2011年12月21日水曜日

SEX会話力

SEX会話力
溜池ゴロー著
小学館101新書

題名は刺激的だが、著者の人生訓がギュッと詰まった一冊。草食系男子にこそ読んでもらいたい。



著者は、1964年生まれで明治大学法学部を卒業後、800本近いAVを撮ってきた監督。

著者の言う「会話力」とは、相手を理解しようとする力・コミュニケーション能力のことだと
私は理解している。

最近よくあるハウツー本(読んだことはないが)の著者たちと溜池氏とは決定的な違いがあるという。
医師やセラピストは学術的・医学的な解説をするが、実践面で弱い。
男優やマッサージ師は体験の豊富さから実践的な解説をする。
ところが、彼らは自分以外の男女の実践の場をあまり見ないので、
男目線で独りよがりになりがちである。
そこへ行くと監督業は、男と女両方の立場を客観的に観察・分析をすることができると、
著者ご本人はおっしゃる。
言われてみればなるほどと納得する。
この本は技術の話ではない、そんな著者が女性への溢れる愛を語った本である。

構成的には、著者の半生、女性に対する姿勢・人生訓、業界コラム、妻との対談となっている。
さすが百戦錬磨の方だけあって、女性の気持ちをよく理解し、大切に想ってくれるということが
よくわかる。

自信満々で強くカッコよく見せようと思う男ほど、カッコ悪い。
わからないことはわからないと言い、コンプレックスもさらけ出して
女性に真摯に向かい合うことが大切と著者は説く。
その通り!と拍手を送りたい。
知らない土地で道に迷った時、一人であれこれ悩むより、人に聞くのが一番近道なのに、
お店で商品について店員さんに聞けばよくわかるのに、
恥ずかしい・そんなことも知らないのと馬鹿にされるのではないかと思ってしまう人も多いと思う。
しかし、自分をさらけ出すと心も楽になる。そして相手も心を開きやすくなる。
そう著者は言いたいのだ。

長年連れ添った妻に著者の言うことを実践しても、浮気を疑われるか、
何を今更と蹴飛ばされるか・・・
それより、急に妻に優しくすることは心情的に難しいだろうと女の私でも思う。

だからこそ、まだ若い未婚の草食系男子にこそ読んでもらい、将来的に実践してほしい。

だからと言って、女性は無条件に素晴らしいとも思わない。
相手をよく観察し、思いやることは男女問わず大切なことだと改めて思う。
「観察して慮ることが、コミュニケーションの基本です。」と著者は言う。
恋愛だけでなく他人と円滑な関係を築くことは社会上重要なことであろう。
ビジネスでも応用できそうな極意である。

1 件のコメント:

  1. 私も読み始めましたが、電車の中では周りの目が気になり読めないのが悩み。家でコッソリ読みます。

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