2014年5月25日日曜日

まぐだら屋のマリア

原田マハ著
幻冬舎

海沿いの寂れた町にある食堂「まぐだら屋」。そこには、互いの過去をさぐり合わない人々が集まっていた。原田マハさんの再生小説。





高級料亭で厳しい修行に耐えていた紫紋は、ある事件をきっかけに住んでいた寮を飛び出し、死に場所を求めさまよう。
所持金が尽きたところでバスを降りると、そこは尽果(つきはて)という寂れた海辺の町だった。
フラフラと「まぐだら屋」という名前の食堂にたどり着き、手伝うことになる。
「まぐだら屋」では、明るい笑顔のマリアという女性が働いていた。
紫紋と同じくマリアにも暗い過去がありそうだが、お互い過去をさぐり合わず、月日が過ぎていく。

傷ついた人々が尽果という町で静かに癒されながら、自分の過去と向き合う決意をしていく、そういう物語である。

「まぐだら」とは、
マグロとタラをかけあわせたような世にも美味な魚「マグダラ」を食べるとどんな病気も治る、尽き果てかけた命も救われる・・・
という伝説から来ている。

感動的な話、なのだと思う。
癒され、勇気を与えてもらう話、でもあるだろう。
私もそう思い、夢中で読みふけった、途中までは。
でも、マリアの過去が明かされると、途端に興ざめしてしまったのだ。

よくありがちな過去が、あらすじのように語られていて、言い方は悪いが陳腐すぎるのでは?と思ってしまった。
そうなると、他も気になってくる。
「マグダラのマリア」を意識したのだろうが、マグロとタラをかけあわせて「マグダラ」って(。-_-。)
登場人物が、紫紋(シモン)に丸弧(マルコ)に与羽(ヨハネ)って。
勤務先の産地偽装・食材使い回しも、どこかで聞いたことある事件だし。

原田マハさんの再生小説は好きなんだけど、いい話なんだけど、入り込めなくて残念。
読むタイミングが合わなかったのかなぁ。
違う時に読んだら、私だって素直に感動できたかもしれない。

また、母親と二人暮らしで長年引きこもりだった少年が出てくるのだが、つい最近読んだ話とエピソードがそっくりだった。
でも、どの小説とそっくりなのか全く思い出せず゚(゚´Д`゚)゚
過去のレビューを見てもそれらしきものは見当たらず、困っている。
週刊誌で読んだ小説かも?
どなたか「母と二人暮らしの引きこもり少年が再出発する話」(たぶん短編)をご存知でしたら教えてください。

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