2013年3月31日日曜日

武士道エイティーン

武士道エイティーン
誉田哲也著
文藝春秋

彼女たちの成長はまだまだ続く。



剣道に打ち込む女子高生の青春物語である「武士道シリーズ」の第3弾。
「武士道シックスティーン 」 「武士道セブンティーン」 に次いで、本作では18歳になった彼女たちが描かれている。

男勝りの 香織 とおっとりマイペースな 早苗
前巻までは、この対照的な二人の視線で交互に物語が語られてきた。
この「エイティーン」ではそれに加えて、モデルをしている早苗の姉、香織の剣道の師匠である桐谷先生、福岡南高校剣道部を指導している吉野先生など、彼女たちを取り巻く人物の視点からも語られていて、物語が大きく広がっていく。

個人的には、とりわけ桐谷先生の話が興味深かった。
先祖の職業に関する秘密、そしてなにより警察の逮捕術にも繋がる独特の武術が、体育会系の私としては読み応えがあったのだ。

それぞれの道を邁進していく彼女たちは、逞しくそして眩しい存在になってきた。
この「エイティーン」でもまたまた彼女たちには試練が待ち構えていたが、もう私が心配するまでもないだろう。

そして何より嬉しいことに、解説に続編が期待できるようなことが書いてあった。
ある方がこの「エイティーン」は「これで卒業、もうこの二人に会えないのだと思うと何だか寂しさが込み上げてきて未だに手を付けられません」とおっしゃっていた。
私もそれを聞いてもったいないような気がして読むのを躊躇していたが、読んでよかったと今なら思う。
こんなにも成長した彼女たちに出会えたのだから。
そして、これで終わりではなく彼女たちの物語はまだまだ続くのだから。

いつの日か、より成長した彼女たちに再会することを心待ちにしている。

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