月が地球から独立を宣言した!!SFに挑戦第2弾
ロバートA・ハインライン
早川書房
池澤春菜さんの書評集「乙女の読書道」を読んで、今まであまり読んでいなかったSFに挑戦してみようと思ったのです。
春菜さんが初心者におすすめとおっしゃる「夏への扉」を読んでみて、こういう話なら大丈夫、次に何を読もうかなと手にとったのがこの「月は無慈悲な夜の女王」でした。
「夏の扉」と同じくハイラインの作であり、ヒューゴー賞受賞の傑作ということで間違いなく面白いだろうと思ったのです。
現物を見て驚きました。
679ページの分厚さ、文庫本にして1200円超です。
しかも、翻訳物にはつきもの登場人物一覧表がついていないのです。
SF初心者なのにこんな大作を読めるだろうか?と不安になりつつも、まぁ途中で挫折してもいいやと開き直って読み始めました。
2075年、地球政府の圧政に苦しんでいる月の住人たちが独立を宣言し、地球に立ち向かっていく・・・というお話です。
主人公はコンピューターの技術者であるマニーです。
彼は、なんでもできる強いヒーローというわけではなく、飄々とした感じの人物です。
行政府の記録に「政治色がなく、あまり聡明でない」と書かれていたほどです。
そんなマニーですが、自意識を持った巨大コンピューターの「マイク」と出会い、成り行き上先頭に立って地球に対抗することになったのです。
コンピューターの「マイク」がいつ人間たちを裏切るのだろうかとドキドキしながら一気に読んでしまいました。
(結果的には私の予想は大幅に外れてしまいましたが。)
ストーリーは地球VS月という単純な構図なのでわかりやすく、登場人物も一度にたくさん出てくるのではなく徐々に増えていきますし、「マニー」「ワイオ」など短い名前が多いので、登場人物一覧がなくても大丈夫でした。(→これ私にとっては結構重要なのです。)
1965年に発表されたものだそうですが、現在より未来である2075年の設定だからでしょうか、今読んでも全く違和感がありません。
ただし、訳は1976年のものですからさすがに古く感じる箇所もあり、例えばコンピューターとするところが「計算機」となっていたりします。
SFに手を出さなかった理由を私なりに考えてみると、
・その独特な世界観に入り込むまでは、あまり面白さを感じられない。
・理系の難しい話が出てくる。
ということかもしれません。
読んでいけば自然とその世界観に入り込めるし、理系の話は「ふんふん、そうなんだ。」と気軽に読み流していけばいいと気がつきました。
これだけの長編を面白く読めたことから、次も古典を中心に少しずつSFに挑戦していきたいと思います。
2016年10月27日木曜日
2014年6月20日金曜日
夏への扉[新訳版]
ロバート・A・ハインライン著
小尾芙佐訳
早川書房
ほ、欲しい!この機械が欲しい!煩わしい雑用を引き受けてくれるお手伝いさんのようなこの機械が欲しい!
今まであまりSFの小説を読んできませんでした。
別に嫌いだったわけではありません。
手に取る機会がなかっただけなのです。
先日、池澤春菜さんの書評集「乙女の読書道」を読んで、楽しそうにSFについて語る春菜さんに影響され、無性にSFの小説を読みたくなりました。
でも初心者なので、何から手をつけていいのかわかりません。
そこで、池澤春菜さんがインタビューで「初心者におすすめ」とおっしゃっていたこの「夏への扉」から読み始めることにしました。
有名な作品ですから、私も家事をやってくれる女中さんのようなロボットや、タイムトラベルが出てくる話だということはなんとなく知っていましたが、未読だったのです。
(本書は、2009年に出版された新訳版です。)
舞台は1970年のロサンゼルス。
友人のマイルズと会社を設立した主人公のエンジニア・ダンは、床を掃除する「おそうじガール」(原文では「Hired Girl」、旧訳では「女中文化器」)を発明し、順調に業績を伸ばしていました。
秘書のベルと婚約し仕事も絶好調だったダンは、突然ベルとマイルズに裏切られ全てを失ってしまいます。
失意のダンは、様々な準備を整えた上コールドスリープ(旧訳では「冷凍睡眠」)を選択し、30年間の眠りにつきました。
2000年に目覚めたダンは、周到な準備の甲斐無く窮地に陥り、落胆します。
そしてタイムトラベルの存在を知り、元の1970年へと戻っていくのです。
本書は、1956年に発表されたというから驚きです。
今読んでも古臭くありません。
確かにPCやスマホは出てこないけれど、全く違和感を持たないのです。
タイムトラベルや、雑用をしてくれるロボットのような機械が出てくるため、SFというジャンルに区切られるけれども、普通に小説として面白い、というのが読んだ直後の率直な感想です。
いい者・悪者の役割がハッキリしていて、最後はまぁるく収まる。
そして何より夢があります。
面倒くさい家事を引き受けてくれるお手伝いさんのような機械、仕事の雑用をこなしてくれる秘書のような機械、誰もがあったらいいなと考える理想の機械が出てくるのです。
読みながら、
こんな機械があったら時間的にも肉体的にも楽になるだろうから、その分こんな事しちゃおう♪
30年後に目覚めたら、友人や知人はいなくなっているかもしれない、それに新たに人間関係を築かなきゃならないし、文明の進歩についていけないだろうから、コールドスリープはしたくないなぁ。
なんて、想像がどんどん膨らんでいくのです。
こういうところがSFの魅力なのかな?と初心者ながら思いました。
さあ、次は何を読もうかな?
小尾芙佐訳
早川書房
ほ、欲しい!この機械が欲しい!煩わしい雑用を引き受けてくれるお手伝いさんのようなこの機械が欲しい!
今まであまりSFの小説を読んできませんでした。
別に嫌いだったわけではありません。
手に取る機会がなかっただけなのです。
先日、池澤春菜さんの書評集「乙女の読書道」を読んで、楽しそうにSFについて語る春菜さんに影響され、無性にSFの小説を読みたくなりました。
でも初心者なので、何から手をつけていいのかわかりません。
そこで、池澤春菜さんがインタビューで「初心者におすすめ」とおっしゃっていたこの「夏への扉」から読み始めることにしました。
有名な作品ですから、私も家事をやってくれる女中さんのようなロボットや、タイムトラベルが出てくる話だということはなんとなく知っていましたが、未読だったのです。
(本書は、2009年に出版された新訳版です。)
舞台は1970年のロサンゼルス。
友人のマイルズと会社を設立した主人公のエンジニア・ダンは、床を掃除する「おそうじガール」(原文では「Hired Girl」、旧訳では「女中文化器」)を発明し、順調に業績を伸ばしていました。
秘書のベルと婚約し仕事も絶好調だったダンは、突然ベルとマイルズに裏切られ全てを失ってしまいます。
失意のダンは、様々な準備を整えた上コールドスリープ(旧訳では「冷凍睡眠」)を選択し、30年間の眠りにつきました。
2000年に目覚めたダンは、周到な準備の甲斐無く窮地に陥り、落胆します。
そしてタイムトラベルの存在を知り、元の1970年へと戻っていくのです。
本書は、1956年に発表されたというから驚きです。
今読んでも古臭くありません。
確かにPCやスマホは出てこないけれど、全く違和感を持たないのです。
タイムトラベルや、雑用をしてくれるロボットのような機械が出てくるため、SFというジャンルに区切られるけれども、普通に小説として面白い、というのが読んだ直後の率直な感想です。
いい者・悪者の役割がハッキリしていて、最後はまぁるく収まる。
そして何より夢があります。
面倒くさい家事を引き受けてくれるお手伝いさんのような機械、仕事の雑用をこなしてくれる秘書のような機械、誰もがあったらいいなと考える理想の機械が出てくるのです。
読みながら、
こんな機械があったら時間的にも肉体的にも楽になるだろうから、その分こんな事しちゃおう♪
30年後に目覚めたら、友人や知人はいなくなっているかもしれない、それに新たに人間関係を築かなきゃならないし、文明の進歩についていけないだろうから、コールドスリープはしたくないなぁ。
なんて、想像がどんどん膨らんでいくのです。
こういうところがSFの魅力なのかな?と初心者ながら思いました。
さあ、次は何を読もうかな?
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