川原 れん著
幻冬舎
医療ミステリー。身元不明の妊婦が死亡した。残された赤ちゃん。謎の男が、妊婦のことを口外するなと脅した。妊婦は誰だったのか?なぜ口止めされたのか?
経営難の総合病院に勤務する 外科医の司馬健吾は、当直で疲れ切っていた。
そんな時、救急で身元の分からない妊婦がやってきた。
健吾が執刀して帝王切開するが、妊婦は死亡する。
未熟児として生まれた男児が残される。
術後、立ち会った二人の看護師は、見知らぬ男に、妊婦のことは口外するなと
別々に脅された。
妊婦は誰だったのか?
看護婦はなぜ口止めされたのか?
読み進めるにつれ、だんだんと一人一人の嘘が明らかになっていく。
騙し・騙され、一体真実はどこに?
聖職者とは、一部の清廉高潔とされる職業に従事している人間を指す。
かつて、聖職者と呼ばれていた職業があった。
ここにも、何人かの聖職者たちが登場してくる。
彼らなりに、一生懸命使命感を持って仕事をしていた。
どこで、道を誤ったのだろう。
自らの保身のために、一線を越えてしまったのだろうか。
生まれた子供は、誰のものなのだろう。
倫理観・道徳観を問われているような本でした。
残念なのは、なぜ、道を踏み外したのか納得いく説明がないのと、
最後、突然出てこなくなる登場人物がいたこと。
もう少し、奥行きを深かったらもっと楽しめたのにと思いました。
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