2011年11月30日水曜日

AKB48ヒストリー

AKB48ヒストリー 研究生公式教本

AKB48のオーディションからデビュー、2010年じゃんけん大会までの歴史をメンバーの証言と写真付きで紹介した本。



AKB48のオーディションから2010年のじゃんけん大会までの少女たちの歴史をメンバーの証言と共にたどっていった本。

秋葉原に「会いに行けるアイドル」として、毎日公演を行うグループを作ると秋元康氏が発表して、
オーディションが行われたのが2005年。
初日の公演はメンバー20名だった。
そのチームAに続いて、第二期チームKのオーディションが行われる。
それまではメンバー同士の競い合いだったのが、チーム同士の争いになった瞬間であった。
その後チームB・研究生・SKEとどんどん増えて彼女たちの争いも熾烈になっていく。
一方、CDに特典としてレアな特典を付けたり、総選挙・じゃんけん大会などの企画によって、
ファンもどんどん熱くなっていく過程が描かれている。

今年の総選挙が人気のピークだったのではないかと個人的に思うAKB48。
私の周りにはいまだ熱烈なファンがいっぱいいる。
私個人としては好きでも嫌いでもないが、周りの影響からメンバーの名前も半分くらいはわかるようになった。

一応ファンに向けての「公式」ヒストリー本なので、それを差し引いて読んだのだが、
意外にも夢中になり、不覚にもひたむきな努力に感動すらしてしまった。
彼女たちのキーワードは「競う」ことなのだなぁと思う。

オーディションで競い、メンバー同士で競い、チームKができてチーム間で競い、
チームAとチームKのそれぞれのファンが喧嘩するほど競い・・・
と少女たちの思惑とは別に、周りに煽られて嫌でも競わされている彼女たち。
今は国民的スターになったからよかったものの、初期の頃の苦労と努力はスポ根漫画のようであった。

AKB劇場の舞台と客席のあまりの近さにびっくりしたが、
これだけ若い女の子が大量にきゃぴきゃぴしてたら、魅力的に思う人もたくさんいるのは当然だと思う。
普通の女子高生の大群も眩しく感じるし。

ただ、メンバーたちの周りで企画されている特典商法はいかがなものかを思ってしまう。
最初のうちは上手いこと考えるなぁと思っていただけだったが、
ここまでエスカレートすると眉をひそめてしまう。

2011年12月現在、大手流通グループで行われている「クリスマスオリジナルケーキ」の特典も
ファンには垂涎の物である。
クリスマス後の、ケーキ大量廃棄が問題になるのは必須であるのに、
なぜこんな企画を通したのか、疑問に思う。
せめて日持ちのするお菓子にでもすればよかったのに。

これから、グループとしての活動は下り坂だろうから、
どれだけ個々の活動を伸ばせるのかがカギになるのだと思う。遠くの方から見ていたい。

でも、実は自分が10代でちょっとばかりかわいかったら、
メンバーになることを夢見たかもしれない。
いや、できることなら加入したかった・・・

2011年11月29日火曜日

鷹匠の技とこころ

鷹匠の技とこころ 鷹狩文化と諏訪流放鷹術
大塚紀子著
白水社


大学の卒業論文で鷹匠を取り上げたことがきっかけでその道に進んだ著者が、数百年間門外不出とされてきたその伝統の技とこころを後世に残すべく書いた本。



1971年生まれの著者は、早稲田大学人間科学部の卒業論文「鷹狩と日本文化」を書いたことをきっかけに、鷹の魅力に魅せられてその道に進むことを決意した。徳川将軍家・天皇家に仕えてきた諏訪流の女性鷹匠となった著者がその伝統を詳細に語った。

まず、鷹狩の鷹とは、猛禽類のワシ・タカ・ハヤブサの中で、生きた獲物を捕食する習性のあるものをいう。
一度だけ見たことがあるが、翼を広げて飛ぶ鷹(ワシだかタカだかハヤブサだか定かでないが)のあまりの大きさと威厳のある飛び方に慄いたことがある。
その獰猛というイメージの鷹を女性が操るのだから、興味を持ってこの本を手にとった。

・放鷹の歴史・発展
およそ6000年前から鷹を調教してきたという説もあるらしく、鷹狩は現在でも70カ国以上で積極的に行われているという。
日本でも「日本書紀」に仁徳天皇の鷹狩の話が載っているらしい。

・鷹の飼育・道具など
ふんだんな写真と図を用い、微に入り細に入り鷹の習性から、餌や小屋などの飼育方法、
伝統的な道具などを説明している。
覚悟があればすぐにでも鷹を飼えそうなほどである。

・狩りの現場・調教の仕方
具体的な調教の仕方と実践を事細かに説明している。
昔から口頭で受け継がれてきた秘伝の技を、惜しげもなく披露してくれている。

・これからの鷹狩
アラブでの鷹狩の研修の様子や文化の継承にかける著者の思いなどが綴られている。

獰猛だと思っていた鷹は知能が高く、繊細で気位の高い生きものであることにまず驚きを感じた。
そして、「神の化身であったとされる鷹を敬うこころ」「鷹に仕えさせていただく」という鷹匠の鷹への尊敬の念に感動させられた。それがあるからこそ、鷹とこころを通わせ初めて「人鷹一体」の素晴らしい感覚を得られるのだろう。

全体的に専門家から、これから鷹を飼いたい人、また、私のような素人まで興味深く読める貴重な本であった。

「まだまだ鷹匠としては未熟ながら、日本だけでなく世界の鷹狩文化の保存と伝承のため、何ができるのか、どのような貢献ができるのかを考え続けている。」という著者の思いは揺るぎなく、心をうつ。
鷹匠という職業を選択した著者の生き方にも興味を覚え、その半生を本にして欲しいと願う。

2011年11月28日月曜日

魔女のサマーキャンプ

魔女のサマーキャンプ
サラ・ムリノフスキ著
今泉敦子訳

思春期の娘の気持ちがわからない、そんな悩めるお父さん。この本を読むと少しは少女の気持ちがわかる・・・?かもしれませんよ。



魔法的ハイスクール・ファンタジー第3弾。
明るくドジなレイチェルはミドルティーン。
母・妹に次いで自分も魔女であることがわかったからもう有頂天。
この夏、妹のミリと共にサマーキャンプに行くことになった。
魔女だし、大好きなラフも一緒だし、今年の夏は最高の夏になるはず・・・だったが、
性悪女も登場し、色々な災難がレイチェルを襲う。大丈夫か?レイチェル。

そそっかしく、あわてん坊のレイチェルは魔女だとわかったばかり。
自分で魔力を制御できないくせに、どんどん使ってしまう。
自分の棚に荷物を整頓して入れるとき、「服の並びはまるでギャップ」と言ってしまう。
ギャップのお店のようにきれいに並んだはいいが、サイズはベビー・キッズ・メンズとばらばら。
寝起きのぐちゃぐちゃの髪を直そうと、「いますぐまっすぐになれ」というと、
まっすぐになったはいいが、やまあらしのように直立してしまう。

あぁ、もうレイチェルったら、もう少し落ち着いて。
ダメダメそんなことしたら。
ほらね、だから言わんこっちゃない。
読んでいるとだんだん保護者の気分になってくる。

そんな無鉄砲なレイチェルにもピンチが訪れる。
辛いピンチを自分の力で乗り越え少しずつ大人になっていく・・・たぶん。

思い起こせば、自己中心で怖いもの知らずだった10代。
恥ずかしくも、甘酸っぱい想い出。
消し去りたい過去(私だけ?)
もし、その頃に突然魔法が使えると知ったら、私だって調子に乗って自分の都合のいいように魔法をかけていたと思う。
誰もが通り過ぎてきたあの頃を思い出させてくれる本だった。

アメリカのサマーキャンプの様子も楽しそうでよかった。
日本の子供たちは塾の夏期講習なのに。


でも、次回はもうちょっと思慮深くなろうね、レイチェル!

2011年11月24日木曜日

麒麟の翼

麒麟の翼
東野 圭吾著
講談社

2012年1月公開の映画「麒麟の翼」の原作。東野圭吾氏本人も認める自己最高傑作・・・らしい。




日本橋の中ほど、二体の麒麟像が置かれた装飾柱の下で建築部品メーカの製造部長・青柳武明55歳の死体が見つかった。刃物で胸を刺されていた。現場近くで交通事故にあい意識不明の重体になっている無職の八島冬樹が、青柳の財布を持っていた。八島は派遣社員として青柳の会社で働いていたことがあった。果たして犯人は青柳なのか?

冒頭、物語は主人公の加賀と同じように淡々と進む。
殺人事件が起き・登場人物が出そろい・状況がわかってきた中盤あたりから、
あとは一気に最後まで進み、目が離せなくなる。
最後はきちんとまとめてくれていて、読者の立場として欲求不満にならずありがたい。

今回のテーマは「父と息子の絆」。
加賀と亡父、殺された青柳と高校生の息子、それぞれに「絆」ある。

舞台は東京・日本橋周辺。
実際にある麒麟の像があることは気がつかなかった。
翼を広げて空を見上げる麒麟の像――読み終わった後に表紙を見るとまた違った印象を受ける。

ってここまで書いたけれど、やっぱり私らしくない。
だから、本音でいこう。
「自身最高傑作」との呼び名の高い作品だし、東野圭吾だしということで、こちらの期待も高まるばかり。
最近の長編大作は考えさせられる重たいテーマが多く、さすがと思って今回もそのつもりで読んでいた。
でも、肩すかしを喰らったようだった。
「上手い」というのが今の率直な感想である。
最後も上手くまとめてあるし、「絆」というテーマもいい。
でも、期待度が高かっただけにいまひとつ胸をうつものがないような気がする。

なぜだろうと考えてふと、登場人物の内面がよくわからないからだと思い当たった。
それぞれの心理描写があまりなく、細かい心の変化は読者それぞれが想像するしかないのだが、
殺された青柳の妻・娘キャラクター設定もよくわからず、誰にも感情移入ができない、
大げさに言うと長いあらすじを読んでいる印象すらある。

「最高傑作」とかの謳い文句を頭から消して、過度の期待をせずに素直に読んだら楽しめた作品だったと思う。
 

2011年11月23日水曜日

ふむふむ おしえて、お仕事!

ふむふむ おしえて、お仕事!
三浦 しをん著
新潮社

三浦しをんさんが様々な職業の女性にインタビューしたものをまとめた一冊。



三浦しをんさんが、職人・芸人を中心に仕事に打ち込んでいる16人の女性に話を聞いた
インタビュー集。
靴職人・漫画アシスタント・動物園飼育係・ウエイトリフティング選手・・・等、
年齢も職業も様々な職に打ち込んでいる女性たちが自分の仕事について語った。

白黒の写真に写るインタビューに答える女性たちの顔。
みなさんなんて美しいんでしょうと、まずそこに目が行ってしまった。
ひっつめ髪の方が多く、着飾ってもいないのに、共通して凛とした・涼やかな美しさがそこにあった。
このカメラマンに撮ってもらえば私でもきれいに・・・ってそういうことじゃなくて。

世の中にあらゆる種類の職業があるけれども、一人の人間がなれる職業の数は限られている。
平凡な毎日を送る私から見たら、ちょっと特殊な職業の方たち。
普段接することのない職種ばかり。
だから、知らない世界をちょっとのぞき見したいという好奇心をこの本は満たしてくれる。

その女性たちに著者が「ふむふむ、なるほど」と興味の赴くままに聞いていく。
そこがこの本の最大の魅力だと感じた。
冷静な研究者や専門家の分析交じりの目線ではなく、おばさん目線で「へぇ~。」と聞きながら、
次から次へと仕事の話を聞き出していく。
若くて品のある三浦しをんさんのことを、おばさんというには申し訳ないが、
他にぴったりの言葉が見つからないので勘弁してほしい。
おばさん化してきている私にぴったり合ったポイント。
たくさんの職場に行って、色々聞けるなんて羨ましい。

出てくる女性たちはみなさん大好きなことを職業にしている方ばかりで、こちらも羨ましいかぎり。
小さい頃から両親や環境に無理やりならされたのではなく、紆余曲折しながら好きなことを見つけて職業にしていったからなのだろうか。
生物の発生学を研究している方に三浦しをんさんが、研究に駆り立てる情熱はどこから来ているかと問うと、「好奇心から。おもしろいから。顕微鏡の下で、細胞をはじいていくのが楽しくて、これがやりたかった。」と笑っておっしゃる。
細胞をはじく面白さは、哀しいかな私にはわからないが、なんと幸せな方なんだろう。

クスッと笑える箇所もたくさんあり、楽しめた。

ぜひぜひ続編もお願いしたい。

2011年11月22日火曜日

ドキュメント 宇宙飛行士選抜試験

ドキュメント 宇宙飛行士選抜試験
大鐘良一 小原健右著
光文社新書

究極の「人間力」を試される宇宙飛行士。具体的にはどのような試験で選ばれるのだろうか。そんな興味を満たしてくれる一冊。




NHKスペシャル「宇宙飛行士はこうして生まれた ~ 密着・最終選抜試験」(2009年3月放送)を制作したNHKスタッフ2人が、取材した様子を書いた本。
応募者963人 → 書類審査・英語試験で230人 → 一般教養・専門試験・医学心理検査で48人
→ 医学検査・面接試験で10人。
その絞られた10名の最終試験にスポットを当て、課題をこなす10名・それを見守る審査員たちを
第三者の目から客観的に描いていく。

試験と名のつく物は数多くあれど、これほど「人間力」を試される試験は他にないのではないか。
もし宇宙に出て宇宙人と出会ったら、その宇宙飛行士が地球の人類代表となるのだから
厳しい選抜試験があって当たり前であろう。
でも、具体的にはどんな試験をくぐりぬけてきたのだろうか。
興味がわいてこの本を手にとった。

宇宙に対する憧れだけではやっていけない世界---それが宇宙飛行士。
もし合格したら、それまでの輝かしいキャリアを捨て、新人として一から修業しなければならない。
収入も公務員並らしい。アメリカに行かなければならない。
それでも宇宙飛行士になって宇宙へ行きたい、という強い信念がなければやっていけない。

では、どんなことがこの試験で問われるのであろうか。
ストレスに耐える力
リーダーシップとフォロワーシップ
チームを盛り上げるユーモア
危機を乗り越える力

それらが宇宙飛行士に求められる資質だという。

挑戦者たちは閉ざされた空間に一週間閉じ込められ、監視カメラで見られながら、
次から次へと与えられた課題をこなしていく。
食事の量が増減していないか?睡眠はちゃんと取れているか?など24時間監視されている上に、
候補者たちを多忙にしてストレスをかけ続ける。
ここまで残った優秀な人たちなんだから全員合格にしようよ!と、思わず言いたくなるほど過酷な状況の連続。

その後NASAに移動し、また試験の連続。
果たして選ばれるのは誰か?と挑戦者には申し訳ないが推理を楽しんでしまった。

同じ目標を持つ10名の固い絆も心をうつ。

奇しくも今日、古川さんが国際宇宙ステーションの長期滞在から帰還した。
この本を読んでそのニュースを見ると感動もひとしおだった。
子供たちの夢・大人の憧れ・国家の期待を一身に背負った宇宙飛行士。
高所恐怖症の私は、地球上から見守りたい。

興味を満たすだけでなく、感動をも与えてくれたこの本に出会えたことを幸せに思う。

建築家 安藤忠雄

建築家 安藤忠雄
安藤忠雄著
新潮社


建築家・安藤忠雄氏の自伝。プロボクサーから独学で建築家になるという異色の経歴がずっと気になっていました。



建築関係に疎い人でも彼の名前を知っているほど有名な安藤忠雄氏。
生まれてすぐ、1人娘であった母の実家の後継ぎになるため祖父母の家に養子に出された。
勉強は嫌いな少年であった。工業高校に通っているときボクシングに出会い、始めて1か月足らずでプロテストに合格する。
6回戦まで進んだ頃、、ファイティング原田のスパークリングを見て「次元が違う。」と才能の違いに気付き、ボクシングをやめる。
高校卒業後、インテリアの設計などをしながら、丹下健三の建築を巡る日本一周旅行・欧州旅行をしながら独学で建築を学ぶ。
そのエネルギッシュな半生を作品と共に自ら語った一冊。

コンクリートの打ち放しにこだわっている著者だが、後半部分はその作品の紹介・解説となっている。
芸術的センスゼロの私が見ても美しいと思う。
コンクリートにこだわる理由も書いてあった。
ただ、実際に住んでいる人・働いている人にとってはどうなのだろうか。
住み心地は?美にこだわる人でなければ辛いのではないかと考えてしまう。
冬の暖房効率はどうなのだろう?底冷えしそうな気がするけど。

六甲の集合住宅群は写真で見ると本当に美しい。
ただ、真ん中に何段あるの?というような大階段があるが、そこを子育て中の主婦は買い物袋と小さい子の手をひいて上り下りするのだろうか?
建物の真ん中を中庭のようにした住宅やショッピングセンター。
雨の日には、部屋から部屋へ移動するときには傘が必要って、私はそんな家住めない。
真冬に買い物に行ってお店からお店へ移る時、コート着たり、また脱いだりって面倒臭い。
こういう芸術を理解しない私のような人は、普通の住宅メーカーの家が一番なんだろう。

仕事場では、著者の机の周りにのみ電話を置き、海外との取引以外、fax・メール・個人の電話禁止だそう。それだと、電話の内容から部下の仕事の進捗状況やトラブルもすぐにわかり、作品に対する責任をもてるからという。
ときに怒鳴り・殴り・部下を叱りつけて真剣に仕事に取り組む姿勢と覚悟が、あの美しい建物を作るのだろう。

「何を人生の幸福と考えるか、考えはひとそれぞれでいいだろう。」と著者は言う。
私は遠くから美しい建物を眺めるだけでいい。

2011年11月18日金曜日

珍日本超老伝

珍日本超老伝
都築 響一著
ちくま文庫

80歳過ぎても現役のAV男優。元大学教授の女装家。そんな元気なじいさんたちがいっぱい出てくる本。みなさんなんて素敵なんでしょう。



著者に倣ってじいさんと呼ばせていただきます。

年齢を重ねてこられた方というのはそれだけで尊敬に値すると思う。
辛いこと・苦しいことたくさんあるこの世間の荒波を越えてきたのだから。
ましてや戦争を経験なさっている方々はやっぱり根性が違う。

そしてこの本。
ここに出てくるじいさん達は元気なだけではなく、みなさん自分の好きなことに情熱をささげている。その好きなことが人とはちょっと変わっているだけ。
人の目をあまり、いや全く気にしないだけ。
そんなディープなじいさんがてんこ盛り。

著者による「絶滅危惧種じいさんにガツンとやられる旅」にガツンとやられちゃいました。

オリンピックおじさんは、知っていた。
でも、スポーツが好きで愛するが故に応援に行くとまでは知らなかった。
「スポーツなしでなにが人生か」
という信念で自費で応援。お金持ちだからという次元では考えられないエネルギー。
さすがです。

そして気になっていたAV男優。
私は存知あげなかったが、「安田老人の秘密のコレクション」などで一部では大変有名な御仁だそう。残念ながら2008年にお亡くなりになられたそうだが。
安田老人のAVはシリーズ化されていて50本以上あるという。
お相手も73歳のばあさん!孫たちも出かけたから久しぶりに・・・という設定らしい。
取材当時87歳だった安田老人は
「いや、最近はもう弱くなっちゃって。いまじゃ、2時間で2回しかできないですから」

とおっしゃる。そういうものなんでしょうか。
供給はできても需要があるのだろうか。ふと、うちの両親を見る。

あと気になったのが、大学教授(記号論理学)だったが、女装にのめりこみ大学を辞めてしまったじいさん。
「きれいじゃなくなったら女装を辞める。きれいじゃなくなったらむしろみっともない。恥だと思うんです。」らしい。
写真集を出したのが68歳。取材当時74歳。現在83歳、お元気で活動中。う~ん。

その他、城を作っちゃったじいさん、DJデビューしてクラブで踊りまくるるじいさん等々、
29人連続で読むと頭がくらくらする。

「ヘンなじいさん」とか「馬鹿な奴」とか笑うのは簡単だけれども、ここまで突き抜けている方々は、
笑いをも超越して尊敬・感動の域に達している。
なんて素敵な愛すべきじいさんたち!!!こんなじいさんたちがいる限り、日本の未来は明るい・・・かな?

2011年11月17日木曜日

2011年11月15日火曜日

シューメーカーの足音

シューメーカーの足音
本城 雅人著
幻冬舎


うっとりするような注文靴の世界を舞台にしたミステリー。靴マニアにはたまらない一冊。靴マニアではない人も靴フェチにしてしまう一冊。



20歳の時、靴作りを学ぶためロンドンに渡り20年。
ロンドンの繁華街・紳士靴の名店が軒を連ねる通りに高級店を構えている、靴職人の斎藤。
超一流の腕を持ち、ビジネスにも野心を抱き仕事に邁進している。
一方、皇居近くの雑居ビルの狭いスペースで修理店を営みながら、
靴の注文を細々と受けている25歳の智哉。
亡き父の靴を解体しながら、独学で靴について学んだ。
ロンドンと日本。遠く離れた地にいる靴職人二人のロマンと嫉妬が交差する極上のミステリー。

物を誂えることをビスポーク(Be spoke)と呼ぶ。らしい。
この本で初めて知った。
靴のオーダーなんてしたことない私。まして、紳士靴についての知識はゼロ。
でも、この本はのっけから引きつけられた。
若い日本人が斎藤に靴を注文し、サイズを測る場面から始まるのだが、その描写が細かく専門的。
一足約42万円。まるで自分がセレブになって注文しているかのよう。

詳細な描写が続く。
専門的な道具を駆使し、最高級の素材を使って靴を作る。
昔のビスポークの靴をを解体して研究する。
「極上の靴磨き」の仕方。

ああ、なんて甘美で耽美な紳士靴の世界なんでしょう、とうっとりしてしまう。
超一流の職人たちが、ぴったりなサイズに靴を仕上げていく様は官能的ですらある。
自分が男ではなく、お金持ちでもないことが悔しい。
男でお金があればすぐにでもロンドンに飛んで靴を注文するのに。

大事な仕事に行き詰まったらまず靴を磨くべきだ。
そうすれば、心の迷いが吹っ切れ、曇った鏡から湯気が取れるように困難が取り除かれていく

なんだかすぐに靴を磨きたくなってしまう。

そんな魅力的な靴の世界に、男たちの野心と嫉妬と靴への飽くなき愛情が絡んだミステリーだから、
面白いに決まっている。

読み終わった後に改めて表紙を見ると、なんて美しいんだろうとため息が出る。
今度生まれ変わったら、絶対セレブ男になる!と決意させられた本でした。

2011年11月13日日曜日

最強の婚活、それは「お見合い」よ!

2000人を幸せにした怪物カウンセラーの最強の婚活、
それは「お見合い」よ!
山田一代著
現代書林

結婚相談所を開設して600組以上のカップルを成立させた著者が書いた「お見合い」推薦本。




「恋愛は一般道路、お見合いは高速道路」本当に結婚を望むなら、目的地がハッキリ設定されている専用道路に乗ったほうが絶対早いし、確実というのが著者の持論。
お見合い結婚すれば冷静に自分に合った人を探せて、離婚が少ないらしい。
驚異の成婚率を誇る著者が書いたお見合いのススメ。
1.お見合い結婚で本当に幸せになれますか?
2.こんな悩みのある私でも結婚できますか?
3.あなたの結婚をさえぎるモンスターペアレントたち
4.ハイリスク・ハイリターン!?オレ様男との結婚
5.ハンディキャップというデリケートな問題
6.シニアの結婚、再婚を成功させる!
7.この道22年の年季が編み足した(ママ)、最強のお見合い必勝法

基本的には女性目線から話し言葉で書かれているのであっという間に読み終わる。
結婚を考えている人、子供が結婚適齢期の親御さんにはそれなりに参考になりそう。

マザコン男の攻略法。徐々に男をお母さまから引き離し、最終的に自分の味方につければうまくいくと著者は言う。
でも、人ってそう簡単に変われるものなのかな?けんかした時、奥様よりお母さまの味方についてしまうのでは?
それより、そもそもそういう人と無理にでも結婚したいのだろうか?

30近い娘さんのお見合いに親が同席するなんて、この仕事22年やっていて聞いたことないわ。
という個所があってびっくり。お見合いとは親が同伴するものとばっかり思っていたので。
ドラマやCMでも、お見合いの席には親やお仲人さんが同席してるように思うけど、
こういう結婚相談所のお見合いは私が考える昔ながらのお見合いとは違うのかもしれない。

私自身は、恋愛結婚でもお見合い結婚でも変わりなく一定の割合で幸せいっぱいの夫婦もいれば、
離婚する夫婦もいる、喧嘩ばかりして家庭内別居状態だけど離婚はしていないと様々な夫婦がいるんだと思う。結局は結婚することより、長い「結婚生活」の方が重要なんだし。

まず、なぜ結婚したいのか?つらい現状から抜け出したくて結婚に逃げるのでは?と自分自身に問いかけてみるのも必要なのではないか。結婚だけが幸せじゃないしね。

2011年11月12日土曜日

レンズが撮らえた幕末の日本

レンズが撮らえた幕末の日本
山川出版社

「幕末の日本」の写真がこんなにあったなんて。歴史好きにはたまらない一冊。歴史好きではない私にもたまらない一冊。



幕末~明治にかけての写真を解説付きで楽しめる本。
多数の歴史上の人物の肖像、当時の街並みなど貴重な写真が満載。

ところが、私は歴史アレルギー。
坂本竜馬や福沢諭吉・渋沢栄一など(みんな載ってます。)の名前は知ってるけど。
試験に出たら自信ない。
テストはしないでいただきたい。
私に歴史的考察は求めないでいただきたい。

でも、古いものを見るのが大好き。
正倉院展にもここ4年毎年行っている。
知識ないなりに勝手に想像するのが私の楽しみ。

ここに掲載されているのは、コスプレや時代劇の俳優ではなくみなさんホンモノ。
ちょんまげもヅラじゃない。
こんな貴重な本があったなんて。

ワイシャツ・蝶ネクタイに袴に刀というとてもシュールな方や
これは散切り頭すぎるだろうというお茶目な方もいらっしゃる。
叩かなくても文明開化の兆しがよくわかる。
誇り高きはずのお侍さんたちがなんだか気を抜いているように見える。
なんでだろうとよく見たら、袴がしわくちゃ。
襞がきちんと折り目正しい方が少ない。
それから椅子に深く腰掛け、後ろにもたれすぎているからだらしなく見えてしまう。
女の人の着物の着方もこんなに半襟見せるの!とびっくりしたり。
○○に似ている人あり・髪型すごい人あり・イケメンありといくら見てても飽きない写真が満載。

街並みもどこまで行っても電線や高層ビルがない。
本物の大八車・天秤棒。なんて素敵なんでしょう。

私にとって永久保存版の本です。

でも、やっぱり歴史の知識があった方がもっと楽しめるのかも。
勉強しなおそうかな?

2011年11月10日木曜日

気にしない技術

気にしない技術
香山リカ著
PHP新書

精神科医の香山リカ氏が書いた気にしないためにはどうすればいいのかを具体例と共に示した本



今まで全くこういった自己啓発系の本は読んできませんでした。
興味がわかなかったのもあるけれど、自分自身を見直すとか内面を見つめるとかは苦手だから。
というより、怖かったのかもしれません。

なので、ディープな精神論の本より、もっと気軽に読めそうなこの本を選びました。
著者も気軽にさらっと書いているなと窺える内容なので、読み手側も気軽に読めました。
実際「気にしない技術」があったら誰も苦労しないだろうし。

サクサク読めるのですが、途中でなるほどと思う場面も多々ありました。
たくさんの経験・具体例が示されているので、読む人ごとになるほどの個所が違うのだろうなと思います。
   頑張らなくていい
    目標は小さくアバウトでいい
   責任感は強ければいいわけでもない
   ネガティブ思考のままでいい
   テキトーでいい
   人づき合いが悪くてもいい

要するにありのままでいいんですね。

私が一番なるほどと思ったのは、「自分が話さなくてもコミュニケーションはとれる」でした。
相手に一方的にしゃべらせて、ひたすら相手の言葉をオウム返しにしながら、あまり感情を込めずに聞く
・・・相手に大変失礼な態度ですけど、相手は十分しゃべったから気分がよくなるわけで。
すごくわかります。
実際、今日も3時間占いの話をし続けたおばさまがいました。私は苦痛だったのですが、仕方なく聞いていました。口を挟もうにもあの口撃には対抗できませんでした。
でも、おばさまは大変すっきり気分がよろしかったようで。

あと、自分でも反省したことは「誰かの発言や行動に対して、ほぼ自動的に自分の感情の針をマイナス方向に動かしてしまう人が増えている」という個所でした。
「どうせこう言うつもりなんだろう」と悪い方に早合点してしまう・・・心当たりあります。
気をつけなければ。
「最近太った?」と言われたら「私のナイスバディに嫉妬してるんだな」と考えればいいのかな?
著者の意図とはずれているかもしれませんが。

2011年11月8日火曜日

なぜ日本人だけが喜んで生卵を食べるのか

なぜ日本人だけが喜んで生卵を食べるのか
伊丹由宇著
ワニブックス

食についてのあれこれがギュッと詰まった一冊。「なぜ日本人だけが喜んで生卵を食べるのか」その答えは・・・



本屋さんで題名にひかれて買いました。
「なぜ日本人だけが喜んで生卵を食べるのか」という答えは私には見つけられませんでした。
著者は、藪の中に投げ入れたようです。

新書という形態をとっていますが、広く浅く怪しくの雑学書・自慢話のエッセイ集と思った方がいい本でした。
色々なデータを提示しながら・あちこちに話題が飛びながら、著者独自のうんちくが学べます。

一人で突っ込みながら読むという楽しみを見つけながら読みました。
日本料理を一品ずつ運ぶというところで魯山人に言及していない。
北海道には、卵の自動販売機がある(らしい)。と書いてあるが、
北海道ではないが、我が家の近隣に卵の自動販売機は複数ある。
など、突っ込みどころ満載でいい鍛錬になる。

でも、マクロビオティックを一通り軽く説明した後で、かなり噛み砕いて説明したが、やはり少し難しいか?
というところではさすがに突っ込めず、完敗。

軽妙な語り口で寒いギャグも満載でいいお手本になります。
さりげなくない自慢話も豊富でさすがと唸ってしまいます。
~というらしい、~だそう、~のではないか、という文章が延々と続きますが、
断定を避けた言い方も勉強になる。

題名だけで本を選んだ私がいけないのです。
やはり、みなさんの書評を読んでから購入した方がいいですね。

この題名付けた人、この本出版した人・編集者は反省してほしい。

2011年11月7日月曜日

暴力団

暴力団
溝口 敦著
新潮新書

ノンフィクション作家で、暴力団取材の第一人者の溝口氏が書いた暴力団入門書ともいうべき本。




長年暴力団の取材を続けてきた著者が書いた暴力団の解説書。
用語/構成員と準構成員・暴力団関係者・みかじめ・しのぎ・・・
何となく意味は知っている単語を分かりやすく解説してくれている。

また、組員たちの性格や生活などもよくわかり、暴力団とはこういうものだという概略がつかめる。

よく、暴力団排除条例でこの先日本の暴力団もマフィア化していくであろうと言われているが、
その「マフィア化」っていうのもなんとなくわかったようでわかっていなかった。
暴力団は、代紋をバックに相手を恐れさせるという性質上、顔を知られてナンボのところがあるが、
マフィアは犯罪を隠密に遂行するため、極力表に出ないよう行動するという。
この本を読んでそのことがよくわかり、納得がいった。

前に書評であげた「潜入ルポ ヤクザの修羅場」に溝口氏のことがいくつか書いてあった。
暴力団取材の第一人者ですごいと。

著者は、1990年背中を刺されている。
犯人は捕まっていないが、山口組関係者が実行者だとわかっているらしい。
また2007年には長男が、同じく組関係者に路上で太ももを刺され重傷を負っている。(犯人は逮捕)
そういうことがあっても、ひるむことなく取材を続けている。

本書でも、毅然とした態度で暴力団に対応している。
皆でサッカーを楽しんでいるのに、一人だけ手を使って反則して、威張っている人たちには、退場してもらってよいのではないでしょうか。暴力団を決して特別扱いしてはいけないのです。

しかし、著者も言うようにもう暴力団の時代は終わっていて、
「昔暴力団っていうのがあってね・・・」ということになるのかもしれない。

著者には言えなかったこと・書けなかったことが山ほどあるに違いない。
いつかそれを吐き出してもらいたい。

2011年11月6日日曜日

日本の女性風俗史

日本の女性風俗史
切畑 健編
紫紅社文庫


日本の女性は何を纏ってきたか。古墳時代から江戸時代までの女性の服飾をふんだんな写真で解説した本。


日本の女性は何を纏ってきたか。その服飾は時代ごとにさまざまな変容を遂げてきた。
日本女性の古墳時代から江戸時代までの服飾をふんだんな写真で解説している。

昭和59年に宮崎友禅生誕330年記念行事として「染織まつり」が行われた。
その際、古墳時代からの歴代服具を纏った行列を開催し、その記念図録が編まれた。
その時の図録を基にした改訂版がこの本。

昭和7,8年に作成された、下着・間着・帯などを揃えた歴代服具。
(誰が作成したかは不明。社団法人か?)
その保存されていた服具を基に、化粧・髪型も忠実に(一部忠実ではないらしいが)100名を超す女性が行列に参加した。
その時の写真が時代順に解説とともに掲載されている。

カラーで、髪型・化粧・小物など復元された写真を見られるのはとても貴重なのでは?
厳格な時代考証・復元を考えるとその意欲・負担・実現には感服させられる。

時代を追ってみていくと、
琉球の衣装・チマチョゴリと共通点が数多く見つけられる。
身幅が広くダボダボ感たっぷり。
袖も小袖が多い。
帯は狭い紐のようで、ゆったり着こなしている。
江戸時代に入ってからやっと今の着物のように帯で結び、きっちり感が出てくる。
など、色々わかって見ていて楽しい。

私は単に興味があり見て楽しく、なるほどと思うところがあるため購入したが、服飾を勉強している人・イラストを描く人・衣装の時代考証が必要な人には大変貴重な本だと思う。
見て楽しい度:★★
勉強になる度:★★★
参考になる度:★★★★

天皇家の隠し子 謎につつまれた悲劇の皇女

天皇家の隠し子 謎につつまれた悲劇の皇女
河原 敏明著
ダイナミックセラーズ出版

昭和天皇に隠された妹君がいた!という衝撃的なサブタイトル。三笠宮には双子の妹がいて、奈良の尼寺で一生を終えたという。「悲劇の皇女」の数奇な人生を明かす。




昭和天皇の弟・三笠宮は双子で生まれた。
しかし、当時多産は畜生腹と忌まれ、まして男女の双子は前世の情死者の生まれ代わりと言われており、
いかに迷信とはいえ天皇皇后の正嫡にあっては、皇室の尊厳性に傷がつくため何としても隠ぺいせねばならなかったのだという。
生まれてすぐ養子・里子に出され、5歳で尼寺へ入山。そこで一生を静かに終えた静山ご門跡について、
皇室ジャーナリストの第一人者である著者が、多数の証言と資料から明らかにした本。

私には初耳で、衝撃的な話なので読んでみた。
しかし、初スクープでも何でもなく、昭和55年には発表されていた話で、知る人ぞ知るという
話らしい。

宮内庁側としては否定も肯定もできず困惑気味なのだろう。

円照寺の歴代の門跡たちは、花を生けるのを楽しみにしていた。
それが独自性を持つようになり、大正末頃「花は野にあるように」の山村御流となったという。
戦後の経営難に際し、収入源確保のため高島屋で教え始めたのが広がるきっかけであった。
悲劇の皇女・静山ご門跡も家元として出張教授に奔走していた。
ずっと美智子さま始め妃殿下たちは、なぜ無名の山村御流をたしなむのか不思議に思っていたが、
これで納得がいった。

ただ、ジャーナリストとしてきちんとルールにのっとった取材をしたと著者は言っているが、
相手が困惑・迷惑しているのを承知で取材していく様子は失礼なのではないかと気になった。
そのおかげでこうして興味ある本を読めるのは事実だが。

2011年11月3日木曜日

知ってる?正倉院

カラーでわかるガイドブック知ってる?正倉院今なおかがやく宝物たち
奈良国立博物館監修
読売新聞社編集

正倉院やその宝物について分かりやすく解説した本。小学校低学年から読めると書いてあるが、歴史アレルギーの私にはちょうどいい。



正倉院展。
歴史アレルギーで芸術音痴の私(謙遜では全くない)は、正倉院展が大好きで、今年も行ってきた。
宝物を見ながら、解説を音声ガイドで聞きながら、想像を巡らすのが私の楽しみ方。
こんな細かい文様作った人すごいなぁとか、どんな人がこれを着ていたのだろうとか。
勝手に想像していた。

それだけでも楽しいのだが、知識があったらもっと楽しいのではと思い、この本を買ってみた。
他に大人向けの本もたくさんあるが、なんせ歴史に疎いのでこの本がちょうどいい。
総ルビ・絵も写真もふんだん、そして、倉太君と正子ちゃんの質問に東大寺先生がわかりやすく解説してくれるという見るからに子ども用。
でも、侮ってはいけない。
奈良国立博物館監修の本格的なガイドブックである。

正倉院の宝物と、他の国で保存されている同じタイプのものを写真で比較して、
いかに正倉院の保存状態がいいかが解説されていたり。
復元の苦労・・・形・色・材料・技法の再現などは特に読み応えがあった。

これらの宝物の作成にかかわった人・遣隋使・遣唐使、1250年もの長い間保存にかかわった人・
復元にかかわった人・・・たくさんの人のお陰で今すばらしい宝物を見ることができるというのがよくわかり、感動的でもある。

少しずつ勉強して、いつかは大人向けのガイドブックが読めるようにしたいです。
って小学生かっ。