2012年7月17日火曜日

木嶋佳苗劇場~完全保存版! 練炭毒婦のSEX法廷大全 (宝島NonfictionBooks)

女は「こんな女がモテて私がモテないのはなぜ?」と悔しい気持ちから興味を持つのだろうか?
男は「騙されたのはモテない男。でも俺は違う」というプライドから関心がないのだろうか

 
「木嶋佳苗劇場」の「劇場」とは、裁判官のセリフ「ここは劇場ではありません」からきている。

この事件を少しでも理解したいと思い「毒婦」「別海から来た女」と読んだが、いくら考えても理解できないのだと、自分の中で結論付けた。
・・・つもりだったが、やっぱり気になり手を出してしまった。
この本は、題名も構成も扇情的な感じがして、犠牲者がいる事件だというのに茶化しているようなイメージがあり敬遠していたのだが。
この本の特徴は、90ページ(約3/5)をも割いて、裁判での被告人質問の一問一答が載っていることだ。
今まで目にしてきた、ピックアップされた細切れの被告人質問と違い延々と続くので、やり取りの様子がよくわかる。
ただ、読んでいてただでさえお腹いっぱいなのに、無理やり口の中に食べ物を突っ込まれたような感覚だった。

そして、「佳苗ギャル座談会」へと続く。
「佳苗ギャル」とは、佳苗の生き方に憧れるとんでもない女たちの事かと思っていたが、そういうわけでもなさそうだ。
少なくともこの座談会に出席している方たちは、佳苗の「イタい嘘」を嗤ったり、佳苗を様々な角度から詮索するのが好きな人たちだった。
そう考えると、佳苗に興味を持っている私も「佳苗ギャル」の一員とみなされるのかと、ショックを受けた。

そして、私が一番興味を持ったのが、佳苗の過去のブログを検証した個所だった。
毎日半端ない量を食べていた食欲・欲求不満を赤裸々に綴った性欲・ヤフオク等でやり取りしていた物欲。
どこまで欲深い女なのだと驚いた。
特に、オークションで買い漁っていた、ブランドショップの紙袋、航空会社ファーストクラス限定品、叶姉妹・君島十和子グッズ・・・
セレブに憧れて、嘘とプライドと見栄にまみれた佳苗が浮き彫りになる。

最後に、倉田真由美・岩井志麻子・中村うさぎのそれはそれは濃ゆいお姉さま方の談話が載っている。
もう、口の中に食べ物を突っ込まれるだけでなく、油と納豆のお風呂に無理やり入れられた気分になる。

もう、十分。
この事件の事はやっぱり理解出来ないと、これでよくわかった。
もう、これに関する情報を追うのはやめにしようと誓った。

参考:3冊の比較(私の独断と偏見によるものです。)

『毒婦』・・・女性目線。裁判の全体像を知るのに最適。多角的でない。
『別海から来た女』・・・男性目線。ルーツや、背景が一番詳しい。自慢・批判が鼻につく
『木嶋佳苗劇場』・・・佳苗個人を多方面から見る。佳苗の過去ブログが詳しい。野次馬的

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