2013年1月8日火曜日

亀のひみつ

亀のひみつ
田中美穂著
WAVE出版




亀がこんなにも愛おしい生き物だったなんて。
 
 


童謡「うさぎとかめ」で、「世界のうちにお前ほど歩みののろいものはない」と決めつけられている亀。
失礼ながら、今までそんな亀さんについて真剣に考えたことはなかったなぁ。
亀の甲羅の模様がどうなっているか細かく思い浮かべることはできなかったし、ましてや甲羅の中がどうなっているのかなんて想像もつかなかった。

本書は岡山で古本屋「蟲文庫」 を営む著者が、亀8匹との暮らしを写真とともに紹介したものである。

ホームセンターで700円也だったサヨイチくん(クサガメ♂)。
狭い水槽から出たがってガタゴトうるさく動き回るのに耐えかねて外へ出してから、お店を始め自由に動き回る亀たち。
畳の上に亀。
布団の間に亀。
一緒に飼っている猫が大好きで、かまって欲しくて待ち伏せする亀。
飼い猫に鬱陶しがられながらも、必死で追いかける亀。
トイレまで覗かれて閉口する猫。
なんともシュールで可愛らしい写真がたくさん掲載されている。

生まれた時にはヘソがある。
産み付けられた場所(環境)によりオスメスが決まる。
太りすぎると甲羅におさまらないことがある。
そんなこと知らなかった。

亀ってこんなに可愛いの!
亀ってこんなに賢いの!
亀ってこんなにも愛おしい生き物だったの!
是非ともそんなかわいい亀を飼いたい!
読んでいるとそう思わずにはいられない。

しかし、そんな安直な考えの読者に著者は警鐘を鳴らす。
長寿というイメージから飼いやすくて丈夫と誤解されがちですが、亀は、それほど飼いやすくもなければ、丈夫でもありません。
それなりの設備と日々の細やかな努力に愛情そして想像力が必要になります。
亀を可愛がるということはすなわち「快適な環境を整え、したいようにしている様子を見守る。」と考えるくらいがベストです。

その他、様々な亀の種類(本当に色々!)や亀の生態も載っていて、亀好きの方が読んだら目がハート♡になること間違いなしだ。
亀に興味がない方が読んでも、きっと亀のことが好きになるだろうおススメの一冊である。

0 件のコメント:

コメントを投稿

閲覧ありがとうございます。コメントしてくださったらうれしいです。