2014年2月12日水曜日

官能教育 私たちは愛とセックスをいかに教えられてきたか

植島啓司著
幻冬舎新書

ヒトはなぜ浮気をするのか?同時に複数の愛を確かめられるのか?一夫一婦制は崩壊してしまうのか?男と女のこれからを考える。



本書「官能教育」は刺激的なタイトルだが、内容は過去の歴史や文学作品を紐解きながら、これからの男女の関係について考える真面目な考察本である。

・イヌイットには、相手を交換して長く暗い冬を楽しむ「明かりを消して」というゲームがある。
・ウリシ島に住むミクロネシアの漁民は、祭りの際、男女が連れ立って森に出かけ関係を持つ。その際、夫婦や恋人同士で一緒に行ってはならない。

など、地上に存在した多くの社会の中には、「愛人」「不倫」「複数交際」が上手く社会に組み込まれていたのだと、多数の例が挙げられている。
平凡な人生を歩んできた私は、男女の関係はここまで多様なのかと驚くばかりだ。

また、
・ビクトリア朝の時代に乱脈な性関係を楽しんでいたメイベル・ルーミス・トッドという女性。
・フローベルの「ボヴァリー夫人」など文学作品や映画に出てくる奔放な女性。
など、過去の肉食系女子たちについても多数解説されている。

・「一人の異性を選んだら他の相手を拒絶しなければいけない」という方が、むしろ不自然だったのではないか。
・いまや3組に1組が離婚する世の中なのだ。結婚そのものについて考え直さなければならない。
・一夫一妻や貞節という義務を課すと、不寛容・嫉妬・羨望・疑念といった弊害が生まれてくる。
と、著者は一貫して「ヒトは異性に目移りするものだ。」という前提のもと、未来の男女関係について考えていく。

本書を読んでいると、どうして不倫はいけないのか?という問いになかなか上手く答えられないことに気づかされた。
「家族はじめみんなが不幸になるから、ゴニョゴニョ・・・」となってしまう。

でもやっぱり私は、著者のそういった考えに違和感を持ってしまうのだ。
奔放な恋愛をしてきた有名な女たちの影に、一人の男を穏やかな愛で一生愛し続けた女がそれ以上の数いたのではないだろうか。
男や性に興味がない女性もたくさんいたのではないだろうか。
平凡すぎて表に出ていないだけで。
また、男たちの中にも、目移りすることなく一人の女を想い続ける者が多数いると思うのだ。

そう考えてしまうのは、私が既婚者であるという立場だからだろうか。
そういう考えを持つように教育されてきたからだろうか。
それともやっぱり男たちは日々目移りし、隙あらば複数の女性と関係を持とうとしているのだろうか。

えっ!
芸能人に憧れたり、イケメンと出会ってときめいてしまうことも目移りの一種?
そう言われると、返す言葉もありませんが。
ゴニョゴニョ・・・

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