2011年10月24日月曜日

鬼畜の家

鬼畜の家
深木 章子著
原書房

恐ろしい鬼畜の家。本当に怖い鬼畜は誰なのか。弁護士をリタイアした著者が書いた壮絶なミステリー。第3回ばらのまち福山ミステリー文学新人賞受賞作



北川家。
医者であった父は自殺。
養女に出された末っ子の養親は焼死。
姉は転落死。
次から次へと人が死んでいく。
これは誰かが仕組んだ保険金殺人なのか。

「あの人は他人を殺すことはあっても、自分から死ぬなんてことは
絶対にあり得ませんから」
「あたしの家は鬼畜の家でした」

元警察官の私立探偵・榊原が、様々な人の証言を聞いて、真相を明らかにしていく。
語り口調で書かれているので、読みやすく、夢中で読み終わった。

1947年生まれの著者は、60歳で弁護士をリタイアし、この本を書いたという。
しかし、とてもデビュー作とは思えないくらい堂々とした書き方だった。
題材的にはよくある話なのかもしれないが、こうなるんだろうという想像が外れ、
二転三転する。

とにかく、登場人物たちが気色悪い。
暗く、救われない。
その中に、一筋の光でもあればホッとするのに、著者は容赦ない。

読み終わった後も、気持ち悪さが残ってしまう。
今夜は眠れるだろうか。

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