越谷オサム著
新潮社
津軽弁のメイドさん・いとちゃんも高校3年生。旅立ちの時がやってきた!!
いとちゃん。
あなたが青森市にある「津軽メイド珈琲店」で、人見知りを直そうとメイドさんのアルバイトを始めたのは、高校1年生の時でしたね。
お祖母ちゃん譲りの津軽弁丸出しで、その上口下手ということもあって、当初は失敗の連続でした。
いとちゃんのぎこちない接客に、私もハラハラしながら心配していたんですよ。
そんないとちゃんも、もう高校3年生。
相変わらず人見知りで「おがえりなさいませ、ごスずん様」と訛ってしまうけど、少しずつ自分の思ったことを口に出せるようになってきました。
新しく入ってきた傍若無人な後輩に意見したときは、あのいとちゃんがここまで成長したんだと、本当にびっくりしました。
だけど、高1から見守ってきた私は感慨にふける一方、なんだかいとちゃんが遠くに行ってしまったようで寂しさを感じてしまったことも事実です。
ああ、旅立ちの時にこんな事言ってはいけませんね。
いとちゃんは本当に周りの人に恵まれました。
メイド喫茶で働くことに大反対だったけれど、今では応援してくれているお父さん。
動画サイトで有名になり検索ワードランキングの上位に食い込んでしまったお祖母ちゃん。
それに、家族になったばっかりとは思えないほど仲のいい店長一家や、メイド仲間たち。
すっかり親友になった写真部の仲間や先生。
そして、気は優しくて力持ちのあの後輩。
彼らは、いとちゃんのそのひたむきな情熱と優しい気持ちがあったからこそ、応援してくれるのだと思います。
いとちゃんが自分の力で呼び寄せた応援団なのです。
きっと新天地でもいとちゃんの理解者が自然と集まってくるでしょうから、心配せず一歩を踏み出してください。
ミニコンサートで、お祖母ちゃん譲りのアレンジ自在な津軽三味線が聞けなくなるのは残念ですが、いとちゃんの後継者も育ちつつあるので楽しみです。
私には見えます。
いとちゃんが、青森の地域活性のため、三味線片手に立ち上がる姿が。
そして、もじもじしながら笑いあう幸せな家庭が。
いとちゃん、優しい時間をありがとう。
またいつかどこかでお会いできるのを楽しみにしています。
いとちゃんを3年間見守ってきたファンのおばさんより。
0 件のコメント:
コメントを投稿
閲覧ありがとうございます。コメントしてくださったらうれしいです。