2012年9月29日土曜日

春期限定いちごタルト事件

春期限定いちごタルト事件
米澤穂信著
創元推理文庫

事件、男子高校生と女子高生、スイーツ、そして青春!



小鳩くんと小佐内さんは、同じ高校に通う高校1年生。
二人は慎ましい「小市民」を目指し、目立たないように日々暮らしている。
・・・つもりなのだが、二人の周りではちょっとした事件が頻発してしまう。

事件といってもポシェットが無くなったとか、試験中にドリンクのビンが割れたとか、身近な謎ばかりで気軽に読めるのが嬉しい。

「小市民」を目指しているならば、謎になぞ立ち向かわなければいいのに、なぜか巻き込まれてしまい謎を推理してしまうのである。

二人がなぜ「小市民」を目指しているのか。
中学時代のある出来事がきっかけらしいとほのめかすだけで、この巻では明かされていない。
また、小鳩くんと小佐内さんは、恋愛関係ではなくお互い助け合う約束をしているだけなのだが、そこは若い男と女なのだから、恋愛に発展していく・・・かもしれない。

事件は解決するが、そんな二人の過去と未来が気になるまま終わってしまうので、気になって次も読みたくなってしまう。

小山内さんは大の甘いもの好きで、特にストレスが溜まるとケーキバイキングに行って食べまくったりと、要所要所でスイーツが出てくるのもポイントだ。
遠い青春時代を思い出しながら、気軽に楽しめる一冊だった。

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