2012年12月2日日曜日

興奮する匂い 食欲をそそる匂い ~遺伝子が解き明かす匂いの最前線

興奮する匂い 食欲をそそる匂い ~遺伝子が解き明かす匂いの最前線
新村芳人著
技術評論社

まだまだ解明されていないことがたくさんある「匂い」。そんな匂いを科学する入門書。



録画して毎週楽しみに見ている「探偵ナイトスクープ」。
先日、「オナラのニオイが好きな女性」が、複数の男性のオナラをホースで直接嗅いで喜ぶという衝撃の内容が放送された。
人の好みは多種多様だと理解していても、仰天した。

ヒトゲノムが解読されて嗅覚研究が大きく前進したとはいえ、匂いについてはまだまだ解明されていないことがたくさんあるのだという。
本書は、そんな「匂い」を科学的に解説した入門書である。

匂いの嗜好性は、後天的な学習によって形成されると考えられている。
その匂いを体験した環境に左右されるのである。
2歳児くらいまではまだ匂いに対して良い悪いという概念が存在していないという。
それならきっと「探偵ナイトスクープ」の女性は、幼少期にオナラと素敵な体験を結びつけているから「好みの香り」だと刷り込まれているのだろう。

その他
・調香師が、望みの香りを持つ分子を得るためには試行錯誤によるしかない。
・嗅盲--特定の匂いを嗅ぐことができない人がいる。(ということは自分では気付かなくても部分的に嗅盲の人がたくさんいるのではないか。)
・糞の悪臭の主成分・スカトールは、低濃度の場合花の香りがして香水にも利用されている。
・精子にも嗅覚受容体が機能しており、卵子のスズランのような香りにおびき寄せられて受精する。
・イヌは鼻がよいと言われるが、獲物である動物の匂いには敏感だが、それ以外の例えば植物の匂いに関してはそうでもない。
・様々な生物がフェロモンを利用してコミニュケーションを行っている。
と興味深い話がたくさん掲載されていて読み応えがある。

また、匂いとは直接関係ないが、機能を失ってしまった「偽遺伝子」の塩基配列には「終止コドン」が含まれているのですぐわかるという話は、素人ながらへぇ〜へぇ〜唸りながら興味深く読んだ。

※ここだけの話、「入門書」のようにわかりやすいとは言っても、化学式が出てくると途端に睡魔に襲われるという危機を乗り越えて読了した。

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