2012年11月20日火曜日

世界珍本読本―キテレツ洋書ブックガイド

世界珍本読本―キテレツ洋書ブックガイド
どどいつ文庫著
社会評論社

珍本・奇本の書籍案内。どんな本にも驚かない、動じない強い精神力が養えそうな一冊。



本書は、世界の珍本奇本ばかりを集めている書店 「どどいつ文庫」が集めた衝撃の本の数々を紹介する書籍案内である。

冒頭から、「放置自転車写真集」「放置ショッピングカート写真集」など、延々とどうでもいいような、それでいて目の前にあったら好奇心からちょっと覗いてみたいような珍本が続々登場する。

その他、
「アメリカのゴキブリ」・・・たくさんのゴキブリが花に集まり、まるで花びらのように見える写真など、ゴキブリをひたすら激写した写真集。

「野外で放尿する自分の写真集」・・・女性カメラマンが大自然の中のみならず、大都会やパーティー会場・トラックの屋根などあらゆる場所で、自身の体から放出されるしずくを撮影した写真集。

「ラブドールと同居している人のお宅訪問」・・・何人ものお人形さんに囲まれた中年女性や、お人形さんと家族全員で団欒する家庭の様子が掲載されている。

そんな珍本が1ページにつき1冊紹介してあり、カテゴリー別に200冊も続く。
目がチカチカするどどいつ文庫のHPと同じように、目が白黒したり、見開いたり、眉間に皺が寄ったりしてしまう。

ところが読み進めると、免疫ができたのか慣れてきたのか、バカバカしいと思いながらも「この本読んでみたいな」と思い始めるから不思議だ。

観光地ワースト80が載っている「世界最悪旅行ガイドブック」なんて、そんな観光地には行きたくないが、どこがワーストなのか確かめてみたい。
高いお金出して購入したいとは思わないが。

本を出版するには手間もお金もかかる。
珍本をそうまでして出版する方々は、お金に余裕があるのだろうか?
採算が取れると踏んだのだろうか?
それとも、どうしても多くの人に見てもらいたかったのか?

この本を読んだら、もうたいていのヘンな本には驚かないだろう。
珍本の中に登場する人、それを出版する人、その本を購入する人、コレクションする人、そしてこの「珍本読本」を読む人、世の中には本当に色々な人がいると痛感した一冊だった。

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