2011年10月3日月曜日

ユリゴコロ

ユリゴコロ
沼田 まほかる著
双葉社

衝撃のラストまで一気読み。ミステリーなのか、愛の物語なのか、サイコちっくでもあり、哀しくもあり、温かくもあり・・の不思議な本でした。



主人公の亮介は、婚約者の失跡・母の突然の死・父の末期がんと失意のどん底にいた。
そんな時、押し入れから「ユリゴコロ」という題の手記を発見する。
中には、精神を病んでいるような、人殺しをしても罪の意識は感じないという
衝撃の内容が書かれていた。
誰が書いたものなのか。
幼い頃長期入院をして退院した後、母が入れ替わったと感じていたのはなんだったのか。

最初から最後まで飽きさせない一気読みの本でした。
それからどうなるの?なんで?という思いから、気になって気になって。
亮介が手記の続きを読みたくなるのと同時に、私も同じ気持ちでした。



いつも、著者の作品は衝撃的な内容だけれども、暗く・淀んだ・ゆっくりといったイメージが浮かぶ。
テンション高い登場人物も出てこないし、冗談もほとんどない。

だけれども、今回は、なぜか哀しく、温かい愛を感じる。
何の罪もなく殺された被害者たちがいる。
でも、なぜかそちらには考えが及ばない。

登場人物のだれにも感情移入できなかったけれども、本の中にはまりこんでしまった。

久しぶりにすごい本・すごい著者に出会えた感動があった。 

1 件のコメント:

  1. はじめまして。本が好きから飛んできました、カンザスです!

    この本は面白そうですね。最後の一文には興味を強く惹かれます。

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