2012年7月31日火曜日

絶食系男子となでしこ姫 国際結婚の現在・過去・未来

絶食系男子となでしこ姫 国際結婚の現在・過去・未来
山田昌弘・開内文乃著
東洋経済新聞社

男は草食系を通り越して、「絶食系」になってしまったのか?
女は海外に活躍の場を求める「なでしこ姫」になったのか?
日本の男女の行く末が気になる一冊。




好きな女性がいても告白せずに様子を見ている、恋愛に消極的な「草食系男子」
それにとどまらず、そもそも異性との交際を諦めている、または女性との交際が面倒くさいと言って恋愛欲求すらもたない「絶食系男子」
海外に活躍の場を求め、国際結婚し活動する日本人女性「なでしこ姫」
これは、そんな日本の男女が陥っている問題点について、「婚活」「パラサイトシングル」 の名付け親である山田教授と、ジェンダー論が専門の開内氏が解説した本である。

「出会いがない」とつぶやく女性たち。
「自分が好きでも相手の方も自分が好きだとわかるまで告白しない」
「断られるとショックを受けるし、その後の関係も気まずくなる」
「付き合うのは面倒くさい」
「彼女がいなくても楽しい」
とリスクを避け、恋愛に消極的な男性たち。

本書から現代日本の、仕事にも結婚にも意欲的な女性に、男性たちが置いてきぼりを食らったような構図が見えてくる。

日本人男性は言葉で「愛」を表現することが苦手な人が多い。
それに対して、「愛」の告白をされたいと思っている日本人女性は多数いるのだ。
そのため、外国人男性のストレートで積極的なアプローチに、女性は魅力を感じる。

「好きになったら失敗を恐れずに告白する」これがグローバルスタンダードである。
海外では、積極的な姿勢で攻めなければ、恋人を得ることはできないのだ。
日本は、恋愛までガラパゴス化しているのか!

本書では、日本経済・ジェンダー論・統計、「モテキ」「ダーリンは外国人」などのコミック・・・と、様々な角度から日本の男女の恋愛・結婚について分析していくのだが、読んでいくうちに気分がふさいでしまう。
これではどんどん男女の意識の差が開いていき、少子化問題は解決しないし、日本の明るい未来が想像できないではないか!

しかし、積極性は乏しくても、真面目で優しい、愛すべき日本の男たち。
「もっとガツガツしようぜっ!」と応援したくなる本であった。 

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