2011年9月18日日曜日

マリアビートル

マリアビートル
伊坂 幸太郎著
角川書店


「グラスホッパー」のその後。「グラスホッパー」読んでからの方が楽しめる。でも、読んでない人も楽しめる。




盛岡行きの新幹線に、それぞれ事情を持つ人たちが乗り込む。
小賢しく、恐ろしい中学生・王子。
王子を狙う木村。
峰岸の息子を助け出し、盛岡に連れていく檸檬と蜜柑。
トランクを運び出せと命令された不運な七尾。
個性豊かな登場人物たちが、各自の使命を果たすため繰り広げる騒動。
果たして、盛岡までたどり着けるのか。

最初から、最後まで、軽妙なやり取りが続き、飽きさせずに最後まで突っ走るのはさすが。

危ない仕事をしてる人たちが、偶然(偶然すぎる!)同じ列車に乗り合わせる。
死体やけが人続出。
となれば、ハードボイルド風にも、暗い重い話にもなりそうだが、伊坂作品のため、
そうはいかない。

とにかく、会話が面白い。
「トーマス」大好きで、何でもトーマスに結びつけてしまう檸檬と、相棒の蜜柑の会話が
特に面白かった。
七尾の不運さも、度を越していて笑える。

でも、一番スカッとするのは、木村父。
やはり、経験を重ねた人は重みが違う。

読み終わって、すっきりするのもよかった。


内緒の話
なんか、職人の技という感じがする。
物をつくるのに、こうすれば売れるだろうというような感じで作っているような。
作家はみんなそうなのかな?
でも、伊坂作品はそれが強いような気がする。

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