2016年12月6日火曜日

黄昏古書店の家政婦さん ~下町純情恋模様~

或る一家の団欒。「昭和レトロ浪漫」恋愛小説編。


M1:なにこの本?3人とも読んだんだ。
「古書店」ってことは「ビブリア古書堂」の二番煎じ?

M2:ビブリアみたいな謎解きは出てこなかったよ。普通の恋愛小説だった。

D:俺は設定が納得いかなかったなぁ。
高校卒業してすぐ家政婦さんになりたいなんて女の子いる?
えっ、昔は一般的だったの?
でも、男1人暮らしの家に住み込みで働くんだぜ。おかしいよ。
それから、怪我してる迷子の男の子を警察に届けず家に連れて帰ったり、納得いかないことばかりだった。

H:まぁまぁ。それじゃあ「うる星やつら」はどうなるの?
ラムちゃんみたいなかわいい宇宙人いるかって話になっちゃうでしょ?
設定は受け入れなくちゃ。

M1:「懐かしく少し切ない、本屋さんとお世話係の昭和レトロ浪漫」って書いてあるけど、昔の話なの?

M2:私は現代と思ったけど。

D:お見合いの話とか、古いなぁって感じるところはあったけど、年代を特定できるようなところはなかった気がする。

H:「飲み屋の女給」「汽車」とか、「春画」「カストリ雑誌」なんて言葉まで使われているから、時代は古いのかな?
でも、会話や女の子の行動は現代そのもので違和感を覚えたなぁ。

M1:古書店が舞台なんだから、本にまつわる話が中心なの?

M2:だからぁ、普通の恋愛話なんだってば。人の話聞いてた?
古書店じゃなく、リサイクルショップでも、古着屋さんでも、小説家の家でもどこでも成立する話だよ。

M1:ふーん。じゃあ、昔の少女漫画のような甘いラブストーリーって感じ?

M2:お姉ちゃん、昔の少女漫画知ってるの?(笑)
簡単に言えば、若い素朴な家政婦さんが39歳のご主人様に惚れて迫るけど、拒否されるっていう話だよ。
男の願望に溢れた物語って感じかな?
少女漫画っていうより、青年漫画だね。
「いかがわしい方の風呂やさん」とか出てくるし(笑)
男目線ってところは、ビブリアと同じかも。

H:確かに、男が好きそうな、ドジでウブな女の子そのものだったね。

M1:何それ!ウブな女の子なのに、自分から迫るの?

D:なっ!だから設定がおかしいっていうんだよ。
ひとつ屋根の下に暮らす若いお姉ちゃんから迫られて、拒める男なんているかっつうの!
そんなのよっぽどの……
あっ、いやいや、お、俺は拒むけどね、そうなっても……

M1:読む前にそんな否定的なことばかり言わなくても……。
で、結局、この本は面白いの?

M2:面白かったよー。予想通り最後は丸く収まるしね。
分厚いけど内容が軽くてすぐ読み終わるから、読んでみたら?

H:私もそれなりに面白く読めたよ。
設定やみえみえの展開はともかく、この作家さんの文章、読みやすかった。
昭和レトロとかラノベとかの縛りを取っ払って、自由に書いた小説を読んでみたいな。

M2:それより、もうお腹すいた~!

D:おっ、今日は俺の当番だった。早く作らなきゃ。
あ~あ、こんな家政婦さん欲しいな。
違うよ!べ、別に若いお姉ちゃんが欲しいってわけじゃないよ!
料理上手な人がいたらなぁって思っただけで…
いてっ。違うって!はにぃの料理が下手なんて言ってないって!

※この会話はフィクションです。
実在の人物とは一切関係がありません。

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