2011年9月29日木曜日

贋作と共に去りぬ

贋作と共に去りぬ
ヘイリー・リンド著
岩田佳代子訳

世界的贋作師の祖父を持つ主人公アニー。明るく前向きなアニーとイケメンたちが(想像及び願望)繰り広げるエンターテイメントミステリー。





アニーは、幼い頃から絵画の才能を開花させていた。
10歳の時、モナリザを見事に模写するほど。
贋作師の祖父より手ほどきを受ける。
かつてはあこがれの修復師になるため、美術館勤務をしていたが、
暗い過去が暴露され、辞めさせられてしまった。
今は、お金に困っている忙しい画家兼疑似塗装師。
ある日、元カレから元の職場に呼び出され、鑑定を頼まれる。
そこから始まるノンストップミステリー。
次から次へと、めまぐるしく事件が起こる。

とにかく読みやすい。
翻訳がいい。
海外物によくある不自然な「英文和訳」ではなく、自然な日本語でよかった。

主人公アニーは、お金はないが、前向きで明るくへこたれない。
彼氏はいないが、味方になってくれる仲間がいる。
ステイタスはないが、確かな絵画の腕がある。

そんな主人公の周りにイケメン二人。
しかもタイプが違う。
一人は、長身で高級スーツを身にまとう堅物お金持ち。
もう一人は、正体不明の遊び人風。

アニーは、食べ物に気を使い、運動も欠かさない、美しいスーパーウーマン
(アメリカの小説によく出てくる)ようなタイプじゃない。
日本人好みの、一生懸命だけどドジで憎めない、でも才能はピカイチというタイプ。
女の子の憧れ要素満載のこの作品。
それでいて、美術の豆雑学あり、事件多数あり、アクションシーンありあり。

私が好きなのは、都合が悪くなると、電話を切っちゃうおちゃめなおじいちゃん。
他にも、助手や、友人たちも魅力的な人がいっぱい。

読み始めると夢中で最後までいってしまう。
とくに、後半は、アクション映画を見ているように楽しめた。

シリーズの第1作で、第4作までできているという。
次も是非読みたいと思わせる本でした。

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