2013年12月19日木曜日

女子漂流 ーうさぎとしをんのないしょのはなしー

中村うさぎ・三浦しをん著
毎日新聞社

男子禁制、女の花園。うさぎさんとしをんさん、最強コンビが送るちょっぴり暴走気味の対談集。




私は女子校出身です。
「女子校は清らかで美しい」という幻想を抱く方は今さらいらっしゃらないでしょう。
通っていた学校は、それはもう個性豊かな男前の女子ばかりで、毎日がお祭り騒ぎの楽しい高校生活でした。
授業中、新婚の先生に寄ってたかって根掘り葉掘り新婚生活についての突っ込んだ質問をしたり、学食にアイスやお菓子が置いてないのはおかしいと一致団結して学校側に働きかけたりと、たくさんのいい想い出があります。
だから、女子高は嫌だと思ったこともなかったですし、娘ができたら共学に通って欲しいという希望もありませんでした。

でもこの「女子漂流」で、「女子校出身者は共学出身者と違って、ズケズケした言い方をする」・・・そんな文章を読んでドキッとしたのです。
そうかもしれないなと思い当たる節があったからです。

本書は、女を分析したらピカイチの中村うさぎさんと、オタクっぷりは誰にも負けない三浦しをんさんという、今をときめく最強のお二人がタッグを組んだ対談集です。

お二人共女子校出身ということで、「女子校の女子」について語ったり、汚部屋で暮らす「女子の日常」を暴露し合ったりと、楽しい会話が続きます。
さすがのお二人ですから、「なるほど」と頷くようなことや、モヤモヤを晴らしてくれる目からウロコの分析が満載で、観察力が鋭いなぁと感心しきりでした。

そしてなんといってもお二人の本領が発揮される分野が「女子の恋愛」や「女子のエロ」なのです。
女にユーモアを求めている男なんていないのだから、男の会話に面白く切り返すのではなく、「へー、そうなんですかぁ」「すご~い」と言っていればいい。
そうだったのか!私が大学時代全然モテず、男子たちと同志のような関係になってしまったのは、おだてる事ができなかったからだったのだ。(違うかも・・・)

・保健体育のテストで「精液の色は?1.白2.赤3.緑4.黄色」という選択問題が出された。
・外人男性のヌードカレンダー(ノーカット)をみんなでキャッキャ言いながら見た。

暴走するそんな会話に大笑いしながら、ふと我に返って気付いたのです。
みうらじゅんさんと宮藤官九郎さんの対談集『どうして人はキスをしたくなるんだろう?』を読んで彼らの暴走するやんちゃぶりに、「もういい加減にしなさい」と言いたくなってしまったのですが、殿方がこの本を読んだら同じように呆れて「女って怖い」と幻滅するのではないでしょうか。
ということは、「結局男と女、どっちもどっちなのだ」という結論に達したのです。

・男は視覚的な性的記号に発情するが、女は関係性やシチュエーションに発情する。
・あなたがモテないのは、顔やお金がないせいではありません。
こういった所は、殿方たちの参考になるのではないでしょうか。

大いに共感したのが、「女はただ愚痴りたいだけ」の時があるということです。
そうなのです。
友人たちにもたくさんいますが、相談を持ちかけられても結局は本人が既に結論を出していたり、愚痴りたいだけだったりすることが多いのです。
ですから、殿方の皆様。
女性から相談を持ちかけられても、論理的に結論を導き出そうとはせず、「そうだね」と共感しながら話を聞いてあげてください。お願いします。

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