2013年7月18日木曜日

現実入門―ほんとにみんなこんなことを?

穂村弘著
光文社

人生の経験値が極端に低いという穂村さんが挑む体験エッセイ。



穂村さんのことは、書評サイトで何度も目にしていたので、とても親しみを感じていた。
でも実は、角田光代さんと恋愛について語ったリレーエッセイ「異性」 しか読んだことがなかったのだ。
そしてついに、ずっと読みたかったこの本を手に取ることができた。
初めて読む本なのになぜか再読している気になりながら・・・

穂村さんは海外旅行も独り暮らしも結婚もしたことがなく、人生の経験値が極端に低いのだという。
そんな穂村さんに編集者のサクマさんが、未経験のことを体験し感想を書くという「体験エッセイ」を依頼するところから本書は始まる。
サクマさんは美人で、仕事熱心で、TOEIC900点オーバーのできる編集者だ。(穂村さん談)

初体験にドキドキしている穂村さんにクールビューティーな(たぶん)サクマさんが付き添うというパターンで様々なことに挑戦していく。

献血ルームで献血したり、モデルルームを見学しに行ったり、どのように扱っていいかわからないから子供が苦手と言いながら一日お父さんを体験する。
ブライダルフェスタの模擬挙式では、嘘の結婚式ごっこなんだとわかっていながら感動の涙を流してしまう穂村さん。
ああ、穂村さん!
そこが穂村さんらしくて、とりこになってしまうではないか!

そして、すっかり名コンビになった2人は「アカスリ」と「ムームー着用」に挑戦するため健康ランドに向かい、フロントでテーマ曲を歌うと500円引きになると言われる。
そんな所、本当にあるのだろうか。
あるんだろうな、穂村さんは一生懸命歌ったらしいから。
音痴の私だったらそういう状況で歌えるだろうか?
たぶん、500円のために必死に歌うだろうなぁ。

本書を読めば、行間からにじみ出る人の良さに、誰もが「穂村さん頑張って」と声をかけたくなることだろう。
でも、実は穂村さんたら気が弱そうに見えて、意外と○○なんだから!
穂村さんやるなぁ・・・

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