晶子の童話集である。
(現代かなづかいに改め、不適切な表現を修正しているとの注意書きがあった。)
金魚が電車に乗っておつかいに行く表題作の「金魚のお使い」、誰もが逃げ出す泣き声の女の子が登場する「女の大将」など、楽しい子供向けの話が掲載されている。
私が一番気に入ったのは、「黄色い土瓶」という物語。
土瓶に目を書くという「おいた」をすると、土瓶は「目が開いた」と大喜びする。
小躍りするたびにお湯をこぼしてしまう土瓶。
お父さんに足を描いてもらうと、お辞儀してお礼を言う。
下を向いてどぶどぶお湯をこぼす土瓶。
そんな土瓶がお使いを頼まれて・・・
と読みながらワクワクするような話だった。
「母さんも言って下すったものですから」など言葉遣いがとても丁寧で、竹久夢二始め当時の挿絵も掲載されていて、明治~大正の雰囲気をたっぷり味わえる。
教訓がかっているのが嫌だと言いつつも、時々教育的指導が透けて見えるところに、子沢山であった与謝野晶子の母心が伺える。
襦袢、帳面、天長節など今ではあまり使われない言葉が出てくるので子供が一人で読むには難しいかもしれない。
「巴旦杏」(はたんきゃう・スモモの一種)や「髷のてがら」(丸髷の根元に飾る布切れ)は私もわからなかった。
しかし、内容的には大人も楽しめる童話集である。
※先日「与謝野晶子が当時爆発的に流行っていたパラフィン注射式の隆鼻術を受けた」と週刊誌で読んだ。本当だろうか。
与謝野晶子著
和泉書院
与謝野晶子の童話集。母の愛にあふれた21編。
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| 書影 |
与謝野晶子が子育てをしていた当時の子供向けの話には
・仇討ちや金銭に関したことが混じっている
・言葉遣いが野卑
・あまりに教訓がかっている
ものばかりなため、自分の子供たちに自分で作って聞かせたのが童話創作の始まりだという。
その後「少女の友」などの雑誌に次々と子供向けの話を発表していく。
本書は、明治43年に出版された「おとぎばなし少年少女」に収録された話を中心に21編が収められた与謝野晶子の童話集である。
(現代かなづかいに改め、不適切な表現を修正しているとの注意書きがあった。)
金魚が電車に乗っておつかいに行く表題作の「金魚のお使い」、誰もが逃げ出す泣き声の女の子が登場する「女の大将」など、楽しい子供向けの話が掲載されている。
私が一番気に入ったのは、「黄色い土瓶」という物語。
土瓶に目を書くという「おいた」をすると、土瓶は「目が開いた」と大喜びする。
小躍りするたびにお湯をこぼしてしまう土瓶。
お父さんに足を描いてもらうと、お辞儀してお礼を言う。
下を向いてどぶどぶお湯をこぼす土瓶。
そんな土瓶がお使いを頼まれて・・・
と読みながらワクワクするような話だった。
「母さんも言って下すったものですから」など言葉遣いがとても丁寧で、竹久夢二始め当時の挿絵も掲載されていて、明治~大正の雰囲気をたっぷり味わえる。
教訓がかっているのが嫌だと言いつつも、時々教育的指導が透けて見えるところに、子沢山であった与謝野晶子の母心が伺える。
襦袢、帳面、天長節など今ではあまり使われない言葉が出てくるので子供が一人で読むには難しいかもしれない。
「巴旦杏」(はたんきゃう・スモモの一種)や「髷のてがら」(丸髷の根元に飾る布切れ)は私もわからなかった。
しかし、内容的には大人も楽しめる童話集である。
※先日「与謝野晶子が当時爆発的に流行っていたパラフィン注射式の隆鼻術を受けた」と週刊誌で読んだ。本当だろうか。
2012年11月27日火曜日
こちらゆかいな窓ふき会社
こちらゆかいな窓ふき会社
ロアルド・ダール著
評論社
ワクワクがたくさん詰まった宝箱のような一冊。
ビリーの家の近くに3階建てのボロボロの空き家があった。
ある日、売りに出されたと思ったら、家の改装が始まった。
そして「はしご不要窓ふき会社!」という文字が。
なんとそこは、キリン・ペリカン・サルが始めた窓ふき会社だった!
ロアルド・ダールの楽しい児童書。
空き家の改装中、便器から風呂桶・家具・ミシンとありとあらゆる物が窓から放り出され、挙句の果ては階段や床板まで飛び出してくる。
不法投棄・環境破壊という言葉が頭をかすめるが、驚いている間もなくキリン・ペリカン・サルが登場する。
えー!えー!の連続ですぐにお話に引き込まれてしまう。
子供じゃなくても目をキラキラさせながら本をめくることだろう。
公爵から、宮殿よりも大きい豪邸の677枚ある窓を綺麗にするよう頼まれるが、
「上二つの階は届かないだろうから、やらなくていい。」って言われたって、
キリンの首にも、ペリカンのクチバシにも秘密があるんだから、簡単にきれいにしてしまう。
「チョコレート工場の秘密」のワンカのお菓子も出てくるし、
こうなったらいいなと頭の中で空想していた、夢の世界が実現する。
登場人物たちが飛び上がって喜ぶと、こちらまで嬉しくなる。
短いお話ながら、楽しい冒険をさせてくれる。
子供だけに独占させるのは勿体無い、ワクワクがいっぱい詰まった宝箱のような一冊だ。
ロアルド・ダール著
評論社
ワクワクがたくさん詰まった宝箱のような一冊。
ビリーの家の近くに3階建てのボロボロの空き家があった。
ある日、売りに出されたと思ったら、家の改装が始まった。
そして「はしご不要窓ふき会社!」という文字が。
なんとそこは、キリン・ペリカン・サルが始めた窓ふき会社だった!
ロアルド・ダールの楽しい児童書。
空き家の改装中、便器から風呂桶・家具・ミシンとありとあらゆる物が窓から放り出され、挙句の果ては階段や床板まで飛び出してくる。
不法投棄・環境破壊という言葉が頭をかすめるが、驚いている間もなくキリン・ペリカン・サルが登場する。
えー!えー!の連続ですぐにお話に引き込まれてしまう。
子供じゃなくても目をキラキラさせながら本をめくることだろう。
公爵から、宮殿よりも大きい豪邸の677枚ある窓を綺麗にするよう頼まれるが、
「上二つの階は届かないだろうから、やらなくていい。」って言われたって、
キリンの首にも、ペリカンのクチバシにも秘密があるんだから、簡単にきれいにしてしまう。
「チョコレート工場の秘密」のワンカのお菓子も出てくるし、
こうなったらいいなと頭の中で空想していた、夢の世界が実現する。
登場人物たちが飛び上がって喜ぶと、こちらまで嬉しくなる。
短いお話ながら、楽しい冒険をさせてくれる。
子供だけに独占させるのは勿体無い、ワクワクがいっぱい詰まった宝箱のような一冊だ。
2012年11月18日日曜日
マチルダはちいさな大天才
マチルダはちいさな大天才
ロアルド・ダール著
宮下嶺夫著
評論社
とにかく面白い。子供にかえって楽しみたい一冊。
マチルダは、3歳になる前に字が読めるようになり、4歳で村の図書館に一人で通うようになる。
子供向けの本を全部読んでしまうと、巨匠たちの文学作品を読みあさるほどの天才少女だ。
詐欺まがいの中古車販売業を営んでいる父と、ビンゴゲームに夢中で家にいない母は、マチルダに何の興味も示さない。
そんなマチルダは、5歳になり小学校へ入学した。
校長は暴君的モンスターの馬鹿でかい女だった。
女の子が自分の嫌いなお下げの髪型をしていたからという理由だけで、その子のお下げを掴んで振り回し、運動場のフェンスの向こうまで放り投げたり、尖ったガラスのかけらや釘が飛び出している狭い戸棚にお仕置きと称して閉じ込めたり、やりたい放題で誰も注意することができなかった。
しかし、担任教師のミス・ハニーは若い優しい先生で、マチルダの天才ぶりを見抜くと何とかこの子の才能を伸ばそうと努力してくれた。
不遇の天才少女が成長していく物語。
とにかくマチルダが愛らしくて、かわいい。
子供だからやられっぱなしというわけではなく、両親や校長に仕返ししようと企む。
小さいながらも早熟で聡明な女の子が、自力で困難に立ち向かっていくのだから、応援したくなるのは当然だ。
大人が読んだら、「児童虐待」「可哀想な少女」という言葉が頭をよぎるだろう。
しかし、子供はそう思わないらしい。
両親から不当な扱いを受け、仕返しをするマチルダに喝采を浴びせたり、
怖い校長をなんとかギャフンと言わせたいと考えたり、大人が思う以上にマチルダも読者の子供も強い。
極端すぎるほどのキャラクターたち、テンポよく進むストーリー、読者を引き込む魅力はさすがロアルド・ダールだなと思う。
この本を読むのに、教育的観点、大人の上から目線の解説、そんなものはいらない。
子供と同じように物語に入り込み、楽しみたい一冊である。
↓ こちらの表紙もあるようです。
ロアルド・ダール著
宮下嶺夫著
評論社
とにかく面白い。子供にかえって楽しみたい一冊。
マチルダは、3歳になる前に字が読めるようになり、4歳で村の図書館に一人で通うようになる。
子供向けの本を全部読んでしまうと、巨匠たちの文学作品を読みあさるほどの天才少女だ。
詐欺まがいの中古車販売業を営んでいる父と、ビンゴゲームに夢中で家にいない母は、マチルダに何の興味も示さない。
そんなマチルダは、5歳になり小学校へ入学した。
校長は暴君的モンスターの馬鹿でかい女だった。
女の子が自分の嫌いなお下げの髪型をしていたからという理由だけで、その子のお下げを掴んで振り回し、運動場のフェンスの向こうまで放り投げたり、尖ったガラスのかけらや釘が飛び出している狭い戸棚にお仕置きと称して閉じ込めたり、やりたい放題で誰も注意することができなかった。
しかし、担任教師のミス・ハニーは若い優しい先生で、マチルダの天才ぶりを見抜くと何とかこの子の才能を伸ばそうと努力してくれた。
不遇の天才少女が成長していく物語。
とにかくマチルダが愛らしくて、かわいい。
子供だからやられっぱなしというわけではなく、両親や校長に仕返ししようと企む。
小さいながらも早熟で聡明な女の子が、自力で困難に立ち向かっていくのだから、応援したくなるのは当然だ。
大人が読んだら、「児童虐待」「可哀想な少女」という言葉が頭をよぎるだろう。
しかし、子供はそう思わないらしい。
両親から不当な扱いを受け、仕返しをするマチルダに喝采を浴びせたり、
怖い校長をなんとかギャフンと言わせたいと考えたり、大人が思う以上にマチルダも読者の子供も強い。
極端すぎるほどのキャラクターたち、テンポよく進むストーリー、読者を引き込む魅力はさすがロアルド・ダールだなと思う。
この本を読むのに、教育的観点、大人の上から目線の解説、そんなものはいらない。
子供と同じように物語に入り込み、楽しみたい一冊である。
↓ こちらの表紙もあるようです。
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