2014年1月1日水曜日

総理の夫

原田マハ著
実業之日本社

政治関係の難しい話・・・ではなく、これは恋愛ドタバタコメディだ!



東大理学部・同大学院卒のイケメン。
職業は鳥類研究所勤務の鳥類学者。
実家は日本を代表する大財閥で、自分の資産もあり、現在は祖父のお屋敷に住んでいる。
優しくてお人好しで涙もろく、妻をこよなく愛する38歳。

本書は、そんな「理想の結婚相手」のような男が主人公の小説である。
なんて昔の少女漫画的な設定なんだろうか。

そして奥様は、東大からハーバード大学院へ進んだ秀才。
父は有名小説家、母は国際政治学者。
31歳で国会議員に初当選した直進党党首。
現在は、女性初の内閣総理大臣、42歳。

完璧なエリート女性、しかも美女で総理大臣。
ますます漫画チックな設定である。
この現実離れした物語は、「総理の夫」である 相馬日和 がつけている日記という形式で進んでいく。

冒頭から、主人公の相馬日和・通称「ひよりん」の妻に対する愛が炸裂していく。
多忙を極める妻を支え、心配し、愛し続ける。
なんて素敵な方なんでしょう!
読み始めてすぐに「ひよりん」ファンになってしまった。
題名を「総理の夫」から「理想の夫」に変更してもいいんじゃないだろうか。

自分では、肉体派の男が好みだと思い込んでいたのだが、この主人公「ひよりん」のような文系・内向的男子も好みなのかもしれない。

二人の出会いにキュンキュンし、
公邸に移ってますます多忙になった妻とのコミュニケーションが薄くなり寂しく感じる「ひよりん」に同情し、「たとえ世界中が敵になったとしても、君の側につく。君を守る。君についていく。」の言葉にノックアウトされてしまった。
そんなセリフを言える男性が現実にいるだろうか?
いないからこそ読者はこの物語に夢を見るのだ。
(いや、もしかしたら地球の片隅に棲息しているかもしれないが)

他の方がこの小説を読んでどう感じようと、私にとってはこれはギャグを散りばめながら理想を描いた恋愛コメディなのだ。
原田マハさん、私の恋愛のツボをよくご存知だなぁ。

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