2011年8月29日月曜日

憚りながら

憚りながら
後藤 忠政著
宝島社文庫

山口組系の大物元組長の自叙伝。生い立ち・抗争・引退そして得度へと、波乱の半生をしゃべり言葉で綴った迫力の生きざま。すごい。





武闘派で知られた山口組系「後藤組」の元組長。

極貧の生い立ち、富士宮での愚連隊時代、兄弟のこと、
創価学会との攻防、大物右翼の野村秋介との出会いとつきあい、
渡米しての肝移植、そして得度。
また、文庫化に際して書き加えた東日本大震災のこと。

13章からなる迫力の自叙伝。


やっぱり、どんな組織であろうと、上まで登る人はすごい。

その筋の方を最近は見かけることすらしない生活をしている私。
実際お会いしたら、オーラがすごいのではと想像してみる。
一度お話しできたら・・・無理だけど。

本来任侠とは、自警団や用心棒のようなもので、警察も黙認してある意味頼っていたはず。
それが、愚連隊・経済やくざなどと多様化し、素人さんに迷惑をかける組員くずれが増え
形が変わってきたのだろう。
窃盗、強盗、薬物などは、下っ端や、破門された元組員がやっているんだろうけど、
余計イメージが悪くなる。
後藤氏も言っていたが、秋葉原の事件や、幼女の事件など、理解しがたい事件をたくさんの堅気が起こしている。
やくざが必要悪であった時代はとっくに終わっているんだろうけど、
やくざのみが諸悪の根源というのとも違うような気がする。

暴対法もできて、それはそれはその筋の方々には行きにくい世の中なのでしょう。
現在、ここまで締め付けているとは。ヤクザと知って、取引をしただけで、とがめられるなんて。


奥さんもすごい。ほんまもんの「極妻」。かっこいいと言ってはいけないのかもしれないが、
かっこいいと感じた。

元組長の話し言葉で書かれていて、業界用語も少しだけ勉強できる。
合間に解説が挟まれているのもわかりやすくて、読みやすかった。

自慢話に聞こえてしまうのは仕方のないことでしょう。

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