桐野夏生著
光文社
幸せそうに見える母親たちの葛藤。桐野夏生さんの、こういう小説を待っていた!
「公園デビュー」という言葉を初めて知った叔父が、「なにそれ?人のことを気にせず、行きたい時に行きたい所に行けばいいのに。」と言っていた。
それはもちろん正論なのだが、女のそれも子育て中の母親たちの関係は複雑なのだ。
そんな複雑な女の世界を描いているのがこの「ハピネス」だ。
主人公は、憧れだった都心のタワーマンションに住んでいる有沙。
夫は「お願いだから離婚してください」というメールを一方的に送りつけてアメリカに単身赴任しているため、3歳の娘と二人暮らしをしている。
セレブ感漂うおしゃれなママ友たちのグループに入り、一緒に子供を遊ばせている。
彼女たちは一見幸せそうに見えるが、それぞれ家庭や子育ての悩みを抱えている。
それは、児童虐待、貧困、DVといった深刻な悩みではないけれど、誰にでも起こりうる身近な悩みである。
そんな母親たちの葛藤を、この物語はリアルに映し出していく。
女同士が集まれば、軋轢が生まれるのは当然のこと。
有沙も、夫の職業、タワーマンションの高層棟か低層棟か分譲か賃貸かなど、見えない階級意識に息苦しさを感じている。
人と比べてしまう、浮かないように周りに合わせる、家庭内の弱みを見せないようにする・・・都会で生きるためには必要なことかもしれない。
しかも子育て中、特に子供が小さいうちは親も側についていなければならず、そこに子供同士の関係も絡んでくるのだからもっと複雑になる。
バカバカしい、人は人自分は自分、と割り切ってゴーイングマイウェイを貫けば、母親ばかりか子供も浮いてしまうのだから難しい。
都会的なママ友グループで、精一杯皆に合わせている有沙はとても危うく、大丈夫?周りに流されないで!と励ましたくなってしまう。
このままママ友たちとのドロドロの関係がずっと続く話なのかと思いきや、中盤あたりから有紗に変化が訪れ、物語は違う方向へ走り出す。
女の汚い部分を描くのが上手い桐野夏生さんの、こういう小説を待っていた!
特に子育て中の女性にお勧めしたい本でもある。
読んで「どうしてハッキリ自分の意見を言わないんだろう、私とは無縁の話だ」と思う人は幸せなのかもしれない。
多くの女性たちが、ママ友たちとの関係に悩んでいるのだから。
2013年10月22日火曜日
2012年3月31日土曜日
緑の毒
緑の毒
桐野夏生著
角川書店
嫌な人ばかり出てくる桐野夏生さんの小説。でも、人間なら誰でもイヤな底意地の悪い感情を持っているのではと考えてしまう作品。
開業医の川辺は、妻が浮気していることをきっかけに1人暮らしの女性の部屋に侵入し、
スタンガンと薬の注射で昏睡させ、レイプを繰り返していた。
被害者たちはネットでつながり、警察には届けず犯人探しを始める。
桐野夏生さんは、誰でも持っている人間のイヤな、底意地の悪い感情を表現するのが上手いなぁと思っていた。
今回も、イヤな人ばかりが出てくるのは百も承知で読み始めた。
被害者たちもイヤな感じの人たちばかりだが、こういう人たちいる!私の中にもいる!と思った。
市井の善良な人々でも、悲しいドラマで胸を涙を流す人の中にも、そして私の心にも、妬み・嫉み・怠惰
・・・イヤな部分があるということを突きつけられた感じがする。
ただ、レイプという題材は読んでいて不快感が増す。
読みやすい文章で一気に読めたのだが、やはり後味が悪い。
私は、○○大賞受賞作とか一度読んで面白かった作家の本を内容も知らずに読んでしまう傾向がある。
今回も桐野作品と言うことで迷わず手に取ったのだが、少し反省した。
人は一生の間に読める本の数が限られているのだから、もう少し内容をリサーチしてから読もう。
桐野夏生著
角川書店
嫌な人ばかり出てくる桐野夏生さんの小説。でも、人間なら誰でもイヤな底意地の悪い感情を持っているのではと考えてしまう作品。
開業医の川辺は、妻が浮気していることをきっかけに1人暮らしの女性の部屋に侵入し、
スタンガンと薬の注射で昏睡させ、レイプを繰り返していた。
被害者たちはネットでつながり、警察には届けず犯人探しを始める。
桐野夏生さんは、誰でも持っている人間のイヤな、底意地の悪い感情を表現するのが上手いなぁと思っていた。
今回も、イヤな人ばかりが出てくるのは百も承知で読み始めた。
被害者たちもイヤな感じの人たちばかりだが、こういう人たちいる!私の中にもいる!と思った。
市井の善良な人々でも、悲しいドラマで胸を涙を流す人の中にも、そして私の心にも、妬み・嫉み・怠惰
・・・イヤな部分があるということを突きつけられた感じがする。
ただ、レイプという題材は読んでいて不快感が増す。
読みやすい文章で一気に読めたのだが、やはり後味が悪い。
私は、○○大賞受賞作とか一度読んで面白かった作家の本を内容も知らずに読んでしまう傾向がある。
今回も桐野作品と言うことで迷わず手に取ったのだが、少し反省した。
人は一生の間に読める本の数が限られているのだから、もう少し内容をリサーチしてから読もう。
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