2011年10月23日日曜日

日本一のクレーマー地帯で働く日本一の支配人

日本一のクレーマー地帯で働く日本一の支配人
三輪 康子著
ダイヤモンド社

不夜城・歌舞伎町。そこにあるビジネスホテルの支配人になった女性の奮闘記。ヤクザに屈することなくお客様や従業員たちを守る姿勢はドラマよりドラマチック。



新宿・歌舞伎町。
私の個人的なイメージは、風俗とアウトローたちの魑魅魍魎の町、そう思っていた。
でも、最近は警察官がたくさんいて、それなりに秩序のある町だという。

そこに、東横インというビジネスホテルがある。
かつて、建築基準法に違反する改造工事をしたホテルである。

そのビジネスホテルの支配人になった著者。
客室係やフロント業務からステップアップして支配人になったわけではない。
銀座の画廊や、アパレル関係の仕事をしていて、いきなり歌舞伎町の問題ホテルの支配人に抜擢。
って、著者も凄いけど、配属決めた会社人事も凄い。

そこで著者が見たものは・・・
長期滞在のヤクザ達。
ロビーでカツアゲする、薬物の横行etc.

抜き身の日本刀を出され脅されても一歩前に出て
「お客様に、私は殺せません!」

カツアゲの最中、ド真ん中まで入って行って梃子でも動かない。
「死にてぇのかよぉ、コラァァァァ!」
「いいえ、死にたくはございませんっ!」


著者は女性である。
ドラマでは、あるかもしれない。
いつの間にかヤクザを諭して、仲良くなって、
最後はお涙ちょうだいの大団円。
しかし、これは現実である。
私だったら、まず無理。
日本刀を見る以前に、その筋の方には近づきたくない。

なぜここまでできるのだろう。
彼女も支配人とはいえ、雇われている身である。
著者は、人生をかけて人助けをする医者の父を見て育ったからというが、
それだけではないだろう。

スタッフたちが、上司である支配人を慕う気持ちが伝わってきて、感動ものだった。
それだけ、慕われる上司ってなかなかいないだろう。
体を張って自分たちを守ってくれているのを間近で見てそう思っているのだそう。

接客業の参考にというスタンスの本だが、生半可な気持ちでは真似できないのでは?

根性ある女性の生き方を見せてもらって、やるなぁと唸ってしまった。

・・・でも、私にはやっぱり無理。

1 件のコメント:

  1. あぶりかるび はにぃさんコメントを拝見するとこの本を読みたくなりますね。

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