2011年11月23日水曜日

ふむふむ おしえて、お仕事!

ふむふむ おしえて、お仕事!
三浦 しをん著
新潮社

三浦しをんさんが様々な職業の女性にインタビューしたものをまとめた一冊。



三浦しをんさんが、職人・芸人を中心に仕事に打ち込んでいる16人の女性に話を聞いた
インタビュー集。
靴職人・漫画アシスタント・動物園飼育係・ウエイトリフティング選手・・・等、
年齢も職業も様々な職に打ち込んでいる女性たちが自分の仕事について語った。

白黒の写真に写るインタビューに答える女性たちの顔。
みなさんなんて美しいんでしょうと、まずそこに目が行ってしまった。
ひっつめ髪の方が多く、着飾ってもいないのに、共通して凛とした・涼やかな美しさがそこにあった。
このカメラマンに撮ってもらえば私でもきれいに・・・ってそういうことじゃなくて。

世の中にあらゆる種類の職業があるけれども、一人の人間がなれる職業の数は限られている。
平凡な毎日を送る私から見たら、ちょっと特殊な職業の方たち。
普段接することのない職種ばかり。
だから、知らない世界をちょっとのぞき見したいという好奇心をこの本は満たしてくれる。

その女性たちに著者が「ふむふむ、なるほど」と興味の赴くままに聞いていく。
そこがこの本の最大の魅力だと感じた。
冷静な研究者や専門家の分析交じりの目線ではなく、おばさん目線で「へぇ~。」と聞きながら、
次から次へと仕事の話を聞き出していく。
若くて品のある三浦しをんさんのことを、おばさんというには申し訳ないが、
他にぴったりの言葉が見つからないので勘弁してほしい。
おばさん化してきている私にぴったり合ったポイント。
たくさんの職場に行って、色々聞けるなんて羨ましい。

出てくる女性たちはみなさん大好きなことを職業にしている方ばかりで、こちらも羨ましいかぎり。
小さい頃から両親や環境に無理やりならされたのではなく、紆余曲折しながら好きなことを見つけて職業にしていったからなのだろうか。
生物の発生学を研究している方に三浦しをんさんが、研究に駆り立てる情熱はどこから来ているかと問うと、「好奇心から。おもしろいから。顕微鏡の下で、細胞をはじいていくのが楽しくて、これがやりたかった。」と笑っておっしゃる。
細胞をはじく面白さは、哀しいかな私にはわからないが、なんと幸せな方なんだろう。

クスッと笑える箇所もたくさんあり、楽しめた。

ぜひぜひ続編もお願いしたい。

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