2016年9月15日木曜日

キョンキョンはトップアイドルで、私なんか校庭の片隅でひっそりと干からびているセミの脱け殻でしたから。



キョンキョンと言えば、まごうことなきかつてのトップアイドルですよね。
だけど私にとっては大好きだった「あまちゃん」の中で演じた、主人公の母親「春子」さんのイメージがいまだに強いのです。
あまロスから立ち直ったとはいえ、どんなドラマを見ても「あまちゃんとは比べ物にならない!」と思ってしまう後遺症が……
って、そういえば本の話でしたね f(^_^;

本書は雑誌「SWITCH」に「原宿百景」として連載されたエッセイに加筆修正されたものです。

デビュー前のヤンキー時代(!)の話、アイドル時代の話・恋愛の話など、ファン垂涎のエピソード満載です。
そしてそして、なんと!
「あまちゃん」のことも少しだけ載っているのです!

両親の離婚、肉親やペットの死、表題にもある黒い猫の衝撃など、辛い話・悲しい話・怖い話も多いのですが、不思議と湿っぽくは感じませんでした。
文章がサラッとしているのです。

それでも私の青春時代と重なるエピソードも多く、ノスタルジックな気分になりながら、読み終えたのでした。

キョンキョンの書く文章を初めて目にしたのは、読売新聞の書評欄でした。(書評委員を卒業されたのは残念です。)
あばずれ感半端なかった春子さん・かわいこちゃんとは一線を画していたとんがったアイドルの頃のイメージとは違って、優しい落ち着いた大人の女性という印象で、そのギャップに驚いたものでした。
本書も「ここまで赤裸々に!」とびっくりする箇所はありますが、優しい文章で芸能界の派手さを感じさせない、普通の感覚の方なんだなぁというのがよくわかります。

ところで、キョンキョンは賃貸契約の更新をしたことがないのだと言います
なぜなら、引っ越しても引っ越しても、ファンに見つかり騒がれて他の住人に文句言われて、大変なことになってしまうからだそうです。
さすが「なんてったってアイドル」、色々ご苦労があるんですね。

(タイトルの「セミの脱け殻」は、「あまちゃん」で片桐はいりさん扮するあんべちゃんのセリフをパクらせていただきました。)

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