2012年7月22日日曜日

やんごとなき姫君たちの食卓

やんごとなき姫君たちの食卓
桐生 操著
TOTO Books

古今東西、食にまつわる雑学コラム集。やっぱり我が家の食卓が一番なのかも。




姫君たちの、どれだけ絢爛豪華な食事が書かれているのだろうと、よだれを堪えながら読み始めた。
上流社会のパーティーの様子、ワイン、銀器や陶磁器の話、料理やレシピなど、飲食にまつわる幅広いトリビアが70以上掲載されていた。
これは、中世ヨーロッパを中心とした食にまつわるエピソードを集めた雑学本だったのだ。

ルイ14世の好みのレシピと言われても、耳慣れない材料と大雑把すぎる分量でとても作る気になれない。
しかし読めばなんとなく想像がつく。
バター、生クリーム、ラード・・・あぁ、なんとこってり料理なんだろうと、こってり好きの私でも胸やけがしそうであった。

古代エジプトでは酒宴の最中に、模造ミイラを見せながら「みんないつかはこうなる。だから、今のうちに飲食を楽しもう」と言って回ったという。
気持ちはわかるが、わざわざ見せなくても・・・かえって食欲が落ちる気がするのだが。

ルイ14世の時代、バスティーユの監獄の様子。
囚人たちは、愛用品を持ちこみ、召使いや料理人を雇い、食べきれないほどの贅沢な食事を与えられていた。
あまりに居心地がいいので、刑期の延長を申し出る者や、自分から進んで入った者もいたという。

その他、チョコレートブランドの「ゴディバ」の名前の由来となった「ゴダヴィア伯爵夫人」にまつわる話、アフタヌーンティーやカフェの話と本当に盛りだくさんな内容であった。

一つのコラムが短いので、深い考察はないのだが、気軽に楽しめる本であった。

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