2011年11月7日月曜日

暴力団

暴力団
溝口 敦著
新潮新書

ノンフィクション作家で、暴力団取材の第一人者の溝口氏が書いた暴力団入門書ともいうべき本。




長年暴力団の取材を続けてきた著者が書いた暴力団の解説書。
用語/構成員と準構成員・暴力団関係者・みかじめ・しのぎ・・・
何となく意味は知っている単語を分かりやすく解説してくれている。

また、組員たちの性格や生活などもよくわかり、暴力団とはこういうものだという概略がつかめる。

よく、暴力団排除条例でこの先日本の暴力団もマフィア化していくであろうと言われているが、
その「マフィア化」っていうのもなんとなくわかったようでわかっていなかった。
暴力団は、代紋をバックに相手を恐れさせるという性質上、顔を知られてナンボのところがあるが、
マフィアは犯罪を隠密に遂行するため、極力表に出ないよう行動するという。
この本を読んでそのことがよくわかり、納得がいった。

前に書評であげた「潜入ルポ ヤクザの修羅場」に溝口氏のことがいくつか書いてあった。
暴力団取材の第一人者ですごいと。

著者は、1990年背中を刺されている。
犯人は捕まっていないが、山口組関係者が実行者だとわかっているらしい。
また2007年には長男が、同じく組関係者に路上で太ももを刺され重傷を負っている。(犯人は逮捕)
そういうことがあっても、ひるむことなく取材を続けている。

本書でも、毅然とした態度で暴力団に対応している。
皆でサッカーを楽しんでいるのに、一人だけ手を使って反則して、威張っている人たちには、退場してもらってよいのではないでしょうか。暴力団を決して特別扱いしてはいけないのです。

しかし、著者も言うようにもう暴力団の時代は終わっていて、
「昔暴力団っていうのがあってね・・・」ということになるのかもしれない。

著者には言えなかったこと・書けなかったことが山ほどあるに違いない。
いつかそれを吐き出してもらいたい。

1 件のコメント:

  1. 確かにマフィア化って具体的には??でしたが、この本でそれが理解できるのならばそれだけで読む価値はあるかもしれません。
    ただ、時間がない。。。

    返信削除

閲覧ありがとうございます。コメントしてくださったらうれしいです。