2011年9月4日日曜日

モルフェウスの領域

モルフェウスの領域
海堂 尊著
角川書店





アツシ君は、網膜芽腫で右眼摘出術を受けるが、9歳の時に再発。
左眼も摘出しなければならなくなるが、新薬が開発され、日本で認可されるのを期待して、5年間コールドスリープ「凍眠」することになった。
それを見守る未来医学探求センターの非常勤の専任施設担当官・涼子。
おなじみの曾根崎伸一郎教授が考えた「凍眠8原則」にほころびはないのか?
スリーパーは無事に目覚めるのか?
もし目覚めたら、そのあとどう生きるのか?

まずは、Aiについて書かれていないのでホッとしました。(Aiセンターの名前は出てきましたが)
前半は、読みにくかった。
どうにも、杓子定規の官僚像・作者の意見の押し付け・・・等気になってしまって。
もう、海堂作品は卒業かなとも思ってしまった。

でも、中盤からは、ストーリー的におもしろくなり、夢中になって一気に読みました。
こういうこともあるから、やめられない。

「凍眠」している間、その人の基本的人権はどうなるのか?
その間、体は少しずつ成長するが、年齢はどうするのか?
色々考えさせられます。

いくつか気になる点も。

おなじみの愚痴外来の田口先生って、こういう普通のキャラだった?
今までと印象が違うのだけれど。

ロジック、論理のほころび、などの言葉が頻繁に出てくる。
世の中には、そんなに頭のいい人ばかりじゃないし、
論理的にばかりこだわる人ばかりでもない。
もっと感情的な人もいっぱいいるはず。
みんながみんな、「論理的なほころびはあるかないか」なんて考えない。
一人二人はそういう考えの登場人物がいてもいいけど、揃いも揃ってっていうのは考えもの。

でも、「凍眠学習」は興味ある。
誰しも一度は睡眠中に自然に学習できたらと憧れたのでは?
特に試験前。
音声を流すだけで暗記・理解できたらいいな。

著者は、お願いだから、押し付けがましく書かないでほしい。

0 件のコメント:

コメントを投稿

閲覧ありがとうございます。コメントしてくださったらうれしいです。