2012年9月2日日曜日

よしながふみ対談集 あのひととここだけのおしゃべり

よしながふみ対談集 あのひととここだけのおしゃべり
よしながふみ著
太田出版

なぜ私はBLに萌えないのだろうか?





BLには全く興味がない。
腐女子に関する本「腐女子化する世界―東池袋のオタク女子たち」を読んでも、彼女たちのことは理解できなかった。

いい男大好きの私にしたら、ただでさえ競争率の高い男を他の女だけでなく男とも張り合わなくてはならない世界は、想像しただけで辛いではないか。
でも、BLのどこに萌えるのか、なぜBLにハマるのかということには興味を持っていた。
そこで、本書を読んでみることにした。

本書は よしながふみ さんが、萩尾望都 さん 三浦しをん さんなど6人の漫画家・作家と、漫画について熱く語りあった対談集である。
会話文なので読みやすいだろうと読み始めたのだが、私にとっては学術書並みに難しかった。
知らない漫画があまりに多すぎて、注釈を読んだり検索しながら読み進めなければならなかったのだ。

小学生の時は「なかよし・りぼん・ちゃお」その後「花とゆめ・別マ」「mimi」そして少年誌・青年誌とそれなりに読んできたつもりだったのだが、漫画好きな方からしたら、もう私なんて何も知らない赤子の様な存在なのだと気づいた。

そして、この本で色々学習させていただいた。
ゲイものとBLは違う。
同性愛の行為があるからといってBLとは限らない。
上司と部下など、シュチュエーションが大事なので、最初にプロフィールをきちんと説明する。
一棒一穴主義の純愛や、恋愛に対しては純情で仕事に対しては一生懸命、などが好まれる。
読者はそれぞれ萌えポイントが違うが、「切なさ」が重要。
男は女に憧れないが、女は男に憧れるのでBLが好まれるのではないか。
男の人に対して、自分がタチになれるという少女漫画では味わえない楽しみがある。
BL好きは、紡木たく「ホットロード」が好きではない・・・

などなど、へぇ~ボタンを連打しながら読んだのだ。

そして、私がBLに萌えない最大の理由は「BLの文法を理解していないから」だとこの本を読んでわかった。
少女漫画には少女漫画の、少年誌には少年誌の、細かく言えば少年ジャンプには少年ジャンプの、ローカルルール・お約束があり、それを理解していないと読んでも本質がわからないのだという。
つまり、私が読んできた漫画はBLにつながる系譜ではなかったので、BLの文法が理解できていないため、読んでも本当の面白さを理解できないから興味を持てないということだ。

確かに、兄の影響で読んでいた少年漫画がおもしろくて、「マカロニほうれん荘」「1・2の三四郎」が好きだったし、初めて書いたファンレターは 柳沢みきおさん だった。
そのほかはギャグやスポ根ものが好きだった。
「ホットロード」を好きになれなかったところは一緒なのだが。
大人になってからは、「龍-RON-」「JIN-仁-」のような本を好んで読んだ。
そういうジャンルばかり読んでいたから、BLが理解できないのは当たり前なのだ。

何事も練習やトレーニングが必要なように、BLを楽しむためにはBLにつながる系譜の漫画を読んで練習を積む必要があったのだ。
自然とBLの文法を理解できるように。

他にも、
想像の世界の恋愛よりも、目の前のリアル恋愛の方が楽しかったし、奥深い「フランス映画」より何も考えないで楽しめる「ハリウッド映画」が好きとか、そういう趣味や性格の違いもあるのだろう。


【この本を読んでの私なりの結論】
私はBLを読み解くための知識を有していないためBLに萌えることができない。  

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