2014年3月18日火曜日

代書屋ミクラ

松崎有里著
光文社
 
泣き虫の妄想王子、只今参上!!あなたはこんな王子様お好きですか? 
 
 
 


主人公のミクラは代書屋さん。
研究者たちの論文の執筆を代行するのが仕事です。
講義や試験、それに会議や学会で忙しい、文章を書くのが苦手、怠惰・・・
研究者たちは様々な理由で代書屋さんに依頼します。

ミクラはまだ駆け出しのペーペーです。
だから先輩代書屋さんのトキトーさんに、よく仕事を紹介してもらっています。
でも、トキトーさんが紹介する仕事って何かしら難点があるのです。
高飛車な態度をとられたり、薄毛を必要以上に気にする研究者だったり・・・

本書は、5話からなるユルユルとした不思議な雰囲気の連作短編集です。
この主人公のミクラがとってもかわいいのです。
20代男性をかわいいと言うのもちょっとヘンですが(^^;

ミクラは気が弱く、研究者たちの理不尽な要求に文句も言えず黙って従います。
脳内では激しく妄想していますが。
また、若くして亡くなった過去の数学者の経歴を読んだだけで「きっと結婚したかったんだろうな。」と泣いてしまうほど、とても涙もろいのです。
そして、ちょっとしたことから妄想が始まり、脳内劇場を開幕してしまう 妄想王子なのです!
自分で作り出した「アカラさま」という神様や、サボテンと会話しながら妄想が炸裂していきます。

ある方が「キュンキュンして癒され悶える本」とおっしゃっていたので、いい男大好きな私は、猛烈に読みたくなって手に取りました。
キュンキュンしなかったらどうしようと不安を抱えながら。

結論から言うと、「かわいい」「いい子」とは思うものの、残念ながらミクラにキュンキュンすることはできませんでした。
個人的には、優しくて、それでいてもっと肉体派の強い男、男性ホルモンがムンムンしているような男が好みなのです。
具体的には・・・(長くなるので以下自粛。)

その点、このミクラはちょっと頼りなさすぎます。
好感は持てますが、かわいい弟、かわいい息子のように感じて、恋愛目線でみることはできなかったのです。

それと私は一人の女を想い続ける一途な男が好きなのですが、ミクラはとっても惚れっぽいのです。
お花屋さん、床屋さん、パン屋さん・・・次々と恋に落ちては妄想し玉砕する・・・
お前は寅さんかっ!!と突っ込みたくなるほどです。
移り気すぎて、ちょっと残念に思いました。

なんだか私の理想のタイプを発表する場みたいになってしまいましたが、あなたはこんな妄想王子どう思われますか?

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