2011年11月18日金曜日

珍日本超老伝

珍日本超老伝
都築 響一著
ちくま文庫

80歳過ぎても現役のAV男優。元大学教授の女装家。そんな元気なじいさんたちがいっぱい出てくる本。みなさんなんて素敵なんでしょう。



著者に倣ってじいさんと呼ばせていただきます。

年齢を重ねてこられた方というのはそれだけで尊敬に値すると思う。
辛いこと・苦しいことたくさんあるこの世間の荒波を越えてきたのだから。
ましてや戦争を経験なさっている方々はやっぱり根性が違う。

そしてこの本。
ここに出てくるじいさん達は元気なだけではなく、みなさん自分の好きなことに情熱をささげている。その好きなことが人とはちょっと変わっているだけ。
人の目をあまり、いや全く気にしないだけ。
そんなディープなじいさんがてんこ盛り。

著者による「絶滅危惧種じいさんにガツンとやられる旅」にガツンとやられちゃいました。

オリンピックおじさんは、知っていた。
でも、スポーツが好きで愛するが故に応援に行くとまでは知らなかった。
「スポーツなしでなにが人生か」
という信念で自費で応援。お金持ちだからという次元では考えられないエネルギー。
さすがです。

そして気になっていたAV男優。
私は存知あげなかったが、「安田老人の秘密のコレクション」などで一部では大変有名な御仁だそう。残念ながら2008年にお亡くなりになられたそうだが。
安田老人のAVはシリーズ化されていて50本以上あるという。
お相手も73歳のばあさん!孫たちも出かけたから久しぶりに・・・という設定らしい。
取材当時87歳だった安田老人は
「いや、最近はもう弱くなっちゃって。いまじゃ、2時間で2回しかできないですから」

とおっしゃる。そういうものなんでしょうか。
供給はできても需要があるのだろうか。ふと、うちの両親を見る。

あと気になったのが、大学教授(記号論理学)だったが、女装にのめりこみ大学を辞めてしまったじいさん。
「きれいじゃなくなったら女装を辞める。きれいじゃなくなったらむしろみっともない。恥だと思うんです。」らしい。
写真集を出したのが68歳。取材当時74歳。現在83歳、お元気で活動中。う~ん。

その他、城を作っちゃったじいさん、DJデビューしてクラブで踊りまくるるじいさん等々、
29人連続で読むと頭がくらくらする。

「ヘンなじいさん」とか「馬鹿な奴」とか笑うのは簡単だけれども、ここまで突き抜けている方々は、
笑いをも超越して尊敬・感動の域に達している。
なんて素敵な愛すべきじいさんたち!!!こんなじいさんたちがいる限り、日本の未来は明るい・・・かな?

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