2012年4月4日水曜日

バカな研究を嗤うな 寄生虫博士の90%おかしな人生力

バカな研究を嗤うな 寄生虫博士の90%おかしな人生力
藤田紘一郎著
技術評論社

「寄生虫博士」として有名な著者の半生を振り返った一代記。世界中からウンコを集め、お腹にサナダムシを飼い、変わり者扱いされてもひるまない強さの源とは?



(著者に倣ってウンコと呼ばせていただきます。)

1933年生まれの医学博士である著者が半生を振り返った本。

「笑うカイチュウ」などのちょっと変わった著作がある著者。
世界70ヶ国、総数10万個のウンコを集め、衛生第一の医学界で寄生虫のよさを訴える。
変わり者扱いされても仕方がないのかもしれない。
でも、著者は怯まず、人とは少しずれた道を邁進するのである。
その強さ・原動力はどこから来るのだろうか。

終戦前に満州から、発熱・栄養失調になりながら命からがら帰国し、東京大空襲に遭遇。
父親が結核療養所の副所長であったことから、療養所内の宿舎に住み、いじめにあう。
家族の愛にも恵まれず、お手伝いさんから性的いたずらを受ける。
そんな過酷な経験を経た著者だからなのかもしれない。

フィラリア研究の教授とトイレで会い、熱帯病の調査を頼まれたのがウンのつき。
整形外科医を目指していた著者の運命が、大きく変わった瞬間でもあった。

インドネシアに滞在し、ウンコがプカプカ浮いている川で体を洗い、遊び、洗濯をしても感染症やアトピーになりにくい人々を目にして、キレイ・キタナイとは何だろうかと衝撃を受ける。

そんな著者の半生が語られている良書であった。

興味深い研究内容も書かれていた。
例えば、戦前の日本人のウンコは1日350~400gであったが、今では150~200gに減少している。
そして、食物繊維の摂取量が多い国ほど、自殺率が低いという。

血液型により性格や免疫力に違いが出るという考察も、面白いと感じた。

それにしても、花粉症も治り、ダイエットもできて、なおかつ心が穏やかになるというサナダムシ。
ザリガニやミミズをペットにするのもいいけれど、おなかの中にサナダムシも飼ってみたいなぁ。

0 件のコメント:

コメントを投稿

閲覧ありがとうございます。コメントしてくださったらうれしいです。