2011年10月29日土曜日

鳥人計画

鳥人計画
東野圭吾著
角川文庫

東野圭吾の1989年の作品。スキージャンプ競技のエースが殺された。犯人はジャンプ関係者なのか?




日本のジャンプ界を担うエースの楡井が大会で優勝した次の日、
毒殺された。
ライバルの選手たち、コーチ、恋人、彼を取り巻く人々の中に犯人はいるのか?
何のために殺したのか?

まずびっくりしたのが、犯人が最初の方でわかってしまうこと。
えっ!と思わず声を出してしまった。
犯人わかっちゃったら、残りの分厚いページは何について書いてあるの?
それとも、この犯人はフェイクなのか?

でも、そこは人気作家の著者。
読者をいい意味で裏切ってくれていた。

ジャンプ競技は、冬のスポーツニュースでチラッと見る程度の私。
そんなほとんど知識ゼロの私には、ジャンプ業界もとても興味深く感じた。
飛び方も、昔は手を前に出していたとか、
今は板をV字にするが、ちょっと前までまっすぐだったとか
知らなかったことがいっぱいあって面白かった。
ストーリーとは別に、そういう事を知るのも読書のだいご味。

ただ、「K点越え」という言葉は聞いたことあっても正確な意味はわからない、
飛型点や採点方法などはお手上げ。
そんなど素人のためにも、無知な警察官に説明する形とかで、解説が欲しかった。

選手やコーチたちの「勝ち」にこだわるひたむきさ、
それも魅力の本だった。

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