2016年9月20日火曜日

どんなに体がかたい人でもベターッと開脚できるようになるすごい方法

この本を買って3ヶ月。毎日実践している私は開脚できたでしょうか?



この表紙の開脚、憧れませんか?
私はとても体が硬いのです。
だからこそ、昔から開脚して胸がベターッと床につく人に憧れてきました。

「死ぬまでにベターッができるようになるぞ!」と目標をたて、ここ10年以上ほぼ毎日ストレッチを続けています。
でも、ある程度は柔らかくなったものの、股関節が異常に硬く、どうしてもベターッとはなりません。
それでも細々とストレッチを続けていた私の目に飛び込んできたのが、この表紙です。
憧れのベターッができる!と、本屋さんで迷わず手に取り、買ったその日から毎日実践しています。

本書では、一週目、二週目と段階を踏みながら、四週間かけてベターッができるようになるストレッチの方法を、カラー写真でわかりやすく説明しています。

著者の動画も公開されているので、見ながらすると、なおわかりやすいと思います。

今まで色々なストレッチを試してきましたが、初めて聞く方法もありました。
特にドアを使ったものは、気持ちよく伸びてお気に入りです。

この本で特筆すべきは、本の綴じ方です。
どこのページを開いても、本のノドいっぱいに開き、閉じません。
新品でもそうなのです。
この点は、押さえなくても写真や解説を見ながらストレッチできるので、大変便利です。

けれどなんと!
開脚の定義は、「肘が床につくかどうか」だというではないですか!
それはずるいのではないでしょうか?
表紙の写真のようになりたくて購入したのに!
私も調子がいいときは肘がつきますし!

その上、ストレッチの解説は10ページほどで終わり、「開脚できたら人生はこんなに素晴らしい!」という内容の小説が続くのです。
この小説が読みたくて、こういった本を購入する人はいないだろうに(-_-;)

さて、そうは言っても真面目に取り組んでいる私ですが……

四週間なんて待ってられない、すぐに効果を得たい!と、初日から全てのストレッチをして3ヶ月が過ぎました。
結果は、
残念ながらほとんど変わりません (>_<)
その前からずっとストレッチをしていたので、効果が表れにくいのだと思います。
もしかしたら、私は骨の形状上、脚が開かないタイプなのかもしれません。
「ベターッ」は一生無理なのでしょうか?

だからと言って、他の方に効果がないとは限りません。
この本をダンス仲間に回しているのですが、ベターッとはならないもののだいぶ柔らかくなった友人もいます。
普段ストレッチをしていない人、ベターッの潜在能力を秘めている人には、役に立つのではないでしょうか。

それでもストレッチは、怪我の予防・パフォーマンスの向上に必要です。
これからも私は「ベターッ」を夢見て、諦めずに毎日ストレッチを続けていくつもりです。

2016年9月15日木曜日

キョンキョンはトップアイドルで、私なんか校庭の片隅でひっそりと干からびているセミの脱け殻でしたから。



キョンキョンと言えば、まごうことなきかつてのトップアイドルですよね。
だけど私にとっては大好きだった「あまちゃん」の中で演じた、主人公の母親「春子」さんのイメージがいまだに強いのです。
あまロスから立ち直ったとはいえ、どんなドラマを見ても「あまちゃんとは比べ物にならない!」と思ってしまう後遺症が……
って、そういえば本の話でしたね f(^_^;

本書は雑誌「SWITCH」に「原宿百景」として連載されたエッセイに加筆修正されたものです。

デビュー前のヤンキー時代(!)の話、アイドル時代の話・恋愛の話など、ファン垂涎のエピソード満載です。
そしてそして、なんと!
「あまちゃん」のことも少しだけ載っているのです!

両親の離婚、肉親やペットの死、表題にもある黒い猫の衝撃など、辛い話・悲しい話・怖い話も多いのですが、不思議と湿っぽくは感じませんでした。
文章がサラッとしているのです。

それでも私の青春時代と重なるエピソードも多く、ノスタルジックな気分になりながら、読み終えたのでした。

キョンキョンの書く文章を初めて目にしたのは、読売新聞の書評欄でした。(書評委員を卒業されたのは残念です。)
あばずれ感半端なかった春子さん・かわいこちゃんとは一線を画していたとんがったアイドルの頃のイメージとは違って、優しい落ち着いた大人の女性という印象で、そのギャップに驚いたものでした。
本書も「ここまで赤裸々に!」とびっくりする箇所はありますが、優しい文章で芸能界の派手さを感じさせない、普通の感覚の方なんだなぁというのがよくわかります。

ところで、キョンキョンは賃貸契約の更新をしたことがないのだと言います
なぜなら、引っ越しても引っ越しても、ファンに見つかり騒がれて他の住人に文句言われて、大変なことになってしまうからだそうです。
さすが「なんてったってアイドル」、色々ご苦労があるんですね。

(タイトルの「セミの脱け殻」は、「あまちゃん」で片桐はいりさん扮するあんべちゃんのセリフをパクらせていただきました。)

2016年9月13日火曜日

クロコダイル路地1,2

皆川博子著
講談社

皆川博子さんが1930年生まれって知っていましたか?






フランス革命前後の動乱期を生きる人々を描いた長編小説。

視点が、貴族やブルジョワジー、貧民層と入れ替わりながら、一人称で語られていく物語です。

実在の人物や場所、歴史的事件を織りこみながら、フランス・イギリスにまたがって壮大な皆川ワールドが広がっていきます。
これは戦争の話でもあり、復讐劇でもあり、悲しい愛の物語(恋愛だけではなく)でもあります。
どんどん引き込まれ、長編ながらも一気読みでした。
悲惨で悲しい場面が続きますが、最後に希望の光が見えてくるところが皆川さんのやさしさなのではないでしょうか。

過去の皆川作品「開かせていただき光栄です」「アルモニカ・ディアボリカ」の登場人物たちが登場した時には、思わず「あっ!」と声をあげてしまいました。
そんなところもファンにとっては嬉しいことなのです。

でも。
えっと、言いにくいのですが、個人的には何か物足りなさを感じてしまいました。
物語の起伏が少ないところでしょうか?
それとも一人称で内面の描写が多いところ?
ファンとして期待度が高過ぎたのかもしれません。

だからと言って、この作品がつまらなかったわけではありません。
しばしの間、フランス革命前後のヨーロッパに連れていってもらったのですから。

この世界観は、皆川博子さんにしか書けないと思うのです。
皆川さん、1930年生まれの御年86歳。
ただただ驚くばかりです。