2012年7月1日日曜日

オカルト 現れるモノ、隠れるモノ、見たいモノ

オカルト 現れるモノ、隠れるモノ、見たいモノ
森達也著
角川書店

半信半疑であるオカルトの世界に飛び込み、超能力、霊視体験、オーラなどに斬り込んでいくドキュメント。



オカルトとは、ラテン語の過去分詞である「occulere」・隠されたものからきている。
誰が隠したのか、隠したものは何なのか?
この本は、あり得ないと否定しつつもなぜか惹かれてしまうオカルト分野のあれこれについて、著者が取材したドキュメントである。

子供の頃から心霊現象や未知の生物を扱ったTV番組が好きだったという著者。
世の中に出るオカルト現象のほとんどには否定的であるが、たまに「どうしても説明できない現象が時折ある」と感じている。
だからこそ、曖昧なままではなく、否定でも肯定でもどちらかに結論を出したいと、様々な人物に会い、検証していく。

恐山のイタコに当たり障りのない事を言われ、毎日決まった時間に自動ドアが開く現象を目撃する。
人の心を読み取るという 荒川静 に霊視してもらい、ダウジング(棒や振り子などの器具を用いて水脈や鉱脈を探り当てる方法)の第一人者と実験をする。
「ほとんどが嘘だという事はもうわかっています。でも全てが嘘とも言い切れない。だから研究するんです。」という科学者と何にでも効くという「太古の水」を恐る恐る飲んでみる。

そして、清田少年秋山眞人など、様々な有名無名の人に取材をし、結論が出ないまま堂々巡りの罠にはまっていくのだ。

先日読んだ「超常現象の科学」という本の中では、超常現象は、思い込みや錯覚であり、いまだかつて科学的に証明されたものはないと言いきっていた。
メンタリストDaiGoの「人の心を自由に操る技術」では、これは超能力ではなく、人の心理や錯覚を操る技術だと言いながら、付属のDVDで魔法使いのようにスプーンを曲げていた。

私は、そんな不思議な現象に遭遇したこともないし、肯定的な考えも持っていない。
でも、この世のどこかに科学では証明できない不思議な現象もあるのでは?あったら面白いな、とも思っている。
超常現象に興味はあるけれど、普段の生活に忙しいし、読みたい本もいっぱいある。
TVで不思議な事を見たら、その場ではへぇ~と思っても、すぐに忘れてしまう。
真剣に思い悩んだり、検証すべく立ち上がったりはしていない。
あるかもしれないし、ないかもしれない、そんな神秘的なベールに包まれているから面白いのかもしれない。

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