2011年11月6日日曜日

天皇家の隠し子 謎につつまれた悲劇の皇女

天皇家の隠し子 謎につつまれた悲劇の皇女
河原 敏明著
ダイナミックセラーズ出版

昭和天皇に隠された妹君がいた!という衝撃的なサブタイトル。三笠宮には双子の妹がいて、奈良の尼寺で一生を終えたという。「悲劇の皇女」の数奇な人生を明かす。




昭和天皇の弟・三笠宮は双子で生まれた。
しかし、当時多産は畜生腹と忌まれ、まして男女の双子は前世の情死者の生まれ代わりと言われており、
いかに迷信とはいえ天皇皇后の正嫡にあっては、皇室の尊厳性に傷がつくため何としても隠ぺいせねばならなかったのだという。
生まれてすぐ養子・里子に出され、5歳で尼寺へ入山。そこで一生を静かに終えた静山ご門跡について、
皇室ジャーナリストの第一人者である著者が、多数の証言と資料から明らかにした本。

私には初耳で、衝撃的な話なので読んでみた。
しかし、初スクープでも何でもなく、昭和55年には発表されていた話で、知る人ぞ知るという
話らしい。

宮内庁側としては否定も肯定もできず困惑気味なのだろう。

円照寺の歴代の門跡たちは、花を生けるのを楽しみにしていた。
それが独自性を持つようになり、大正末頃「花は野にあるように」の山村御流となったという。
戦後の経営難に際し、収入源確保のため高島屋で教え始めたのが広がるきっかけであった。
悲劇の皇女・静山ご門跡も家元として出張教授に奔走していた。
ずっと美智子さま始め妃殿下たちは、なぜ無名の山村御流をたしなむのか不思議に思っていたが、
これで納得がいった。

ただ、ジャーナリストとしてきちんとルールにのっとった取材をしたと著者は言っているが、
相手が困惑・迷惑しているのを承知で取材していく様子は失礼なのではないかと気になった。
そのおかげでこうして興味ある本を読めるのは事実だが。

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