2013年10月24日木曜日

きみは白鳥の死体を踏んだことがあるか(下駄で)

宮藤官九郎著
太田出版

男子高校生の脳内を覗いてみたら・・・思いっきりくだらなかった!!クドカンの自伝的小説。



この笑っていいのかどうか戸惑ってしまう長いタイトル「きみは白鳥の死体を踏んだことがあるか(下駄で)」は、「あまちゃん」の脚本を担当した宮藤官九郎さんの初小説である。
自伝的小説でもあり、体験した恥ずかしい話を虚実織り交ぜ「虚8実2」ぐらいで書いた「恥小説」でもあるという。

「宝島」を愛読し、「たけし軍団」に入ることを夢見ながら、ビートたけしのオールナイトニッポンにせっせとネタを投稿している少年が、宮城県北部にあるバンカラな高校に入学した。
その高校は、「質実剛健」をモットーにしており、腰から手ぬぐいを下げ、冬でも下駄を履いて登校するという風習が残っていた。
挨拶はもちろん「押忍!」。
そんな高校で、バスケ部に入るが練習はサボりがち、エレキギターを買うが弾けないコードがある、友達は次々に彼女を作っていく・・・
モテたいのにモテない・冴えない少年が、「白鳥おじさん」と交流したり、下ネタを妄想したりしながら成長していく物語である。

男子高校生の脳内を覗いているような小説で、バカバカしい!くっだらない!と思いながらも笑ってしまう面白さがある。
「あまちゃん」と同じく、「夕やけニャンニャン」「ゲームウォッチ」など80年代の小ネタがたくさん散りばめられていて、その年代を知っている者としてはとても懐かしさを感じた。
クドカンの、そして「あまちゃん」の原点が少しだけわかったような気がして、クドカンファンとしてはくだらないながらも読んでよかったと思える一冊だった。
お忙しいでしょうが、続編として「くだらない大学生活」編も書いてくれないかな?

※たくさんある黒歴史の一つを告白しよう。
「ビートたけしのオールナイトニッポン」に、私も恥ずかしながら中学生の時に1度だけ投稿したことがある。聴こうと思っても起きていられず寝てしまうのが常だったので、採用されたかどうかはわからないが、たぶんボツだっただろう。お恥ずかしい出来だったから・・・
投稿したネタは「佐渡ヶ島のマゾ」です。皆様ご内密に。

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