近江泉美著
メディアワークス文庫
就職活動に疲れきった大学生・美久は、ひょんなことから(→便利な言葉だなぁ)
井の頭公園のそばにある喫茶店「珈琲 エメラルド」に迷い込んだ。
そこの壁には【貴方の不思議、解きます】と書かれた紙が貼ってあった。
店長は20代半ばの長身で優しそうな穏やかな人。
そしてその弟は、王子様のような美しい少年・・・なのだが、口を開けば毒舌を吐く意地悪な高校生だった。
まるでドリップコーヒーのように、良いところが全部外見に抽出されて、内面が出がらしみたいにスカスカな。
しかもその弟は、天才的な探偵だった!
ひょんなことから(また使ってしまった!)美久はその喫茶店を手伝う羽目になってしまった。
ドジで人がいい女子大生。
優しい店長。
イケメンだけど性格が悪い高校生探偵。
そんな彼らが、「妻の霊を探してください」とか「お雛様に会いたい」という依頼を受けたり、「目玉焼きにかけるのは醤油かソースか」で喧嘩している夫婦の仲裁に乗り出す。
どこかで聞いたことあるような設定や登場人物、
色々な話をミックスしたようなストーリー・・・
いやいやそれは言うまい。
初読なのにデジャブを感じながら楽しく読める小説である。
表紙の男の子は好みのタイプじゃないので、勝手に理想の王子様を想像しながら読み進めた。
どんな内容だって、読み手が楽しめればそれでいいじゃないか。
イケメン兄弟の親は一度も出てこないので、何をしているのだろうかと不思議に思う。
依頼を受ける際、経費以外の金銭は受け取らず、代わりに命と等しく重たい物をもらう黒い契約書をかわすとはどういう意味なのか。
他にもまだまだ気になることがたくさんあるので、先が気になってしまう。
続編も、是非読んでみたい。
でも目玉焼きは、パンに合わせるなら塩コショウ、ご飯と食べるなら醤油でしょ。
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