2013年12月24日火曜日

人生、行きがかりじょう――全部ゆるしてゴキゲンに

バッキー井上著
ミシマ社

君はバッキー井上を知っているか?自称スパイ・忍び・手練れであり、漬物屋・居酒屋の店主でもあり、時折コラムを書く男。その正体は・・・?





皆様、毎日ゴキゲンに過ごしていますか?
私はいつもゴキゲンな乙女でいたいと願っていますが、悲しいニュースを見聞きして胸を痛め、あまりの忙しさにイライラし、体重計を見てはため息をつく日々を送っています。
四六時中ゴキゲンでいることは、なかなか難しいことではないでしょうか。

毎日ゴキゲンに暮らし、周りの人もゴキゲンにさせてしまう・・・そんな人物がこの「人生、行きがかりじょう」の主役であるバッキー井上さんです。

取次を介さず書店と直接取引を行う新進気鋭のミシマ社が、7周年記念の一環として「人生の達人たち」の声を集めた「22世紀を生きる」というシリーズを創刊し、その第一弾として出版されたものが本書です。
バッキーさんが語りかけるようにご自分の人生について語っていて、肩肘張らずに生きていくヒントのようなものがギュッと詰まっています。

本名・井上英男。1959年京都生まれ。
水道屋さんで働いたあと、広告代理店に転職しその後独立。
37歳で漬物屋さんを開業し、さらに居酒屋「百練」も始める。
酒場に関するコラムを書く「酒場ライター」として雑誌に執筆もしている。
自称スパイ・忍び・手練れ・・・
こうやって経歴を並べたところで、正体不明な人物だと思われるだけでバッキーさんの魅力は伝えられません。

歯医者さんでも「バッキーさん」と呼ばれ、待合室で「外人かよ」という目で見られる。
ワンピースを着て踊る画家として「ぴあ」に載った。
ヤクザともめて刺される・・・爪楊枝で。
などなど、過去のエピソードからもバッキーさんの凄さを伝えることはできません。

バッキーさんの凄いところはその生き方にあるのです。
本書を読んで私が感じた彼の印象を一言で言うならば、「西川のりおに似ている!」・・・ではなくて「自分を持っていて尚且つ柔軟な方だなぁ」ということです。
あと、「得体の知れない人物」だけど「24時間バッキーさん」しかも「色気のあるおっさん」でもあります。
(あっ!一言じゃなくなっちゃった。)
気負わず力を抜いて流れに身を任せながらも、どんな時でもどんな場所でもバッキーさんらしく生きている方・・・それがバッキーさんなのです。

誰でも生きていたら、失敗も苦しいことも悲しいこともあります。
それを全部オッケーにしてゴキゲンに生きていく・・・なんて「人間力」の高い方なんでしょうか。
こういう方が人生の成功者なんじゃないかなと私は思うのです。
私も今さらお金持ちにはなれないでしょうが、ゴキゲンに暮らす「人生の成功者」には考え方を変えるだけでなれるような気がします。

年の瀬も押し迫りますます気忙しくなりましたが、バッキーさんのように肩の力を抜いてゴキゲンに毎日過ごしていきたいものです。

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