2012年8月6日月曜日

無名の女たち 私の心に響いた24人

無名の女たち 私の心に響いた24人
向井万起男著
講談社

医師でありエッセイストである著者の向井万起男氏が出会った24人の女性たちについて綴った一冊。





医師でありエッセイストでもある著者が、今まで出会った女性たちとの交流を綴ったエッセイ。
「私の自尊心を傷つけた人」「私の向学心を奮い立たせた人」「私の本心を聞いてくれる人」など24人の無名の女性たちが登場する。

著者ご本人も、「芯からミーハーで」「初対面の人とも気楽に明るく接している」性格だとおっしゃるように、文章も明るくこちらも読んでいて楽しくなるようなエッセイが多い。

この本でも、エッセイ賞を受賞した際の新聞記事の見出しに「向井さん夫」と書かれても、「私の職業は向井千秋の夫なのか」と笑い転げてしまう前向きな明るさがある。

新幹線で松田聖子に遭遇した友人と、2時間にわたって微に入り細に入り聖子ちゃんの実況中継のメールをやり取りしたり、12歳年上の会社経営者の男性に知り合ってすぐ、巨人開幕戦のボックス席を毎年くれるようねだったりと、楽しいエピソードが書かれている。

なかでも、奥様の次に頻繁にメールのやり取りをするという知り合って13年のYさんとは会ったことがないというのには驚いた。
みなさんから好かれ、可愛がられ、尊敬されているお人柄の良さが伝わってくる。

「初対面で意気投合した」「初対面で一気に心が通じ合って生涯の友となってしまった」と初対面でこれだけ仲良くなれるのは、やはり著者が誰とでも分け隔てなく明るく接するからなのだろう。

著者は、「多くの男性にコロッと惚れさせておいて結局は棄てちゃう女性」に会うと、握手を求めなかなか手を離さないのだそう。
その間に相手の表情を観察し、性格を読み取っていくのだという。
そうやって、気の合う友人を見つけ付き合っていくのだ。

文章も読みやすく、内容も楽しいので、気軽に読めるいい本だった。

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