2013年2月15日金曜日

昭和 台所なつかし図鑑

昭和 台所なつかし図鑑
小泉和子著
平凡社

見たことも使ったこともないけれど、なぜか懐かしい台所用品の数々。



本書は、昭和のくらし博物館 の館長をされている小泉和子さん(Wikipedia )が、昭和20年前後に使われていた台所とその道具について解説したものである。

現在でも使われている道具も掲載されているが、ほとんどは今ではあまり見かけなくなってしまった道具だ。

掲載されている道具を勝手に分類してみると・・・

今も使っているが形や機能がだいぶ変わったもの
まな板:分厚く脚がついていて、大きな下駄のように見える。
冷蔵庫:木製で中に氷を入れて冷やすタイプ。今見ると家具調のおしゃれなインテリアにもなりそうだ。

今ではほとんど見かけないもの
マッチ:台所には欠かせないものだったが、今はライターに取って代わっている。
ご近所から食べ物をもらい器を返す際、お礼がわりにたいていマッチを添えたという。
⇒これを「おうつり」というそうだ。
砥石:父が砥石で研いでいるのを見たことがあるが、私はやったことがない。

見たことも聞いたこともなかったもの
ちりんちりん:台所のゴミを収集する大八車。
鋳掛屋(いかけや):鍋ややかんにひびが入ったり穴があいたのを直す商売。

また、雪平鍋とはよくあるアルミ製の片手鍋のことだと思っていたが、本来は取っ手と注ぎ口がついた蓋付の土鍋なのだという。

その他計40種の道具について、写真とともに解説されている。

誰もが台所はジメジメしていて、暗くて、寒くて、不便で当たり前だと思っていた時代。
女は一日中台所で働き続けなければならないほど仕事の工程が多かった時代。
インスタント食品もコンビニもなかった時代。
好むと好まざるとにかかわらず、スローフードを食べていた時代。

今は米びつどころか、まな板・包丁がなくても困ることはない世の中になった。
60~70年ほど前のことなのにこれほど変化したのかと驚いた一冊だった。

※参考:小泉和子さん監修の「女中がいた昭和」

0 件のコメント:

コメントを投稿

閲覧ありがとうございます。コメントしてくださったらうれしいです。