2011年8月21日日曜日

大泥棒 「忍びの弥三郎日記」に賊たちの技と人生を読む

大泥棒 「忍びの弥三郎日記」に賊たちの技と人生を読む
清水 賢二著
東洋経済新報社

警視庁科研室長出身の著者が、実在の賊(単なる盗人とは違うらしい)である「忍びの弥三郎」が書いた獄中日記を解説。
同じく賊である「猿の義ちゃん(まししらのぎちゃん)」の裏から見た解説を加えた貴重な本。




著者は、「興味本位に読んでほしくない」というが、こんな面白そうな本興味持たずにいられるかと、興味しんしんで読み始めた私。

義ちゃんの忍び込み実験(写真入り)の人間離れした技に感嘆し、驚愕した。
泥棒に関してど素人の私は単に、玄関は避けて、リビングの掃き出し窓や、鍵をかけ忘れたお風呂やトイレの窓から入って行くんだろうなと漠然と考えていたら、甘い甘い。
隣家の屋根から飛び移る・・・などなど、オリンピック選手かと思うほどの身体能力。
そして、高度な知恵。

こんなプロの賊に狙われたら、素人さんの家なんかひとたまりもない。
へぇー、すごいなぁ、なるほど、と気楽に読んでいたけれど、だんだん、怖くなり、最後には戦慄。
今までも戸締りはちゃんとしていたつもりだけど、今まで以上に注意深くなりそう。

「研究書」と銘打っているだけあって、最初は定義等にページを費やしていて、退屈な人もいるかも。
また、獄中日記は、文体が読みにくい。
だけど、内容的には読みごたえがあり、面白い。
ぜひ「猿の義ちゃん」の自伝を出版してほしい。

ただ、犯罪防止のため、肝心なところ(おカネの隠し場所など)が伏せ字になっているのは、仕方ないが、惜しい。

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