2014年6月16日月曜日

まほろ駅前狂騒曲

三浦しをん著
文藝春秋

このコンビはやっぱり最強だっ!まほろ駅前で便利屋を営む多田と行天の物語。




まほろ駅前で便利屋を営む多田のもとに、高校の同級生だった行天が転がり込み、ドタバタ騒ぎが巻き起こる人気シリーズの3作目である。

かつて「まほろ市民」だった私としては、このシリーズは外せない。
しかし、脇役たちにスポットを当てた前作「まほろ駅前番外地」を読んでちょっとがっかりしたことも事実である。
言い方は悪いが、エピソードの羅列のように感じられ、小説としては面白みがなかったのだ。(あっ、言っちゃった!)

だから、本書「まほろ駅前狂騒曲」はあまり期待せずに読み始めたのだが、やっぱり多田と行天のコンビは最強だった。

今回は、多田と行天が小さな女の子を預かることになって「狂騒曲」が始まっていく。
しかもその女の子とは、子供嫌いな行天の遺伝上の娘なのだ。
無農薬野菜を販売している胡散臭い団体や、老人たちのバスジャック事件なども絡み、相変わらずまほろ駅前は、騒がしい。
そしてなんと多田の恋愛に進展が!!

あらすじだけ読むと大騒ぎしているだけのような物語だが、多田と行天二人の悲しい過去や心の闇が絡んでいるため、単なるドタバタコメディでは終わらない。
あちこちで起こる騒動を上手くまとめ上げ、感動のエッセンスを振りまいてくれるのだから、このシリーズはやめられないのである。

表面的には、
行天のことを「いつまで居座る気だろうか」と鬱陶しく思う多田。
足手まといのような存在の行天。
掛け合い漫才のような二人だが、お互いにかけがえのない存在だと気づき始めているのではないだろうか。

ああ、早く続きが読みたい。
またまほろ駅前で二人に会いたい。
と読んだ直後なのに思ってしまうのである。

  。.:♦♥♦:.。。.:♦♥♦:.。。.:♦♥♦:.。。.:♦♥♦:.。。.:♦♥♦:.。。.:♦♥♦:.。。.

小説に人物の挿絵は必要ない、いや、余計なものだと考えていた。
読者それぞれが、頭の中で好きなようにイメージできるのが読書の楽しみだと思うからだ。

このシリーズも瑛太と松田龍平のコンビで映画化・ドラマ化されているのは知っていたが、観ていないので、自分なりに登場人物たちをイメージしていた。

前2作は文庫本で読んでいたためイラストはなかったのだが、今回初めて単行本で読んだところ、多田や行天はじめ登場人物のイラストがいくつか掲載されていた。
しかし、こ、これは反則だぁ。
カッコ良すぎるではないかっ!特に行天!
私はどちらかというと影がある文化系男子より、明るく逞しい肉体派の体育会系男子が好みなのに。
物語が好きで読んでいたのに。
これでは惚れてまうやないか!
一旦惚れてしまったら、冷静に読めなくなってしまうのになぁ。
(´-ω-`)

結論
登場人物のイラストは、自分好みのイケメンに限りOKである。
(→なんてワガママな!)

0 件のコメント:

コメントを投稿

閲覧ありがとうございます。コメントしてくださったらうれしいです。