2011年10月20日木曜日

島国チャイニーズ

島国チャイニーズ
野村 進著
講談社


たくましく生きる在日中国人たちの生活を追った本。これだけたくさん中国人がいたら、色々なタイプがいると改めて教えてくれた本でした。



劇団四季の俳優のうち24名が中国人だという。
日本の大学の教授・準教授になっている中国人は2600人にも上るらしい。
芥川賞作家の楊逸は、来日した時「こんにちは」しか知らなかったのに、
一年で日本語能力試験1級を取得したという。
そのほか中国人留学生・東北に嫁いだ中国人・いじめが皆無という神戸中華同文学校
池袋のチャイナタウン・・・

そんな在日中国人の日本での暮らしぶりを紹介した本。

中国といえば、毒餃子事件・尖閣諸島沖漁船衝突事件・北京オリンピックでの少女口パク事件
など最近の事件だけでもすぐに色々頭に浮かぶ。
その時の政府の対応・中国メディアの報道に、頭に来た日本人がたくさんいるだろう。

また、中国人犯罪者による犯行の報道により、
ステレオタイプの中国人-不法滞在・就労目的・マフィア・犯罪・・・というイメージもある。
いくら、パンダが来ようとも、日本での中国の好感度は当分上がりそうもない。

しかし、この本の中に出てくる中国人は、全く違う。
日本のいいところをたくさん見つけてくれている。
礼儀正しさ、挨拶を良くかわす・・・
また、日本人が忘れがちな、謙虚さ・誠実さを備えている人もたくさんいる。

ニュースで紹介されない無名の真面目な中国人もたくさんいるという当たり前のことに
今更ながら気づかされた。

逆に考えれば、海外に滞在している日本人も色々いる。
日本で罪を犯し、アジアに沈んでいった日本人もたくさんいるだろう。
現地で詐欺を働く日本人もいるだろう。
でも、大部分は真面目な一般的な日本人と思う。

そう考えれば、日本にいる中国人だって、多くが堅実に暮らしているのだろう。

中国という国を大好きにはならないだろうけれど、一人一人はやっぱり同じ人間なんだと
気付かせてくれたいい本でした。

1 件のコメント:

  1. 確かに、中国人(中国在住)から見た日本って言うのは結構目にしますが、日本在住の中国人に商店をあてたモノはありませんね。筆者の目の付け所が面白いですね。それと中国人も個人個人では普通の感覚を持っているのかな~~と思いました。是非読みたい本のひとつです。

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