2013年9月24日火曜日

ロスジェネの逆襲

池井戸潤著
ダイヤモンド社

「人事が怖くてサラリーマンが務まるか!」ますます劇画チックになった「半沢直樹」第3弾。



TBSドラマ「半沢直樹」が終わった。
役者たちの迫力ある演技で、驚異的な視聴率をとったのも頷ける。
(関東42.2%、関西45.5%)
 
大活躍のスーパー銀行員・半沢直樹。
「オレたちバブル入行組」 では、大阪西支店で5億円の債権回収をし、「オレたち花のバブル組」 では120億円の巨額損失に対峙し銀行の危機を救った。
その「半沢直樹」シリーズの第3弾がこの「ロスジェネの逆襲」である。

本作で半沢直樹は、東京中央銀行の証券子会社である東京セントラル証券に出向し、営業企画部長として働いている。
IT企業の電脳がスパイラルに敵対的買収を仕掛けるところから話は始まる。
当初電脳側のアドバイザーだった半沢だが、親会社の東京中央銀行にアドバイザーの立場を横取りされ、今度は買収される側のスパイラルのアドバイザーとなる。
・・・って、親会社に喧嘩を吹っかけているようなものではないか!

ここまでやっちゃっていいのだろうか?
敵をこんなに作って大丈夫なのか?
でも、半沢直樹は期待を裏切らず、やってくれるんだなぁ。

合併銀行であるため、東京第一銀行出身者と産業中央銀行出身者が対立する旧T・旧Sの戦い、上司と部下の戦いという今まで描かれていた戦いに加えて、出向社員VSプロパー、親会社VS子会社、バブル入行組VSロスジェネ世代と対立も激化し、入り乱れてもう魑魅魍魎の世界だ。
実際の銀行もこんな伏魔殿のようなのだろうか。

プライドだけ高くて仕事ができない奴。
自分の利益しか考えていない奴。
どうしてそんな奴らがのさばっているのだろうとイライラするような悪役がたくさん出てくるのだが、悪役が悪く描かれれば描かれるほど、半沢が引き立つのだから、我慢しよう。
その分倍返ししたときの爽快感が増すのだから。

印象深かったのが、本作で半沢がハッキリ言い切った仕事への姿勢だ。
やっぱり、半沢直樹はかっこいい。
サラリーマンの星だ。

同期たちが固い絆で結ばれ、裏切らないのも気持ちがいい。
これからもこのシリーズは続いていくだろうが、同期たちだけは悪役にしないで欲しいと願う。

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