2011年9月6日火曜日

分身

分身
東野圭吾著
集英社文庫




北海道に住んでいる鞠子。幼い頃から母の愛に違和感を感じていた。
東京に住んでいる双葉。生まれた時から母と二人暮らし。
性格は全く違うが、なぜかそっくりな二人。
双葉のテレビ出演を機に、様々な渦に巻き込まれていく・・・

だいぶ前の医療サスペンスといえば、普通、医療の進歩に伴って古臭く感じてしまうもの。
でも、この本はそんなこと感じさせず、面白かった。
(専門家にはどうかわからないが)

最初から、暗く、薄気味悪いベールが一枚かかっているような気持ち悪さが最後まで続いていた。
自分と双子以上にそっくりな人がいたら?
まずは親の浮気を疑うかな?
でも、そんな話ではなかった。

東野作品の初期のいくつかは、終わり方が中途半端で納得できないものがあったが、
この作品は、余韻を残しつつも、とりあえずうまくまとまっていた。

考えさせられる点も多々あり、読み終わった後も、本能的な嫌悪感は尾をひいていた。

あと、一貫して「親の愛情」がテーマとして流れていた。
それが、気持ち悪さの中、救いだった。

改めて、昔の作品を読んでみたくなった。

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